落ちこぼれ一兵卒が転生してから大活躍

きこうダきこう

文字の大きさ
上 下
39 / 224
第7章 学校生活2

第39話 図書室にて2

しおりを挟む
 パラ、パラ、パラ。ある休日、今日も赤い石の情報を求めて鉱石やストーンの本を読んでいた。

 ただし学校の図書室でではなく、先日お姉ちゃんに教えてもらった”王立図書館”でだ。

 流石に王立のというだけあってお姉ちゃんが言ってた通り、載っている種類も情報量も図書室の本とは比べ物にならなかった。とはいってもやはりあの赤い石の情報は見つからなかった。

 朝早くから来て関連する本をいつものように調べ続け、途中お昼を食べに1度外に出て再び調べ出したけれど見つからなかった。

「やっぱり全然見つからない」とぼやきながら時計を見たらもう夕方の時間になっていたので、(仕方ない。あと1冊調べたら帰るか)と思って見る本を探していたら、不意にある本の前で立ち止まった。何故かその本に惹かれたため手にとって調べ出した。

 パラパラといつもの如く調べていたら、(······っ!)僕はあるページを見て衝撃が走った。(あ、あった!!)そう、あの赤い石の情報が載っていたのだった。

(よ、ようやく見つけた!)そう思いながらその情報を凝視した。

 赤い石はどうやら命の石と呼ばれているもので、海人族の間で太古の昔から語り続けられている秘石の1つだそうだ。

 そして、ーーこの石を死んだ者の体に次の朝日が昇り始める時間までに乗せること。そしてその者を心の底から最も思っている者が生き返れと願えば生き返らせることができる。ただし、使用できるのは1つの石に対して1度きりである  初代海人王ーーと書かれていた。

 つまり、チャンスはたったの一度だけだということだ。

 あの運命の洞窟の水晶玉が見せた2枚目の衝撃的な光景である、”どこかの洞窟の中でアリスが死んだようにその場に横たわり、その近くに僕が寄り添っている場面”を防ぐためには······。

 (よし!)新たな気持ちになって本を閉まい王立図書館を出た。


 赤い石ーー命の石ーーのことは分かったけど、図書室に置いてある本に載ってるかもという思いから、図書室通いと石関連の本調べは継続することにした。

 またそれと同時進行で海人族に関する情報が載っている本も合間に見て調べるようにした。

 色々な本を見ていくうちに海人族の特徴や歴史、生活様式などは書かれていたが、あまり詳しい内容まではそれぞれ載ってはいなかった。

 さらに最も欲しいと思っていた語り継げられている伝承やら秘石などについても当然載ってはいなかった。また石関連の本の方もやはり進展は無しだった。

 恐らくどちらもここではこれ以上調べても新しい情報は得られないかもと思いだし、今後どうしようかと考えた。

 そして、いちおう時間があまり取れないときは図書室で、そこそこ時間を取れるときには王立図書館へ赴いて命の石や海人族の事を調べるようにした。

 またもうじき訪れる夏季休暇という長期休暇の間ハウル様の下を訪れ、命の石の事を相談して探し出す事にしようと思いたった。

 そしてその日はたまたまお姉ちゃんが図書委員の担当で、赤い石が命の石だと判明して以来会えてはいなかったので、お姉ちゃんの手が空いた時にその事を話した後図書室を出た。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

追放された運送屋、僕の【機械使役】は百年先の技術レベルでした ~馬車?汽船? こちら「潜水艦」です ドラゴンとか敵じゃない装甲カチカチだし~

なっくる
ファンタジー
☆気に入っていただけましたら、ファンタジー小説大賞の投票よろしくお願いします!☆ 「申し訳ないが、ウチに必要な機械を使役できない君はクビだ」 ”上の世界”から不思議な”機械”が落ちてくる世界……機械を魔法的に使役するスキル持ちは重宝されているのだが……なぜかフェドのスキルは”電話”など、そのままでは使えないものにばかり反応するのだ。 あえなくギルドをクビになったフェドの前に、上の世界から潜水艦と飛行機が落ちてくる……使役用の魔法を使ったところ、現れたのはふたりの美少女だった! 彼女たちの助力も得て、この世界の技術レベルのはるか先を行く機械を使役できるようになったフェド。 持ち前の魔力と明るさで、潜水艦と飛行機を使った世界最強最速の運び屋……トランスポーターへと上り詰めてゆく。 これは、世界最先端のスキルを持つ主人公が、潜水艦と飛行機を操る美少女達と世界を変えていく物語。 ※他サイトでも連載予定です。

知識スキルで異世界らいふ

チョッキリ
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜

櫛田こころ
ファンタジー
僕は、諏方賢斗(すわ けんと)十九歳。 パンの製造員を目指す専門学生……だったんだけど。 車に轢かれそうになった猫ちゃんを助けようとしたら、あっさり事故死。でも、その猫ちゃんが神様の御使と言うことで……復活は出来ないけど、僕を異世界に転生させることは可能だと提案されたので、もちろん承諾。 ただ、ひとつ神様にお願いされたのは……その世界の、回復アイテムを開発してほしいとのこと。パンやお菓子以外だと家庭レベルの調理技術しかない僕で、なんとか出来るのだろうか心配になったが……転生した世界で出会ったスライムのお陰で、それは実現出来ることに!! 相棒のスライムは、パン製造の出来るレアスライム! けど、出来たパンはすべて回復などを実現出来るポーションだった!! パン職人が夢だった青年の異世界のんびりスローライフが始まる!!

完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-

ジェルミ
ファンタジー
魔法は5属性、無限収納のストレージ。 自分の望んだものを創れる『創生魔法』が使える者が現れたら。 28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。 そして女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。 安定した収入を得るために創生魔法を使い生産チートを目指す。 いずれは働かず、寝て暮らせる生活を目指して! この世界は無い物ばかり。 現代知識を使い生産チートを目指します。 ※カクヨム様にて1日PV数10,000超え、同時掲載しております。

テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】

永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。 転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。 こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり 授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。 ◇ ◇ ◇ 本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。 序盤は1話あたりの文字数が少なめですが 全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

転生王子はダラけたい

朝比奈 和
ファンタジー
 大学生の俺、一ノ瀬陽翔(いちのせ はると)が転生したのは、小さな王国グレスハートの末っ子王子、フィル・グレスハートだった。  束縛だらけだった前世、今世では好きなペットをモフモフしながら、ダラけて自由に生きるんだ!  と思ったのだが……召喚獣に精霊に鉱石に魔獣に、この世界のことを知れば知るほどトラブル発生で悪目立ち!  ぐーたら生活したいのに、全然出来ないんだけどっ!  ダラけたいのにダラけられない、フィルの物語は始まったばかり! ※2016年11月。第1巻  2017年 4月。第2巻  2017年 9月。第3巻  2017年12月。第4巻  2018年 3月。第5巻  2018年 8月。第6巻  2018年12月。第7巻  2019年 5月。第8巻  2019年10月。第9巻  2020年 6月。第10巻  2020年12月。第11巻 出版しました。  PNもエリン改め、朝比奈 和(あさひな なごむ)となります。  投稿継続中です。よろしくお願いします!

とあるおっさんのVRMMO活動記

椎名ほわほわ
ファンタジー
VRMMORPGが普及した世界。 念のため申し上げますが戦闘も生産もあります。 戦闘は生々しい表現も含みます。 のんびりする時もあるし、えぐい戦闘もあります。 また一話一話が3000文字ぐらいの日記帳ぐらいの分量であり 一人の冒険者の一日の活動記録を覗く、ぐらいの感覚が お好みではない場合は読まれないほうがよろしいと思われます。 また、このお話の舞台となっているVRMMOはクリアする事や 無双する事が目的ではなく、冒険し生きていくもう1つの人生が テーマとなっているVRMMOですので、極端に戦闘続きという 事もございません。 また、転生物やデスゲームなどに変化することもございませんので、そのようなお話がお好みの方は読まれないほうが良いと思われます。

処理中です...