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第12章 新学年
第62話 黒幕登場
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2年目の初日、去年同様気持ちよく目覚める事が出来た。去年は1人きりだった部屋には"もう1匹"、ベッドの傍で眠っている子グマのベアーズと一緒に······。
僕はさっと身支度をして食堂に朝ご飯を食べに行き、部屋に戻って来てベアーズを抱き起こして荷物を持ち学校へ向かった。
学校に着いて敷地の最奥のスペースにベアーズを放して教室に向かった。
教室に着いたらもう何人か既に来ていて、多くが顔なじみという事もあって挨拶を交わし、今年はロースの方が先に来てたのでロースとも挨拶を交わした後しばらく談笑した。
時間になったので先生らが入って来たところで僕達は驚いた。教科担当かつ担任はスティーブンというエルフ族の先生であったが、副担任で実技担当が1年と同じバーミリアン先生だったからだ。
それはともかく2人からの簡単な挨拶が終わったところで去年同様ジルコニー校長先生からの挨拶を聞きにグラウンドへ移動した。
グラウンドに着いて今年は時間的にも気持ち的にも余裕があったので周りを見渡した。もう何クラスかも来ているようでふとアリスの姿も見掛けた。
暫く見ていたらクラスの男の子と話しているようだった。その男の子の顔も暫く見ていたら、(······あれ?)その顔に見覚えがあった。
よくよく思い出そうとジーッと見ていたら、(あーっ!!)ようやくその男の子の顔が水晶玉に映されたあの真ん中の男の顔だと分かったのだ。
さらに、(あの男、確か前世でもアリスと一緒のクラスだったはずだ)というとんでもない事を思い出したのだ。
そう、その男は前世の養成学校に在学していた時もアリスのクラスメイトだった時があったのだ(だけど······)。
その事を思い出し僕はクラスの列から外れ、兄ちゃんのクラスの列に近付き、兄ちゃんを見つけて「兄ちゃん、兄ちゃん!」「っ! レックス?」「後で話がある」「わ、分かった」とだけ伝えてクラスの列に戻った。
その後校長先生からの挨拶などがあり、教室に戻ったところで先生方から各種説明が行われ、クラス委員長にゲルガーというドワーフ族の男の子が選出されその日は終了となった。
終了後すぐに僕は兄ちゃんの教室に向かい、兄ちゃんが出て来たところで人気の来ない所へ連れて行った。
「どうしたんだ? こんな所まで連れて来て」
「兄ちゃん、ついに見つけたよ。あの真ん中の男を」「ホントか!?」
「うん。今年アリスのクラスメイトになったみたいで、さっきも2人で楽しく話していたから。それにあの男、前世でもアリスとクラスメイトだった時があるんだ」
「じゃあ、すぐアリスにその事を伝えねぇと」「それはちょっと待って」「何でだ?」「もし今アリスに伝えて未来が大きく変わったら、大変な事になるかもしれないでしょ?」「まぁ、確かにそうかもな」
「それに」「それに?」「もう既に前世の時と大きく変わってる事もあるんだ」「何だって!?」
「さっき、前世でもアリスとクラスメイトだった時があるって言ったよね?」「あぁ」「それは、3年生の時だけだったんだよ」「え?」
そう、確かに前世であの男とアリスがクラスメイトになったのは3年生の1年間だけだった。
「ま、間違いないのか?」「うん、間違いないよ。1年間そいつとアリスが学校の中でも外でもいつも一緒だったから、兄ちゃんもいなくなって1人で寂しい思いをしてたのを覚えているから」
確かにあの頃は学校が終わるとすぐ孤児院に帰って来て自分の部屋に閉じ籠っていたし、休みの日も部屋からほぼ出てはいなかった。
「けど、アリスの誕生日やクリスマスとかの特別な日の時は僕らと一緒に過ごしていたから、その辺りの事で恨まれたりしたのかもしれない」
「そ、それで戦場で刺されたってのかぁ?」「それは分からない。とにかく今はあまり大きな動きはまだしない方がいいよ」
「分かった。······ただ」「ただ?」「メリッサには伝えても良いだろ?」「······うん、そうだね」もしかしたらお姉ちゃんには色々助けてもらう事もあるかもしれないから。
「じゃあメリッサに伝えるだけして俺達は暫く様子を見ることにするから、お前も気を付けろよ」「分かった」と言って兄ちゃんは去って行った。
ついに水晶玉の、しかも真ん中の男を見つける事が出来た! そう思って僕もその場を後にした。
その後、夕ご飯を(わざと)アリスと一緒に食べながら昼間の男の子の事を聞き、マーシュ・フィロンと言ってCクラスから昇格してきた子であると教えてもらった······。
僕はさっと身支度をして食堂に朝ご飯を食べに行き、部屋に戻って来てベアーズを抱き起こして荷物を持ち学校へ向かった。
学校に着いて敷地の最奥のスペースにベアーズを放して教室に向かった。
教室に着いたらもう何人か既に来ていて、多くが顔なじみという事もあって挨拶を交わし、今年はロースの方が先に来てたのでロースとも挨拶を交わした後しばらく談笑した。
時間になったので先生らが入って来たところで僕達は驚いた。教科担当かつ担任はスティーブンというエルフ族の先生であったが、副担任で実技担当が1年と同じバーミリアン先生だったからだ。
それはともかく2人からの簡単な挨拶が終わったところで去年同様ジルコニー校長先生からの挨拶を聞きにグラウンドへ移動した。
グラウンドに着いて今年は時間的にも気持ち的にも余裕があったので周りを見渡した。もう何クラスかも来ているようでふとアリスの姿も見掛けた。
暫く見ていたらクラスの男の子と話しているようだった。その男の子の顔も暫く見ていたら、(······あれ?)その顔に見覚えがあった。
よくよく思い出そうとジーッと見ていたら、(あーっ!!)ようやくその男の子の顔が水晶玉に映されたあの真ん中の男の顔だと分かったのだ。
さらに、(あの男、確か前世でもアリスと一緒のクラスだったはずだ)というとんでもない事を思い出したのだ。
そう、その男は前世の養成学校に在学していた時もアリスのクラスメイトだった時があったのだ(だけど······)。
その事を思い出し僕はクラスの列から外れ、兄ちゃんのクラスの列に近付き、兄ちゃんを見つけて「兄ちゃん、兄ちゃん!」「っ! レックス?」「後で話がある」「わ、分かった」とだけ伝えてクラスの列に戻った。
その後校長先生からの挨拶などがあり、教室に戻ったところで先生方から各種説明が行われ、クラス委員長にゲルガーというドワーフ族の男の子が選出されその日は終了となった。
終了後すぐに僕は兄ちゃんの教室に向かい、兄ちゃんが出て来たところで人気の来ない所へ連れて行った。
「どうしたんだ? こんな所まで連れて来て」
「兄ちゃん、ついに見つけたよ。あの真ん中の男を」「ホントか!?」
「うん。今年アリスのクラスメイトになったみたいで、さっきも2人で楽しく話していたから。それにあの男、前世でもアリスとクラスメイトだった時があるんだ」
「じゃあ、すぐアリスにその事を伝えねぇと」「それはちょっと待って」「何でだ?」「もし今アリスに伝えて未来が大きく変わったら、大変な事になるかもしれないでしょ?」「まぁ、確かにそうかもな」
「それに」「それに?」「もう既に前世の時と大きく変わってる事もあるんだ」「何だって!?」
「さっき、前世でもアリスとクラスメイトだった時があるって言ったよね?」「あぁ」「それは、3年生の時だけだったんだよ」「え?」
そう、確かに前世であの男とアリスがクラスメイトになったのは3年生の1年間だけだった。
「ま、間違いないのか?」「うん、間違いないよ。1年間そいつとアリスが学校の中でも外でもいつも一緒だったから、兄ちゃんもいなくなって1人で寂しい思いをしてたのを覚えているから」
確かにあの頃は学校が終わるとすぐ孤児院に帰って来て自分の部屋に閉じ籠っていたし、休みの日も部屋からほぼ出てはいなかった。
「けど、アリスの誕生日やクリスマスとかの特別な日の時は僕らと一緒に過ごしていたから、その辺りの事で恨まれたりしたのかもしれない」
「そ、それで戦場で刺されたってのかぁ?」「それは分からない。とにかく今はあまり大きな動きはまだしない方がいいよ」
「分かった。······ただ」「ただ?」「メリッサには伝えても良いだろ?」「······うん、そうだね」もしかしたらお姉ちゃんには色々助けてもらう事もあるかもしれないから。
「じゃあメリッサに伝えるだけして俺達は暫く様子を見ることにするから、お前も気を付けろよ」「分かった」と言って兄ちゃんは去って行った。
ついに水晶玉の、しかも真ん中の男を見つける事が出来た! そう思って僕もその場を後にした。
その後、夕ご飯を(わざと)アリスと一緒に食べながら昼間の男の子の事を聞き、マーシュ・フィロンと言ってCクラスから昇格してきた子であると教えてもらった······。
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