落ちこぼれ一兵卒が転生してから大活躍

きこうダきこう

文字の大きさ
上 下
115 / 224
第19章 最終学年

第115話 初クエスト

しおりを挟む
 王都の入口に近い区画に設立されているギルドに足を踏み込んだら、中には冒険者と思しき人達と養成学校の生徒と思しき者がたくさん存在し、特にクエストボードの周りには人で溢れていた。

 僕もその人達の合間を抜けてボードの前に着いた。ボードには色々なクエストが貼られていて今まで見て来た書面と同じような内容がずらりと並んでいた。

 それらを見てどれを選ぼうか悩んでいたら、ベアーズが腕の中でそわそわしだし、あるクエストを求めているように見えた。

 そのためベアーズを各クエストの前にかざしてみたら、あるクエストに手を付いたのでそれを取ってその場を離れた。

 改めてクエストを見たら、海人族からのクエストであった。ただし、Cランクの······。

(Cランクかぁ······まぁいっか。なぜかコイツが気になったモノだし)と思いながらベアーズを見た。

 そしてそのクエストを持って受付に向かい、ちょうど空いた窓口の女性にクエストと学校IDを提出して「こちらをお願いします」と言った。

「はい。養成学校の生徒さんですね?」と言って女性も2つを受け取りそれぞれを確認した。

 すると、「······あぁ、君がレックス・アーノルド君ね?」「はい、そうですが?」「分かりました。ではこちらのクエストお願いします」と言われて返却された。

 どうやら僕が海人族の人と親しい事はギルド関係者にも周知されていたようだ。だからAクラスの僕が海人族からのCランクのクエストを受けたのも納得され、受理されたみたいだ。

 それはともかくギルドを出て早速移動の羽でマリンタウンへ飛び依頼人の所へ向かった。

 依頼事態はさほど難しくないマリンタウン近くの森へ薬草の採集だったため、あっさりと終わってしまった(途中魔物が何体か現れたが、難なく倒せた)。

 そのためギルドに戻ってきて他に何か無いか見に来たけど、特に海人族絡みのもすぐに終われそうなAランクのも無かったので、その日はクエスト受諾を諦め頼み事を引き受ける事にしようと学校に戻った。


 翌日になってまたギルドに足を運び、クエストボードを見にきたら海人族からのクエストがあったので、それを取った。

 ちょうどその時後ろから「よぉ、レックス。何かクエスト受けるのか?」と声を掛けられたので振り返ったらジャックがいた。

「やぁジャック。うん、これをね」と言って今取ったクエストを見せた。

「へぇー······ん? おいちょっと待て。お前、これ······」「じゃあね!」何か言おうとしたジャックを無視するかのようにその場をさっさと抜け出し、受付のレナさん(昨日多くの人がそう読んでいたので覚えてしまった)に受理してもらい、ギルドを出た。

 残されたジャックはその一連の動きを黙って見続けていた。

 そして僕がギルドを出た後で、「いや、お前それ······Dのクエストだろ」と呟いたのだった······。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

転生令嬢の食いしん坊万罪!

ねこたま本店
ファンタジー
   訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。  そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。  プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。  しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。  プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。  これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。  こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。  今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。 ※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。 ※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

知識スキルで異世界らいふ

チョッキリ
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】 ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。

処理中です...