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第23章 卒業
第157話 新たな旅立ち
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寄宿舎に戻ってからも当然騎士団入団試験に向けての勉強をずっとやっていた。
基本は見張りという名目でジェシーが部屋に居続け、どうしても抜けなければならなくなった場合にアリスと交替していた。アリスとはその時やたまに部屋に来て一緒に勉強をしたり、アリス以外にも騎士団入団を目指しているマーシュやジャック、さらにはメリーやアイラなどとも勉強 (会)を行ったりしていた。
特に全員が長いこと上級の内容しか学習してこなかったので、下級の内容を補い合いながら楽しく勉強をしていた。
そうした日々を過ごし······ついにこの日を迎えた。
「ただ今より、サンドリア王国騎士団養成学校卒業式を行う。卒業生入場!」僕達の卒業式が執り行われた。
普段は滅多に訪れない集会などを行う場所である講堂内には、先生方にドワーフ族の王やエルフ族の王であるフィンラル様を始めとした来賓の方々。また王都内に住んでいる生徒らの親などが出席して僕達を出迎えてくれていた。
最初にジルコニー校長先生からのお祝いの挨拶が述べられ、続いてフィンラル様やドワーフ族の王様らからの祝辞が述べられた。
そして最後に、現騎士団団長のパーシバル団長が壇上に立ち、「卒業生諸君、卒業おめでとう。騎士団団長のパーシバル・クンツェンだ。ここにいるほとんどの者は我々の騎士団に入団するために学習してきたと思われる。現在我々騎士団は特に魔物の活動が活発になってきているため、その対処に当たる事が多くなっている」
(僕やアレクさんが忠告した事だ)と思った。「しかし、それ以外にも騎士団としてはやらなければならない事があり、また君達も入団してやりたい事はそれぞれあるだろう。それらに精一杯力を尽くしてくれる事を期待している!」と挨拶を述べられた。
こうして卒業式は無事終わった。その後僕達は一旦寄宿舎などに戻って着替えをし、お城の大広間で行われる卒業パーティーに出席した。
パーティー会場には既に先生方が待っていて、また食べ物や飲み物も多種多様大量に用意されていた。そして、ほぼ全員が集まったところで「卒業生諸君、卒業おめでとう! 乾杯!!」「「「乾杯!」」」の合図でパーティーが始まった。
皆用意された物を飲食したり友人らとの会話で盛り上がっていた。僕もアリスと食べ物を食べたりしながら、「で、お前は一体いつから来てたんだ?」と隣で黙々と食べ物を食べているベアーズをジト目で見ていた。
なぜか先に来て並んでいた先生方の列にコイツもちゃっかりいやがったのだ。そして乾杯の合図までしっかり待っていて、合図の直後に黙々と食べ始めたのだ。
「フフフッ、本当にそうね。でもベアーズも少なくともこの場にはいてもおかしくはないんじゃない? ずっと私達と過ごしてきたんだから」「まぁそれもそっか」と話していたら、「レックス!」とロースがやって来た。
「やぁ、ロース」「もう足は大丈夫なの?」「うん。つい一昨日ドクトリー先生からも許可をもらって松葉杖を返したところだよ」「そっか。何とか入団試験には間に合ったんだね」「うん。でも入学前の期間も合わせて4年間一緒に過ごしてきたけど、これでロースとも滅多に会えなくなるね」「うん。でもフィンラル様も祝辞で述べてたじゃない。『これからは我々もヒト族ともより協力をしていく所存です』って」「確かに言ってたね」
そう、卒業式でフィンラル様が「以前は我々エルフ族は他種族とは滅多に接する事はありませんでした。しかし近年発生致しましたダークエルフらの襲撃の折りには、養成学校の関係者始めヒト族の協力によって被害を最小限に抑えられたのは事実であり、そして先日のダークエルフとの大決戦でも多くのモノの協力で勝利を収めました。こうした経験からも今後は我々もヒト族ともより協力をしていく所存です」と述べていた。
「だからこれからも一緒に戦う事があるかもね」「そうだね。まぁその時はよろしく」「こちらこそ」と会話を交わしてロースは離れていった。アリスもそのすぐ後に友達の所へ行ってしまった。
そして1人きり(ベアーズはすぐ隣にいるが)になったがすぐにジャックが近付いて来た。
「よぉ、レックス」「ジャック」「お前とは2年間しか一緒じゃなかったけど、その間に色んな事があったよな」「うん。本当にそうだったね」本当に僕にとっても色々起こりすぎた2年間だった。
「まぁでも、騎士団に入ればまた一緒になるだろうけどな」「そうだね。取り敢えずまずは明日からの入団試験を頑張らないとね」「そうだな······」まだ何か言いたそうな雰囲気であったが、それを打ち消すぐらい周りが急に騒ぎだした。
「「オォーー!」」騒ぎの先にはネールとライアンに護られたジェシーがいたのだった。
ジェシーらの姿を見て、「あれじゃあそりゃ皆騒ぐよなぁ」「そうだな」と言った後、「······レックス」「うん?」「ジェシーの事、これからも頼むな」「っ! ······うん。分かったよ」「フッ」そう会話を交わして僕達もジェシーらの姿を見続けていた。
そんな僕達に気付いて「レックス! ジャック!」ジェシーが寄って来た。そして暫く3人で話した後、ジェシーもジャックも他所に移動した。
僕も直後にその場を離れて友人らと会話したり、飲食物を堪能してパーティーを楽しんだ。
いよいよ明日からは次なる舞台、王国騎士団での生活が始まる······かもしれないんだ。その期待感と明日からの試験が無事合格出来るかの不安感で心がいっぱいになっていた。
そんなパーティーの最中、「レックス、ちょっと」突然アリスが僕の手を引っ張って誰も来なさそうなパーティー会場の隅に連れて来た。
「何だよアリス。こんな所に連れて来て」「レックス。正直魔王軍との決戦まで、後どれぐらいの猶予があるの?」と聞いてきた。
「っ!」自分の中ででももう間もなくだと意識はしていたけど、他人から言われたら改めて実感が湧いてきた。その上で······。
「確か僕達の誕生日が訪れる前には始まっていたはずだよ」「じゃあ、もうあんまり猶予が」「でも」「でも?」「夏の暑い時期は確か過ぎていたはずだったよ」「それじゃあ」コクッ「多分なんだけど、恐らくあと······」
運命の魔王軍との決戦の日まで、あと約6ヶ月。
基本は見張りという名目でジェシーが部屋に居続け、どうしても抜けなければならなくなった場合にアリスと交替していた。アリスとはその時やたまに部屋に来て一緒に勉強をしたり、アリス以外にも騎士団入団を目指しているマーシュやジャック、さらにはメリーやアイラなどとも勉強 (会)を行ったりしていた。
特に全員が長いこと上級の内容しか学習してこなかったので、下級の内容を補い合いながら楽しく勉強をしていた。
そうした日々を過ごし······ついにこの日を迎えた。
「ただ今より、サンドリア王国騎士団養成学校卒業式を行う。卒業生入場!」僕達の卒業式が執り行われた。
普段は滅多に訪れない集会などを行う場所である講堂内には、先生方にドワーフ族の王やエルフ族の王であるフィンラル様を始めとした来賓の方々。また王都内に住んでいる生徒らの親などが出席して僕達を出迎えてくれていた。
最初にジルコニー校長先生からのお祝いの挨拶が述べられ、続いてフィンラル様やドワーフ族の王様らからの祝辞が述べられた。
そして最後に、現騎士団団長のパーシバル団長が壇上に立ち、「卒業生諸君、卒業おめでとう。騎士団団長のパーシバル・クンツェンだ。ここにいるほとんどの者は我々の騎士団に入団するために学習してきたと思われる。現在我々騎士団は特に魔物の活動が活発になってきているため、その対処に当たる事が多くなっている」
(僕やアレクさんが忠告した事だ)と思った。「しかし、それ以外にも騎士団としてはやらなければならない事があり、また君達も入団してやりたい事はそれぞれあるだろう。それらに精一杯力を尽くしてくれる事を期待している!」と挨拶を述べられた。
こうして卒業式は無事終わった。その後僕達は一旦寄宿舎などに戻って着替えをし、お城の大広間で行われる卒業パーティーに出席した。
パーティー会場には既に先生方が待っていて、また食べ物や飲み物も多種多様大量に用意されていた。そして、ほぼ全員が集まったところで「卒業生諸君、卒業おめでとう! 乾杯!!」「「「乾杯!」」」の合図でパーティーが始まった。
皆用意された物を飲食したり友人らとの会話で盛り上がっていた。僕もアリスと食べ物を食べたりしながら、「で、お前は一体いつから来てたんだ?」と隣で黙々と食べ物を食べているベアーズをジト目で見ていた。
なぜか先に来て並んでいた先生方の列にコイツもちゃっかりいやがったのだ。そして乾杯の合図までしっかり待っていて、合図の直後に黙々と食べ始めたのだ。
「フフフッ、本当にそうね。でもベアーズも少なくともこの場にはいてもおかしくはないんじゃない? ずっと私達と過ごしてきたんだから」「まぁそれもそっか」と話していたら、「レックス!」とロースがやって来た。
「やぁ、ロース」「もう足は大丈夫なの?」「うん。つい一昨日ドクトリー先生からも許可をもらって松葉杖を返したところだよ」「そっか。何とか入団試験には間に合ったんだね」「うん。でも入学前の期間も合わせて4年間一緒に過ごしてきたけど、これでロースとも滅多に会えなくなるね」「うん。でもフィンラル様も祝辞で述べてたじゃない。『これからは我々もヒト族ともより協力をしていく所存です』って」「確かに言ってたね」
そう、卒業式でフィンラル様が「以前は我々エルフ族は他種族とは滅多に接する事はありませんでした。しかし近年発生致しましたダークエルフらの襲撃の折りには、養成学校の関係者始めヒト族の協力によって被害を最小限に抑えられたのは事実であり、そして先日のダークエルフとの大決戦でも多くのモノの協力で勝利を収めました。こうした経験からも今後は我々もヒト族ともより協力をしていく所存です」と述べていた。
「だからこれからも一緒に戦う事があるかもね」「そうだね。まぁその時はよろしく」「こちらこそ」と会話を交わしてロースは離れていった。アリスもそのすぐ後に友達の所へ行ってしまった。
そして1人きり(ベアーズはすぐ隣にいるが)になったがすぐにジャックが近付いて来た。
「よぉ、レックス」「ジャック」「お前とは2年間しか一緒じゃなかったけど、その間に色んな事があったよな」「うん。本当にそうだったね」本当に僕にとっても色々起こりすぎた2年間だった。
「まぁでも、騎士団に入ればまた一緒になるだろうけどな」「そうだね。取り敢えずまずは明日からの入団試験を頑張らないとね」「そうだな······」まだ何か言いたそうな雰囲気であったが、それを打ち消すぐらい周りが急に騒ぎだした。
「「オォーー!」」騒ぎの先にはネールとライアンに護られたジェシーがいたのだった。
ジェシーらの姿を見て、「あれじゃあそりゃ皆騒ぐよなぁ」「そうだな」と言った後、「······レックス」「うん?」「ジェシーの事、これからも頼むな」「っ! ······うん。分かったよ」「フッ」そう会話を交わして僕達もジェシーらの姿を見続けていた。
そんな僕達に気付いて「レックス! ジャック!」ジェシーが寄って来た。そして暫く3人で話した後、ジェシーもジャックも他所に移動した。
僕も直後にその場を離れて友人らと会話したり、飲食物を堪能してパーティーを楽しんだ。
いよいよ明日からは次なる舞台、王国騎士団での生活が始まる······かもしれないんだ。その期待感と明日からの試験が無事合格出来るかの不安感で心がいっぱいになっていた。
そんなパーティーの最中、「レックス、ちょっと」突然アリスが僕の手を引っ張って誰も来なさそうなパーティー会場の隅に連れて来た。
「何だよアリス。こんな所に連れて来て」「レックス。正直魔王軍との決戦まで、後どれぐらいの猶予があるの?」と聞いてきた。
「っ!」自分の中ででももう間もなくだと意識はしていたけど、他人から言われたら改めて実感が湧いてきた。その上で······。
「確か僕達の誕生日が訪れる前には始まっていたはずだよ」「じゃあ、もうあんまり猶予が」「でも」「でも?」「夏の暑い時期は確か過ぎていたはずだったよ」「それじゃあ」コクッ「多分なんだけど、恐らくあと······」
運命の魔王軍との決戦の日まで、あと約6ヶ月。
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