44 / 224
第8章 命の石
第44話 命の石の錬成
しおりを挟む
海底洞窟を出てそのままアークさんのお店に向かいお店のドアを開けた。
「アーク!」「おぉハウル。もしかして!」「うむ。たった今手に入れてきたぞ」と僕が命の石の原石を見せた。
「間違いない。命の石の原石だ。やったじゃないか!」「はい!」
「後は王子が見つかれば原石に血を注いでもらえると思うんだがなぁ」とアークさんが言ったら、「その事なんじゃがアークよ」「ん?」そうハウル様が仰ったので、アークさんだけでなく僕もハウル様を見た。
「ひょっとしてその王子とは······」と言ってお姉ちゃんを前に来させ、「この子ではないか?」と言って洞窟で見つけた赤ん坊を見せた。
「へ? ······え、えーーーーーっ!?」どうやら間違いないようだ。
「ど、ど、どうしたんだそ、その子、イヤ王子様は!?」流石に動揺していた。
「実はのぉ。海底洞窟で誘拐犯らしき者達が死んでおって、その近くに縛られていた状態で放置されておったんじゃよ」
「そ、そうだったのか。そ、そんなことより!」と言ってすぐにアークさんからお城に連絡が入った。
報せを受けてすぐにお城から兵士が何人かやって来て間違いなく王子様(ポピー様との事)だと判断され、僕達も一緒に海人族のお城へ行く事となった。
お城に着いてそのまますぐ王の間に案内され入り口の扉が開かれた。
「ポピー!!」僕達が入るや否や王様の隣に座っていらっしゃった王妃様がそう叫んでお姉ちゃんが抱いていたポピーに向かって駆け寄った。
お姉ちゃんもポピーを優しく王妃様へ差し出し、王妃様がポピーを抱きしめた。抱きしめられた事でポピーも久しぶりに「ピィー! ピィー!」鳴き声を出して泣いたのであった。
「本当にこの度はありがとう。我が息子を助けて頂いて」王様がそう仰られたので、「礼には及びませぬ海人の王よ。我々も実はあなた様へ頼み事をするためにこちらへ参りまして、その準備の過程でたまたまご子息を見掛けただけでございますゆえ」ハウル様がそうお答えになられた。
「頼み事とは?」「実は······」と今回の命の石の一件を説明した。
「そういう事でしたか」「はい。それで海底洞窟へ赴き命の石の原石を取りに向かった次第でございます」
「話は分かりました。息子を助けて頂いたお礼も兼ねてお引き受けいたしましょう」「ありがとうございます!」と僕が言って兵士に命の石の原石を渡した。
そして王様の下へ台座に乗せられて運ばれた命の石の原石に、王様は指先に傷を付けて血を原石に垂らした。
すると原石が赤くまばゆい光を放った。光はすぐに消えたが原石が真っ赤な色に変わっていた。
「こちらが命の石です。どうぞお持ちになって下さい」と王様が言われ、ハウル様に促されて僕がその石を取りに行った。
石を取って「ありがとうございました!」とお礼を言ってハウル様達の所へ戻った。
「では我々はこれで失礼いたします」とハウル様が言い、「この度は本当にありがとうございました」王様が言ってお辞儀をしたのを合図に王妃様を始めその部屋にいた者全てがお辞儀をした。
帰り間際にお姉ちゃんが王妃様に抱かれているポピー王子の頭を撫で、「それじゃあポピー様、また何処かでお会いしましょう」と言ってポピーも「ピィー!!」と笑顔で答えられた。
王妃様からもいつでも会いに来てくださいと言われたところでお城を出てスカイマウンテンへ帰った。
スカイマウンテンに戻りその日はスカイマウンテンで1泊して翌日下山する事にした。
下山する時ハウル様から「レックスよ、お主にこれを渡しておこう」と言われて以前ヨートス様からもらったのと似た赤い色の羽を渡された。
「これって······」「以前ヨートスが渡した物と同じで行き先がここという違いだけじゃ」「やっぱり」「恐らく今後はお主も予測しておらぬ事が出て来て儂に相談などをしに来る事が増えるかもしれぬからのぉ」
「分かりました。ありがとうございます」「うむ」と挨拶を交わして下山した。
洞窟側からの下山途中、あの運命の洞窟への扉の前でお姉ちゃんが止まって扉を見てニコリと笑った。
僕が「お姉ちゃん?」と尋ねたら、「ううん、ごめん」と言って寄って来て洞窟を進んだ。
下山したところで数日は新学期まで余裕が出来たので、僕達はウッド村へ行く事にして村を目指した。
村に着いて真っ先に兄ちゃんと偶然遭遇出来たので、経緯を説明してそのまま僕は両親と再会し、お姉ちゃんは兄ちゃんとレオおじさんやおばさんへ挨拶しに行った。その後はアリスとも会い、そしてジョーおじさんやおばさん、村の人達と再会の挨拶などを交わした。
翌日には4人で王都に向かって村を出発し、その途中で今回は会いに行けなかったベアーやベアーズの事を2人から聞いたり、逆に僕らが経験した事を話した。
そして王都の寄宿舎に着いた翌日からまた新学期の授業が始まったのであった······。
「アーク!」「おぉハウル。もしかして!」「うむ。たった今手に入れてきたぞ」と僕が命の石の原石を見せた。
「間違いない。命の石の原石だ。やったじゃないか!」「はい!」
「後は王子が見つかれば原石に血を注いでもらえると思うんだがなぁ」とアークさんが言ったら、「その事なんじゃがアークよ」「ん?」そうハウル様が仰ったので、アークさんだけでなく僕もハウル様を見た。
「ひょっとしてその王子とは······」と言ってお姉ちゃんを前に来させ、「この子ではないか?」と言って洞窟で見つけた赤ん坊を見せた。
「へ? ······え、えーーーーーっ!?」どうやら間違いないようだ。
「ど、ど、どうしたんだそ、その子、イヤ王子様は!?」流石に動揺していた。
「実はのぉ。海底洞窟で誘拐犯らしき者達が死んでおって、その近くに縛られていた状態で放置されておったんじゃよ」
「そ、そうだったのか。そ、そんなことより!」と言ってすぐにアークさんからお城に連絡が入った。
報せを受けてすぐにお城から兵士が何人かやって来て間違いなく王子様(ポピー様との事)だと判断され、僕達も一緒に海人族のお城へ行く事となった。
お城に着いてそのまますぐ王の間に案内され入り口の扉が開かれた。
「ポピー!!」僕達が入るや否や王様の隣に座っていらっしゃった王妃様がそう叫んでお姉ちゃんが抱いていたポピーに向かって駆け寄った。
お姉ちゃんもポピーを優しく王妃様へ差し出し、王妃様がポピーを抱きしめた。抱きしめられた事でポピーも久しぶりに「ピィー! ピィー!」鳴き声を出して泣いたのであった。
「本当にこの度はありがとう。我が息子を助けて頂いて」王様がそう仰られたので、「礼には及びませぬ海人の王よ。我々も実はあなた様へ頼み事をするためにこちらへ参りまして、その準備の過程でたまたまご子息を見掛けただけでございますゆえ」ハウル様がそうお答えになられた。
「頼み事とは?」「実は······」と今回の命の石の一件を説明した。
「そういう事でしたか」「はい。それで海底洞窟へ赴き命の石の原石を取りに向かった次第でございます」
「話は分かりました。息子を助けて頂いたお礼も兼ねてお引き受けいたしましょう」「ありがとうございます!」と僕が言って兵士に命の石の原石を渡した。
そして王様の下へ台座に乗せられて運ばれた命の石の原石に、王様は指先に傷を付けて血を原石に垂らした。
すると原石が赤くまばゆい光を放った。光はすぐに消えたが原石が真っ赤な色に変わっていた。
「こちらが命の石です。どうぞお持ちになって下さい」と王様が言われ、ハウル様に促されて僕がその石を取りに行った。
石を取って「ありがとうございました!」とお礼を言ってハウル様達の所へ戻った。
「では我々はこれで失礼いたします」とハウル様が言い、「この度は本当にありがとうございました」王様が言ってお辞儀をしたのを合図に王妃様を始めその部屋にいた者全てがお辞儀をした。
帰り間際にお姉ちゃんが王妃様に抱かれているポピー王子の頭を撫で、「それじゃあポピー様、また何処かでお会いしましょう」と言ってポピーも「ピィー!!」と笑顔で答えられた。
王妃様からもいつでも会いに来てくださいと言われたところでお城を出てスカイマウンテンへ帰った。
スカイマウンテンに戻りその日はスカイマウンテンで1泊して翌日下山する事にした。
下山する時ハウル様から「レックスよ、お主にこれを渡しておこう」と言われて以前ヨートス様からもらったのと似た赤い色の羽を渡された。
「これって······」「以前ヨートスが渡した物と同じで行き先がここという違いだけじゃ」「やっぱり」「恐らく今後はお主も予測しておらぬ事が出て来て儂に相談などをしに来る事が増えるかもしれぬからのぉ」
「分かりました。ありがとうございます」「うむ」と挨拶を交わして下山した。
洞窟側からの下山途中、あの運命の洞窟への扉の前でお姉ちゃんが止まって扉を見てニコリと笑った。
僕が「お姉ちゃん?」と尋ねたら、「ううん、ごめん」と言って寄って来て洞窟を進んだ。
下山したところで数日は新学期まで余裕が出来たので、僕達はウッド村へ行く事にして村を目指した。
村に着いて真っ先に兄ちゃんと偶然遭遇出来たので、経緯を説明してそのまま僕は両親と再会し、お姉ちゃんは兄ちゃんとレオおじさんやおばさんへ挨拶しに行った。その後はアリスとも会い、そしてジョーおじさんやおばさん、村の人達と再会の挨拶などを交わした。
翌日には4人で王都に向かって村を出発し、その途中で今回は会いに行けなかったベアーやベアーズの事を2人から聞いたり、逆に僕らが経験した事を話した。
そして王都の寄宿舎に着いた翌日からまた新学期の授業が始まったのであった······。
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説
野生子グマの人生変転記
きこうダきこう
ファンタジー
「それじゃあ今日からコイツの事を······子グマだから"ベアーズ"って呼ぶ事にしよう、アッシュ兄ちゃん」「ハハッ。そうだな、レックス」
ある森に父ちゃんと暮らしていたボクは、ヒトが仕掛けていたワナによってケガをして動けなくなってしまった。そうしてうずくまっていたボクの所に来てケガを治してくれたのもヒトの子供達だった。そしてケガが治って自由にまた動き回れるようになった事でボクはケガを治してくれたその子供達、とりわけ皆から"レックス"って呼ばれている子を気に入った。
それからレックスが森に来る度にボクはレックスの傍に寄り、ついには彼が住んでいる"ムラ"の中にまで付いて行ったりした。そうした事もあってレックス達はボクや父ちゃんに名前を付けてくれたのだ。
けれども、ある時レックスは森から遠く離れた所にある"ガッコウ"って所に行くため森を離れてしまったのだった。
レックスに会えなくなって寂しがっていたんだけど、そのレックスがまた森に帰ってきた! と思ったらそのガッコウの用事でボクの力を一時的に借りに来ただけだった。
その用事が終わったらまたレックスと離ればなれに······そんなのイヤだ! そう思ったとたんボクはレックスの背中にしがみつき、絶対に離れまいとしたのだった。
そのボクの思いが通じて······レックスが行っているガッコウでレックス達と一緒に過ごせれるようになったのだった······。



巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。
この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。
ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。
少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。
更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。
そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。
少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。
どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。
少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。
冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。
すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く…
果たして、その可能性とは⁉
HOTランキングは、最高は2位でした。
皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°.
でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる