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第15章 成長

第85話 頼み事3~鉱石採集~

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 Sクラス限定の鉱石 (金鉱石)納品依頼を申請してもらうため兄ちゃんを探していたら、ちょうど目の前を1人で歩いていた。

「兄ちゃん!」「ん? レックス、それにピエール」呼び止めて兄ちゃんに近付いたところで、「どうしたんだ? お前ら」「こ、これを、申請して欲しくて······」先ほどの頼み事の依頼書を渡した。

「これは······しかし金鉱石って」「採れる場所はピエールがもう分かっているから」「ホントか! ピエール」「は、はい。多分ですが、王都から東方の高山のどこかにある洞窟の中で採掘出来たかと······」「東方の高山の洞窟······確かに、あそこなら。良し分かった! すぐに行こう!」「うん!」

 そうして兄ちゃんに事務所で手続きをしてもらい、部屋から武器を持って正門で集合し依頼主である武器屋の店主に会いに行った。


 注文を受けた武器を生産するのに金鉱石を大きいのであれば2、3個、そこそこの大きさのであれば4、5個取って来てくれと言われたので早速高山に向かい、ベアーズのお陰ですぐにピエールの言っていた洞窟は発見出来た。

 そして洞窟を進みながら「ところで兄ちゃん。念のためなのかもしれないけど、何で武器を持って来いって言ったの?」と武器を持ってこさせた理由を尋ねた。

「実はな、この洞窟はゴブリン達の住処となっているんだ」「えっ、そうだったんですか?」「あぁ、実は前に俺達もここに鉱石を採掘しに来たことがあって、その時ゴブリンと遭遇した事があったんだ」「あぁ、それで······」

「で、その時確か金鉱石も僅かだが採った奴がいたのを思い出したんだ」そこまで話したところで、先頭を歩いていたベアーズが立ち止まった。

 それを見て僕達も立ち止まって奥を見たら、ゴブリンが何体かいたのだ。

「ちっ、不味いな」「不味いって?」「あの奥が採掘した場所なんだよ」

「それじゃあ」と僕が武器を構えたら、「しかねぇか」兄ちゃんも賛同し、ピエールとベアーズにはここに残ってもらってゴブリンの集団に向かって行って······あっさり全滅させた。

「よし」「だね」それを見ていたピエールは「す、凄い」と驚いていたのだった。


 それから奥に行って兄ちゃん達が採掘した場所に辿り着いた。

「ここ?」「あぁそうだ。あとはどこに金鉱石が埋まっているか。こっからは地道に探すしか······ん?」なんとベアーズがいつの間にかある場所を掘っていたのだ。

「「ベアーズ?」」僕と兄ちゃんがそう言ったらベアーズが何かを掘り当てたみたいで掘るのを止めた。

 皆でそこに行ったら「「「あったぁ!」」」何と金鉱石が埋まっていたのだった······。

「良くやったなベアーズ!」「でもまだ足りないんじゃない?」「この辺を掘ってみりゃ他にも出てくるだろ」「そうだね」

 それから僕達は手分けして辺りを掘り返してみたら、金鉱石が大サイズを2個、中サイズを3個採掘出来たのだった。

「こんだけありゃ十分だろ」「そうだね」「やったな、レックス!」「うん。ピエール、君のお陰だよ」

「えっ?」「君がここに金鉱石があるかもって教えてくれたから、今日のうちに頼み事を完了させられたんだから」

「確かにそうだな」「そ、そんな」「事実なんだから謙遜する必要はないよ」「レックスさん。ハイ!」

 それから僕達は洞窟を出て武器屋の店主に金鉱石を渡して報酬をもらった。


 その後寄宿舎前でピエールと別れた後、「どうやら、少しは自信を付けさせる事が出来たみたいだな」「うん。でもまだまだだよ。1件だけじゃあ偶然だって言われてもおかしくないから」

「じゃあどうすんだ?」「取り敢えず、······もう後4、5件は完了させないと。しかも······」「しかも?」「数日、次の休みが終わるまでにね!」「······フッ、そうだな」と言って僕達も別れた。


 それから僕達は頼み事で鉱石関係の依頼があれば取り敢えず取っておいてピエールに場所を知っているか確認し、知っていれば実際に現地へ取りに行って無事手に入れられたら完了させてまた次の依頼を実施していった。

 そうして前日までで2件、今日の午前中に1件の計3件完了させることができ、最初の分を合わせても数日だけで4件も完了させれたのだ。

 そしてお昼ご飯を食べた後たまたまお姉ちゃんに会ったので、この後輝鉱石と呼ばれる鉱石を採掘しに行くので一緒に来ないかと誘い、行くと言ったのでピエールが教えてくれた王都北方の高原地帯へ向かった。


 現地に着いて別れて探していたら、「あ、ありました!」ピエール本人がベアーズの力を借りて輝鉱石を見つけたのだった。

「ホントだ!」「やったな! ピエール」「おめでとう」「ハイ!」皆から称賛されピエールもそれに答えた後、早速依頼主に届けて報酬をもらった。

 それから学校に戻って廊下を歩きながら、「しっかしピエールに自信を付けさせるのが目的で引き受けていたから気にしてなかったけど、まさかその報酬額の合計がそんなになってたとはなぁ」「ホントにそうだね」ピエールと共に行った頼み事の依頼書を見てそう話していた。

 わずか5件の鉱石絡みの頼み事だけでなんと1万Gも得られていたのだった。

「そうだったんですか?」「うん。でも一番の理由は僕自身がオリバーにギャフンと言わせたいっていう理由だから、そんなに気にする必要はないから」「レックスさん······」

 そう僕達が話していたら、「ピエール!」前方からピエールを呼ぶ声が聞こえたので見たら、オリバー・クンツェンがいた······。
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