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第7章 学校生活2
第38話 休日2
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今日は休日で早く起きる必要はないはずではあるが、先日お姉ちゃんから今度の2日目の休日にお買い物に付き合ってと頼まれたので出掛ける準備をしていた。
目的は言ってなかったけど、恐らく今週訪れる兄ちゃんの誕生日に渡すプレゼント選びだろう。そう思って向かうお店を浮かべておいて待ち合わせ場所に向かった。
待ち合わせ場所には既にお姉ちゃんが待っていて、「お姉ちゃん!」僕が声を掛けるとお姉ちゃんも気付いた。
「レックス君、ありがとう付き合ってくれて」「ううん。で今日は?」「うん。もうすぐアッシュの誕生日でしょ?」あっ、やっぱり。
「それでプレゼントを渡そうと思ってるんだけど、何がいいだろうと考えて、取り敢えずレックス君に相談しようと思って声を掛けたの」
「分かった。じゃあこっち」「えっ?」お姉ちゃんの話が終わるとすぐに僕はお姉ちゃんの手を取って歩き出した。お姉ちゃんも最初は驚いていたがすぐ平常心に戻ってそのまま僕に連れて行かれるがまま歩いた。
そして目的の弓矢専門店に着いて中に入り、その中でも矢を入れるための筒やら箱がたくさん置かれている場所へ連れて行った。
「ここって?」お姉ちゃんが聞いてきたので僕が、「実は合格発表の後、お姉ちゃん達と別れて街を散策していた時······」当時の事を話しだした。
合格発表の日、兄ちゃんと街を散策していて戻る時間にはまだ早かったので、自分の気に入ったお店と言ってこのお店を紹介してくれた。
中に入って2人で色々見回ってて、特に矢の入れ物なんか父さんのお古だから自分専用の新しい物を村に帰る前に買っておきたいなぁと話していた事を伝えた。
「そうだったんだ」「うん。だからこのどれかを選んで渡せば、おそらく大喜びすると思って連れて来ようと考えてたんだ」「ありがとね。レックス君」
それから2人で話し合い、結局レオおじさんからもらって使っている矢入れ箱の代わりとなる新しい箱を買う事にした。
「良い買い物が出来て良かったわ。ありがとうレックス君」「ううん」買い物を終えて歩きながらお礼を言われた。
その時お姉ちゃんが、「ところで、以前話していた例の赤い石の事は何か分かったの?」と聞いてきた。
「ううん。まだ何も分かってないし、載っている本も見つけられてないんだ」と僕も答えた。
そう、あれ以降も休日のうち1日は必ず図書室に籠って赤い石の事を調べているが、全く手掛かりを見つけ出せていなかった。
「もしかしたら図書室の本には載ってないのかもしれない」と言うと、「そっか。じゃああそこに行ってみると良いかもしれないわ」「あそこ?」「うんっ!」とお姉ちゃんは僕をある所へ案内してくれた。
「ここよ」「ここって?」「"王立図書館"っていうの」そう言って連れて来られたのは、学校ぐらいの大きさの建物だった。
「ここにはあらゆる分野の本がたくさんあるから、きっとあの赤い石の情報もあると思うわ」
「ありがとうお姉ちゃん。今度の休みの日にでも来てみるよ」「うん!」と言ってその場を離れ、以前食べたレストランでお昼を食べてお姉ちゃんとは別れた。
そのあと僕は1人でとあるお店に行って"ある物"を買い、寄宿舎に戻った。
そして兄ちゃんの誕生日の日。
僕はわざと夕ご飯を食べ終わる時間くらいまでは兄ちゃんに会わないように(アリスやお姉ちゃんに誘われても断り続け)した。
そして夕ご飯を食べ終えた時間になって部屋でくつろいでいたら、「レックス、入るぞ」と兄ちゃんが部屋に入ってきた。
「あ、兄ちゃん」「兄ちゃんじゃねぇだろ。お前今日ずっと俺を避けてたろ?」「そ、そんな事は」「あるんだろ」「······」「やっぱりか。ったく」と言って僕の近くに座った。
「で、何で避けてたんだ?」「ずっと避け続けてたらこうなるだろうと予測して」「何で予測する必要があったんだ?」「これを渡してゆっくり思い出話をしようかと思って」
「これは!」兄ちゃんに渡したのは、ウッド村で作られてあちこちの村に納めている物のうちの熊の木彫り人形だった。
「どこで見つけたんだ?」「ダークエルフ戦の後の休みとなった日に街を歩いていたら、地域の物産店がある事に気付いて中に入ったの。そこでウッド村の部分を見つけてさらにそれが目に入ったんだ。ベアーかベアーズをイメージして作られたと分かったから」「ベアーにベアーズかぁ。懐かしいなぁ」「うん」などとあの頃の思い出話を話し合っていた。
「それにしても」「何?」「メリッサからあのプレゼント選びを手伝ってもらったって聞いたぞ」
「アハハ、やっぱお姉ちゃんバラしたか。まぁ誕生日なんだから兄ちゃんが一番喜びそうなものを渡せば、仲もより進展するかもと思って」
「レックス······余計な気遣いせんでいいわ!」と言いながら僕を羽交い締めしながら首も絞めてきた。「ギ、ギブギブ」と言ったので多少首絞めを緩めてくれた。
「けど、お前にはもう誕生日プレゼントはもらってたようなもんだけどな」「えっ?」突然そう言われて驚きの声を上げた。
「ダークエルフとの戦いで、もしお前に助けてもらってなければ誕生日を迎えられてなかったんだからよ」「確かに、そうだね」改めて言われると実感が湧いてきた。
「だから、その時のお礼を言うのと、お前の予測通りにプレゼントをせびりに来たんだよ」ガクッ。
「あ、あのねぇ」「アハハ。まぁそういう事だ。じゃあな」「うん。じゃあ」と言って兄ちゃんは部屋を出て行った。
ちなみに、アリスは革手袋を買って渡したと後日本人から聞いた。
目的は言ってなかったけど、恐らく今週訪れる兄ちゃんの誕生日に渡すプレゼント選びだろう。そう思って向かうお店を浮かべておいて待ち合わせ場所に向かった。
待ち合わせ場所には既にお姉ちゃんが待っていて、「お姉ちゃん!」僕が声を掛けるとお姉ちゃんも気付いた。
「レックス君、ありがとう付き合ってくれて」「ううん。で今日は?」「うん。もうすぐアッシュの誕生日でしょ?」あっ、やっぱり。
「それでプレゼントを渡そうと思ってるんだけど、何がいいだろうと考えて、取り敢えずレックス君に相談しようと思って声を掛けたの」
「分かった。じゃあこっち」「えっ?」お姉ちゃんの話が終わるとすぐに僕はお姉ちゃんの手を取って歩き出した。お姉ちゃんも最初は驚いていたがすぐ平常心に戻ってそのまま僕に連れて行かれるがまま歩いた。
そして目的の弓矢専門店に着いて中に入り、その中でも矢を入れるための筒やら箱がたくさん置かれている場所へ連れて行った。
「ここって?」お姉ちゃんが聞いてきたので僕が、「実は合格発表の後、お姉ちゃん達と別れて街を散策していた時······」当時の事を話しだした。
合格発表の日、兄ちゃんと街を散策していて戻る時間にはまだ早かったので、自分の気に入ったお店と言ってこのお店を紹介してくれた。
中に入って2人で色々見回ってて、特に矢の入れ物なんか父さんのお古だから自分専用の新しい物を村に帰る前に買っておきたいなぁと話していた事を伝えた。
「そうだったんだ」「うん。だからこのどれかを選んで渡せば、おそらく大喜びすると思って連れて来ようと考えてたんだ」「ありがとね。レックス君」
それから2人で話し合い、結局レオおじさんからもらって使っている矢入れ箱の代わりとなる新しい箱を買う事にした。
「良い買い物が出来て良かったわ。ありがとうレックス君」「ううん」買い物を終えて歩きながらお礼を言われた。
その時お姉ちゃんが、「ところで、以前話していた例の赤い石の事は何か分かったの?」と聞いてきた。
「ううん。まだ何も分かってないし、載っている本も見つけられてないんだ」と僕も答えた。
そう、あれ以降も休日のうち1日は必ず図書室に籠って赤い石の事を調べているが、全く手掛かりを見つけ出せていなかった。
「もしかしたら図書室の本には載ってないのかもしれない」と言うと、「そっか。じゃああそこに行ってみると良いかもしれないわ」「あそこ?」「うんっ!」とお姉ちゃんは僕をある所へ案内してくれた。
「ここよ」「ここって?」「"王立図書館"っていうの」そう言って連れて来られたのは、学校ぐらいの大きさの建物だった。
「ここにはあらゆる分野の本がたくさんあるから、きっとあの赤い石の情報もあると思うわ」
「ありがとうお姉ちゃん。今度の休みの日にでも来てみるよ」「うん!」と言ってその場を離れ、以前食べたレストランでお昼を食べてお姉ちゃんとは別れた。
そのあと僕は1人でとあるお店に行って"ある物"を買い、寄宿舎に戻った。
そして兄ちゃんの誕生日の日。
僕はわざと夕ご飯を食べ終わる時間くらいまでは兄ちゃんに会わないように(アリスやお姉ちゃんに誘われても断り続け)した。
そして夕ご飯を食べ終えた時間になって部屋でくつろいでいたら、「レックス、入るぞ」と兄ちゃんが部屋に入ってきた。
「あ、兄ちゃん」「兄ちゃんじゃねぇだろ。お前今日ずっと俺を避けてたろ?」「そ、そんな事は」「あるんだろ」「······」「やっぱりか。ったく」と言って僕の近くに座った。
「で、何で避けてたんだ?」「ずっと避け続けてたらこうなるだろうと予測して」「何で予測する必要があったんだ?」「これを渡してゆっくり思い出話をしようかと思って」
「これは!」兄ちゃんに渡したのは、ウッド村で作られてあちこちの村に納めている物のうちの熊の木彫り人形だった。
「どこで見つけたんだ?」「ダークエルフ戦の後の休みとなった日に街を歩いていたら、地域の物産店がある事に気付いて中に入ったの。そこでウッド村の部分を見つけてさらにそれが目に入ったんだ。ベアーかベアーズをイメージして作られたと分かったから」「ベアーにベアーズかぁ。懐かしいなぁ」「うん」などとあの頃の思い出話を話し合っていた。
「それにしても」「何?」「メリッサからあのプレゼント選びを手伝ってもらったって聞いたぞ」
「アハハ、やっぱお姉ちゃんバラしたか。まぁ誕生日なんだから兄ちゃんが一番喜びそうなものを渡せば、仲もより進展するかもと思って」
「レックス······余計な気遣いせんでいいわ!」と言いながら僕を羽交い締めしながら首も絞めてきた。「ギ、ギブギブ」と言ったので多少首絞めを緩めてくれた。
「けど、お前にはもう誕生日プレゼントはもらってたようなもんだけどな」「えっ?」突然そう言われて驚きの声を上げた。
「ダークエルフとの戦いで、もしお前に助けてもらってなければ誕生日を迎えられてなかったんだからよ」「確かに、そうだね」改めて言われると実感が湧いてきた。
「だから、その時のお礼を言うのと、お前の予測通りにプレゼントをせびりに来たんだよ」ガクッ。
「あ、あのねぇ」「アハハ。まぁそういう事だ。じゃあな」「うん。じゃあ」と言って兄ちゃんは部屋を出て行った。
ちなみに、アリスは革手袋を買って渡したと後日本人から聞いた。
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