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第16章 閑話
第91話 魔石探し
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「「魔石??」」「そうだ。石の中に強力な魔力を秘めた石何だが、その様子では君も知らないようだね、ピエール君」「はい。僕もまだ名前すら見た事がありません」「そうか」
ある日僕とピエールがジルコニー校長に呼ばれたので校長室に赴き、魔石の事を聞かれたのだ。
「でもどうして魔石を?」「お城でどうやら必要としていてな。それをピエール君が見つけて家の者に渡し、クンツェン家からお城に献上すれば多少クンツェン家の評判も回復するだろうと思ってな」とジルコニー校長は説明した。
確かに、先のオリバーとの騒動が何故か学校外にまで知れ渡り、クンツェン家本家にまで伝わって次の休日にオリバーが家に呼ばれて大目玉を食らったようだと兄ちゃんから聞いた。
「まぁオリバーの一件では俺にも多少責任があるからな。もし魔石の情報を手に入れたら知らせてくれ」「「分かりました」」と言って校長室を出た。
僕達はその足で図書室に向かい、情報が載って無いか手分けして探した······が、全然見つからなかった。
(やっぱりどこにも載ってないかぁ)「······ハァ」なかなか見つからずため息をついた時、「何ため息ついてるの?」「ん? あぁ、アリスにマーシュ」アリスとマーシュが通り掛かった。
「実は······」魔石の事を話したらマーシュが、「ちょっと待てよ。確か······」と言ってある棚から本を取り出して「これの事じゃあ?」見せてくれたページに何と魔石の事が載っていたのだ。
「これだ! ありがとう」と言ってその場を離れた。
そしてピエールの下に行き「ピエール、見つかったよ」「ホントですか!?」「これ······」マーシュが見つけたページを見せた。
「ホントだ」「鉱石の本じゃなくて歴史の本に載ってたんだ」そう、マーシュが持ってきてくれたのはある種族の歴史書だった。
そして魔石の事が書かれているページには、"魔石はかつてドワーフ族が管理していた坑道にて採掘されていたが、ある時期を境にドワーフ族が採掘しなくなり、そのうち坑道も封鎖されてしまった"と書かれていた。
「ドワーフ族が管理していた坑道かぁ」それが分かったところで僕達はジルコニー校長に報告しに行った。
「そうだった。以前は彼らから調達していたんだ。ずっと途絶えていたから忘れていたよ。だとすれば······」そう言ってジルコニー校長は紙に何かを書き始めた。
そして書き終えたところで、「レックス君、バーミリアンからドワーフ族の村へ行くための移動の羽を借りて坑道に向かい、そこを管理している者がいるから、そいつにこの手紙を見せて魔石を分けてもらってきてくれ」「分かりました」と言って校長室を出た。
部屋を出たところで「レックス!」「マーシュ?」「ひょっとして、ドワーフ族の村へ行くのかい?」「うん、そうだけど······」きっとさっき本を渡す時に見えたんだな。
「なら、僕も一緒に行っても良いかい?」「別に構わないよ」「ありがとう」と僕達はバーミリアン先生から移動の羽を借り、校舎を出てドワーフ族の村へ飛んだ。
村へ着いたところで「ここがドワーフ族の村かぁ」「確かにドワーフ族ばかりだ」などと感想を言い合った後、坑道の場所を村人らに聞いて向かった。
「あそこみたい」「確かに閉まっていますね」坑道の入口は硬い扉で締め切られていた。
その手前に管理人室のような建物を見掛けたのでそこに向かうと、中に人がいたので「すいません」と声を掛けた。
「ん、何だぁ? ヒト族の子供が何しに来ただぁ?」と聞かれたので「僕達はサンドリア王国の養成学校の生徒で、校長のジルコニーから手紙を預かってきました」「ジルコニー? おぉ彼奴からか。懐かしいなぁ」
そう言って手紙を受け取って読んだところ、「あぁ、分かった。んじゃ付いてくるんだ」と僕達を坑道の中に入れてくれた。
坑道に入って暫く歩いたら、「うわぁ、凄い!」「もしかして、これ全部?」「あぁ、魔石だー」案内された部屋には辺り一面あちこちに魔石が埋まっていた。
「さてと、手紙の内容から······これぐらいで良いだろ」と言って適当な大きさの魔石を取って「ほれ、コイツを持っていけ」と渡してくれた。
「ありがとうございます!」とお礼を言ったら、「それを渡す時、あいつにあれ10倍分よろしくなと伝えといてくれ」「分かりました」(何の事だろう?)と思いつつ、「んじゃあ帰るだ」と言われて坑道を出た。
坑道を出て管理人と別れ、「何とか手に入ったな」「ええ、そうですね」と喜んでいたら、「なぁ、レックス」「何? マーシュ」「帰るのちょっと待っててくれないか?」とマーシュが頼んできたので「良いけど、そもそも何しに来たの?」と尋ねた。
「もうじきアリスの誕生日だろ? だからその為のプレゼントを買おうと思って」「そういうことね。分かった、じゃあ来た所で待ってるから」「ありがとな!」と言ってマーシュは走って行った。
(そっか、アリスの誕生日のプレゼントを······忘れてたーー!! そ、そういえば、もうじきアリス(と僕)の誕生日だったー! 全然プレゼント考えて無かった! ど、どうしよう······)と外見は平静を装いながらも、頭の中は大混乱に陥りながら歩いていた。
その後マーシュが戻って来て学校へ戻り、マーシュと別れてバーミリアン先生に移動の羽を返したところでジルコニー校長に魔石を提出した。
「おぉ、よく手に入れられたな。ご苦労だった」「いえ。あと坑道の管理人さんから校長先生に、あれを10倍分よろしくと伝えてくれと言われました」「あれ? ······まさか」と言ってジルコニー校長はしかめっ面をした。
「校長先生?」僕が尋ねると「気にするな。とにかくご苦労。もう良いぞ」と言われたので、「「失礼します」」と校長室を出た。
1人になってジルコニーは「人の揚げ足を取りやがってあいつめ。10倍は無いだろ10倍は······」とぼやいたのだった。
後日ピエールから両親に誉められ、これからは成績を気にせず自由に学校生活を送れば良いと言われたと喜んでいた。
しかし、僕はそんな事を気にするだけの余裕が無い程の大問題に直面したのだった······。
ある日僕とピエールがジルコニー校長に呼ばれたので校長室に赴き、魔石の事を聞かれたのだ。
「でもどうして魔石を?」「お城でどうやら必要としていてな。それをピエール君が見つけて家の者に渡し、クンツェン家からお城に献上すれば多少クンツェン家の評判も回復するだろうと思ってな」とジルコニー校長は説明した。
確かに、先のオリバーとの騒動が何故か学校外にまで知れ渡り、クンツェン家本家にまで伝わって次の休日にオリバーが家に呼ばれて大目玉を食らったようだと兄ちゃんから聞いた。
「まぁオリバーの一件では俺にも多少責任があるからな。もし魔石の情報を手に入れたら知らせてくれ」「「分かりました」」と言って校長室を出た。
僕達はその足で図書室に向かい、情報が載って無いか手分けして探した······が、全然見つからなかった。
(やっぱりどこにも載ってないかぁ)「······ハァ」なかなか見つからずため息をついた時、「何ため息ついてるの?」「ん? あぁ、アリスにマーシュ」アリスとマーシュが通り掛かった。
「実は······」魔石の事を話したらマーシュが、「ちょっと待てよ。確か······」と言ってある棚から本を取り出して「これの事じゃあ?」見せてくれたページに何と魔石の事が載っていたのだ。
「これだ! ありがとう」と言ってその場を離れた。
そしてピエールの下に行き「ピエール、見つかったよ」「ホントですか!?」「これ······」マーシュが見つけたページを見せた。
「ホントだ」「鉱石の本じゃなくて歴史の本に載ってたんだ」そう、マーシュが持ってきてくれたのはある種族の歴史書だった。
そして魔石の事が書かれているページには、"魔石はかつてドワーフ族が管理していた坑道にて採掘されていたが、ある時期を境にドワーフ族が採掘しなくなり、そのうち坑道も封鎖されてしまった"と書かれていた。
「ドワーフ族が管理していた坑道かぁ」それが分かったところで僕達はジルコニー校長に報告しに行った。
「そうだった。以前は彼らから調達していたんだ。ずっと途絶えていたから忘れていたよ。だとすれば······」そう言ってジルコニー校長は紙に何かを書き始めた。
そして書き終えたところで、「レックス君、バーミリアンからドワーフ族の村へ行くための移動の羽を借りて坑道に向かい、そこを管理している者がいるから、そいつにこの手紙を見せて魔石を分けてもらってきてくれ」「分かりました」と言って校長室を出た。
部屋を出たところで「レックス!」「マーシュ?」「ひょっとして、ドワーフ族の村へ行くのかい?」「うん、そうだけど······」きっとさっき本を渡す時に見えたんだな。
「なら、僕も一緒に行っても良いかい?」「別に構わないよ」「ありがとう」と僕達はバーミリアン先生から移動の羽を借り、校舎を出てドワーフ族の村へ飛んだ。
村へ着いたところで「ここがドワーフ族の村かぁ」「確かにドワーフ族ばかりだ」などと感想を言い合った後、坑道の場所を村人らに聞いて向かった。
「あそこみたい」「確かに閉まっていますね」坑道の入口は硬い扉で締め切られていた。
その手前に管理人室のような建物を見掛けたのでそこに向かうと、中に人がいたので「すいません」と声を掛けた。
「ん、何だぁ? ヒト族の子供が何しに来ただぁ?」と聞かれたので「僕達はサンドリア王国の養成学校の生徒で、校長のジルコニーから手紙を預かってきました」「ジルコニー? おぉ彼奴からか。懐かしいなぁ」
そう言って手紙を受け取って読んだところ、「あぁ、分かった。んじゃ付いてくるんだ」と僕達を坑道の中に入れてくれた。
坑道に入って暫く歩いたら、「うわぁ、凄い!」「もしかして、これ全部?」「あぁ、魔石だー」案内された部屋には辺り一面あちこちに魔石が埋まっていた。
「さてと、手紙の内容から······これぐらいで良いだろ」と言って適当な大きさの魔石を取って「ほれ、コイツを持っていけ」と渡してくれた。
「ありがとうございます!」とお礼を言ったら、「それを渡す時、あいつにあれ10倍分よろしくなと伝えといてくれ」「分かりました」(何の事だろう?)と思いつつ、「んじゃあ帰るだ」と言われて坑道を出た。
坑道を出て管理人と別れ、「何とか手に入ったな」「ええ、そうですね」と喜んでいたら、「なぁ、レックス」「何? マーシュ」「帰るのちょっと待っててくれないか?」とマーシュが頼んできたので「良いけど、そもそも何しに来たの?」と尋ねた。
「もうじきアリスの誕生日だろ? だからその為のプレゼントを買おうと思って」「そういうことね。分かった、じゃあ来た所で待ってるから」「ありがとな!」と言ってマーシュは走って行った。
(そっか、アリスの誕生日のプレゼントを······忘れてたーー!! そ、そういえば、もうじきアリス(と僕)の誕生日だったー! 全然プレゼント考えて無かった! ど、どうしよう······)と外見は平静を装いながらも、頭の中は大混乱に陥りながら歩いていた。
その後マーシュが戻って来て学校へ戻り、マーシュと別れてバーミリアン先生に移動の羽を返したところでジルコニー校長に魔石を提出した。
「おぉ、よく手に入れられたな。ご苦労だった」「いえ。あと坑道の管理人さんから校長先生に、あれを10倍分よろしくと伝えてくれと言われました」「あれ? ······まさか」と言ってジルコニー校長はしかめっ面をした。
「校長先生?」僕が尋ねると「気にするな。とにかくご苦労。もう良いぞ」と言われたので、「「失礼します」」と校長室を出た。
1人になってジルコニーは「人の揚げ足を取りやがってあいつめ。10倍は無いだろ10倍は······」とぼやいたのだった。
後日ピエールから両親に誉められ、これからは成績を気にせず自由に学校生活を送れば良いと言われたと喜んでいた。
しかし、僕はそんな事を気にするだけの余裕が無い程の大問題に直面したのだった······。
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