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第15章 成長
第82話 それぞれの日常
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夏季休暇が終わり再び日常の生活に戻って幾日か過ぎた。この頃から皆それぞれの活動が忙しくなって中々会えない日々が続いた。
まず兄ちゃんは風紀委員長として長期の休み明けという事もあり、多くの人が弛んでいるため見回りや指導を強化しだした。
アリスは休暇中に村へ帰った際家にあった本を読みふけって得た知識を発揮するように、薬草類の研究やら委員会の活動の一環でもあるけが人の治療補佐に奮起していた。
そして僕とベアーズ、お姉ちゃんは······。
「待てー」「ワー!」「キャー!!」あの孤児院に来て現在お姉ちゃんはベアーズや子供達と鬼ごっこ中だ。
夏季休暇前に神父様より言われた通り、あれ以降も頼み事を引き受けて得た報酬がある程度貯まったところで直接教会へやって来て神父様に渡していた。
そうして何度か教会へ足を運んだ事で子供達にも僕の存在が知れ渡り、神父様は僕の事を足長おじさんと子供達に紹介した。
また兄ちゃんやアリス、お姉ちゃんもたまに付いて来て子供達の相手をしたりする事があり、今日はお姉ちゃんが付いて来てくれて今に至っている······。
そんなお姉ちゃんや子供達を教会前の石段に腰を下ろして見ていたら、「本当にあなた方がいらっしゃってから、子供達もより元気になりましたよ」と言いながらジニー神父様が教会から出て来た。
「神父様。本当にそのようですね」と答えながら僕は養成学校の入学試験合格発表の日に訪れた時の事を思い返していた。
すると神父様が「あなたがいた時と比べてどうでしょうか?」と聞いてきた。
僕は驚いて神父様を見た。神父様は全て理解していると言わんばかりの笑みを浮かべて僕を見ていた。
僕もそれに応えるように「僕がいた時とは大違いです。僕のいた時は······」
あの頃は確かに他の子供達やマザー、神父様と仲良く過ごし、ここに来てすぐ兄ちゃんが養成学校に行ったけど、アリスもいたのでそれほど苦ではなかったが、やはり両親がもういないと心の何処かで思っていた事もあり、「皆心の何処かに寂しい思いを持ち続けていたと思いましたから」と答えた。
さらに「今もあの子達の何人かは同じような気持ちを持っているんじゃないかと思ってしまいますし······」とも言ったが、神父様は「確かに少し前まではそうでした。ただ、今は違います」「えっ?」神父様の言ったことに僕は疑問を持った。
「今はあなたやメリッサさん。それにアッシュ君やアリスちゃんが来るのを楽しみにしてまして、事ある毎に今度はいつ来るのと聞いて来るぐらいですから」神父様にそう言われたことで僕は、(ここでも僕らの行動で前世と大きく変わったのか)と満足した顔になっていた。
それを見て「どうやらあなたのタイムリターナーは今の所成功しているようですね」と言われたので、「はい」と答えた。
「私も本当にタイムリターナーをして正解だったと今でも思っています」と言って神父様がタイムリターナーをする事になった経緯を教えてくれた。
何十年も前にこの教会が火事にあった事があり、中に残っていた子供を助けようと中に入ってそのまま死んでしまったが、その時神より今は死ぬべきではないと言われタイムリターナーとして生まれ変わってその火事を回避させた。
その後神より言い遣わされた事もあって王都を暫く離れ、ハウル様の下で色々な教えを受け王都に戻って今に至っているとの事だ······。
「そうだったんですか」「ええ、本当にあの時火事を回避させれて良かったと思っています。そうでなければ今の光景が無かったかもしれませんでしたから」
「えっ?」疑問に思って神父様を見たら、神父様は子供達の中にいるマザーを見ていた。
「もしかして、その時助けた子って······」「ええ。その1人が"彼女"でした」意外な事実を教えてもらった。
つまり、神父様がタイムリターナーをしてなければ僕らもここにいた時どうなっていたか分からなかったんだ。
そんなやり取りを終えたところで、「ハァー、本当にあの子達皆元気ね」と言いながらお姉ちゃんが僕の近くに休憩しに来た。
「お疲れ様です」と神父様に言われ「ありがとうございます」と返答した。
そしてベアーズとまだ遊んでいる子供達を見ながら、「ねぇレックス君。君の前世の世界では私はあの子達とは関わる事は無かったのよねぇ?」と聞いてきた。
「うん。前世では兄ちゃんは彼女どころか友達も作らず学校でもほとんど僕やアリスと一緒にいたし、孤児院でも神父様やマザーとしか関わっていなかったから······」少なくとも他の人と付き合っていた覚えはなかった。
それを聞いてお姉ちゃんは「正直前世の私がどうだったかは分からないけど······」と言ったところでこの孤児院で一番年齢の低い男の子がお姉ちゃんの近くに寄って来た。
その子を抱き上げ体に寄せて「今は皆と知り合えて本当に良かったって心の底から思ってるわ」いつもの笑顔で僕の方を見た。
「うん。僕もそう思うよ」と言い合ってお姉ちゃんはまた抱き上げた子供とじゃれあった。
その後子供達に呼ばれてまたお姉ちゃんは子供達の輪に入っていった。
「神父様。まだ僕がタイムリターナーをするきっかけとなった時まではかなり時間がありますが、このタイムリターナーの経験を絶対無駄にしないようにこれからも生きて行きます!」
僕がそう決意したのを聞いて神父様も「ええ、そうですね」と答えて2人で子供達を見続けた······。
まず兄ちゃんは風紀委員長として長期の休み明けという事もあり、多くの人が弛んでいるため見回りや指導を強化しだした。
アリスは休暇中に村へ帰った際家にあった本を読みふけって得た知識を発揮するように、薬草類の研究やら委員会の活動の一環でもあるけが人の治療補佐に奮起していた。
そして僕とベアーズ、お姉ちゃんは······。
「待てー」「ワー!」「キャー!!」あの孤児院に来て現在お姉ちゃんはベアーズや子供達と鬼ごっこ中だ。
夏季休暇前に神父様より言われた通り、あれ以降も頼み事を引き受けて得た報酬がある程度貯まったところで直接教会へやって来て神父様に渡していた。
そうして何度か教会へ足を運んだ事で子供達にも僕の存在が知れ渡り、神父様は僕の事を足長おじさんと子供達に紹介した。
また兄ちゃんやアリス、お姉ちゃんもたまに付いて来て子供達の相手をしたりする事があり、今日はお姉ちゃんが付いて来てくれて今に至っている······。
そんなお姉ちゃんや子供達を教会前の石段に腰を下ろして見ていたら、「本当にあなた方がいらっしゃってから、子供達もより元気になりましたよ」と言いながらジニー神父様が教会から出て来た。
「神父様。本当にそのようですね」と答えながら僕は養成学校の入学試験合格発表の日に訪れた時の事を思い返していた。
すると神父様が「あなたがいた時と比べてどうでしょうか?」と聞いてきた。
僕は驚いて神父様を見た。神父様は全て理解していると言わんばかりの笑みを浮かべて僕を見ていた。
僕もそれに応えるように「僕がいた時とは大違いです。僕のいた時は······」
あの頃は確かに他の子供達やマザー、神父様と仲良く過ごし、ここに来てすぐ兄ちゃんが養成学校に行ったけど、アリスもいたのでそれほど苦ではなかったが、やはり両親がもういないと心の何処かで思っていた事もあり、「皆心の何処かに寂しい思いを持ち続けていたと思いましたから」と答えた。
さらに「今もあの子達の何人かは同じような気持ちを持っているんじゃないかと思ってしまいますし······」とも言ったが、神父様は「確かに少し前まではそうでした。ただ、今は違います」「えっ?」神父様の言ったことに僕は疑問を持った。
「今はあなたやメリッサさん。それにアッシュ君やアリスちゃんが来るのを楽しみにしてまして、事ある毎に今度はいつ来るのと聞いて来るぐらいですから」神父様にそう言われたことで僕は、(ここでも僕らの行動で前世と大きく変わったのか)と満足した顔になっていた。
それを見て「どうやらあなたのタイムリターナーは今の所成功しているようですね」と言われたので、「はい」と答えた。
「私も本当にタイムリターナーをして正解だったと今でも思っています」と言って神父様がタイムリターナーをする事になった経緯を教えてくれた。
何十年も前にこの教会が火事にあった事があり、中に残っていた子供を助けようと中に入ってそのまま死んでしまったが、その時神より今は死ぬべきではないと言われタイムリターナーとして生まれ変わってその火事を回避させた。
その後神より言い遣わされた事もあって王都を暫く離れ、ハウル様の下で色々な教えを受け王都に戻って今に至っているとの事だ······。
「そうだったんですか」「ええ、本当にあの時火事を回避させれて良かったと思っています。そうでなければ今の光景が無かったかもしれませんでしたから」
「えっ?」疑問に思って神父様を見たら、神父様は子供達の中にいるマザーを見ていた。
「もしかして、その時助けた子って······」「ええ。その1人が"彼女"でした」意外な事実を教えてもらった。
つまり、神父様がタイムリターナーをしてなければ僕らもここにいた時どうなっていたか分からなかったんだ。
そんなやり取りを終えたところで、「ハァー、本当にあの子達皆元気ね」と言いながらお姉ちゃんが僕の近くに休憩しに来た。
「お疲れ様です」と神父様に言われ「ありがとうございます」と返答した。
そしてベアーズとまだ遊んでいる子供達を見ながら、「ねぇレックス君。君の前世の世界では私はあの子達とは関わる事は無かったのよねぇ?」と聞いてきた。
「うん。前世では兄ちゃんは彼女どころか友達も作らず学校でもほとんど僕やアリスと一緒にいたし、孤児院でも神父様やマザーとしか関わっていなかったから······」少なくとも他の人と付き合っていた覚えはなかった。
それを聞いてお姉ちゃんは「正直前世の私がどうだったかは分からないけど······」と言ったところでこの孤児院で一番年齢の低い男の子がお姉ちゃんの近くに寄って来た。
その子を抱き上げ体に寄せて「今は皆と知り合えて本当に良かったって心の底から思ってるわ」いつもの笑顔で僕の方を見た。
「うん。僕もそう思うよ」と言い合ってお姉ちゃんはまた抱き上げた子供とじゃれあった。
その後子供達に呼ばれてまたお姉ちゃんは子供達の輪に入っていった。
「神父様。まだ僕がタイムリターナーをするきっかけとなった時まではかなり時間がありますが、このタイムリターナーの経験を絶対無駄にしないようにこれからも生きて行きます!」
僕がそう決意したのを聞いて神父様も「ええ、そうですね」と答えて2人で子供達を見続けた······。
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