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第7章 学校生活2

第37話 授業3〜合同授業〜

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 今日の授業は教科実技ともにいつもと違った。

 なぜなら午後の実技の授業が初めてサポート科のBクラス、つまりアリスが在籍しているクラスとの合同授業を行うためだ。

 上級クラスでは度々他の科との授業が行われる(兄ちゃんもお姉ちゃん達とよく実施し、それが縁で恋人となったと話していた)場合があるとの事だ。

 それで初めてという事もあって教科の授業で今回の合同授業の目的と僕達の役割についての説明が行われた。

 今回は王都の近隣の森に赴き、その森に繁殖している薬草などの調査を実施するとの事だ。

 ただし森には色々な魔物も潜伏しているとの事なので、武力科も同行してサポート科が調査している間のボディガード的な役割を行うとの事だ。

 そして残りの授業の時間で森に潜んでいる魔物に関する事と、調査する薬草類についての説明が行われた。


 昼食を食べた後、僕達の武力科とアリス達のサポート科の生徒が集合した。

 今回は武力科2人とサポート科2人の4人で1チームとなって授業を実施する事となり、先生達の方で既にチーム分けがされていて僕はロースとアリス、そしてサポート科のエルフの女の子とのチームとなった。

 チーム毎に分かれてしばらく自己紹介をし合う事になり、僕とアリスは自分達は幼馴染だと他の2人に説明した後それぞれもう1人に自己紹介をした。

 その後ロースがアリス達に、そしてエルフの女の子のメリーが僕達に自己紹介をし合った。ひと通り終わったのを見計らって先生の号令で現地に移動した。

 森の前まで移動してきた所で各チームの場所割りを伝えられ、何かあれば先生を呼ぶようになどの注意事項を伝えられて解散した。


 解散してからは僕、アリス達、ロースの順に進み、気になる薬草などがあればアリス達が声を掛け、魔物がいたり危険な気配があれば僕らが声を掛ける事にした。

 この森に生息している魔物で特に危険なものは、暴れん坊の蜂である"バイオレントビー"と、木の上方に巣を作り、飛んでいる鳥や下を通る生き物を捕まえる"ウッドスパイダー"の2匹だそうだ。

 周りを警戒しながら途中バイオレントビーの群れとウッドスパイダーの巣を1ヶ所ずつ見掛けたがうまく迂回して目的の場所に辿り着く事が出来た。

 そこには確かにたくさんの薬草類が生えているようで、僕らが周りを警戒して早速アリス達はそれらの調査を始めた。

 暫くして、「これくらいで十分かしら」アリスが言ってひと通りの調査が終わったようで、時間も時間になったので集合場所に向かう事にした。

 帰り道だったという事もあって一瞬気を緩めた瞬間、突然メリーの足に蜘蛛の糸が巻き付き、「キャー!!」悲鳴を上げながら上空に引き上げられてしまった。

「メリー!!」「しまった!!」アリスや僕が叫びながら上を見上げたら、ウッドスパイダーが巣を張ってメリーや僕らを見下ろしていた。

 そしてメリーに巻き付けた糸を自分の体に引き戻しており、メリーも「イ、イヤ!」などと叫び続けていた。

 とっさに僕は巣が張られた木々を確認し、ロースに「ロース! 僕が木を伝って糸を切りに行くから、その間奴の注意を逸らしておいてくれ!」と言って「分かった!」とロースも答えた。

 そして作戦通り僕が木々の間を飛び移り、その間ロースが矢を射てウッドスパイダーの気を逸らした。

 ちょうど奴がロースに糸を吐いて攻撃しようとした時に僕がメリーのすぐ近くに到着して糸を短剣で切り、落下していくメリーを抱き抱えて着地した。

 僕はそのまますぐその場を離れてアリスのいる場所へ行き、短剣を1本アリスに渡してメリーを任せ、ロースの元に戻った。

 その間に集中スキルの"覚醒"を使って奴の弱点を探し当て、ロースにその場所(額)を伝えた。

 それからはロースが遠距離から、僕が接近してそこを攻撃していき何とかウッドスパイダーを倒す事が出来た。

 ちょうどメリーに巻き付いていた糸も切れたみたいだったので、周りをより警戒しながら急いで集合場所に向かった。

 それからは特に何も起きずに集合場所へ戻れた。


 しばらく他のチームが戻ってくるのを待つことになり、のんびりしていると「あ、あのレックスさん」と呼ぶ声がしたのでそちらを見たら、メリーが立っていた。

「どうしたの? メリー」「こ、これを······」さっきアリスに渡した僕の短剣を持っていた。何かあるといけないからと言ってアリスに渡しっぱなしにしていたんだった。

「返しに来てくれたんだ。ありがとう」「いえ。あの、さっきはありがとうございました」「ううん、僕達が油断してたから危険な目に合わせちゃったんだから。怪我とか大丈夫?」「はい、大丈夫です。······あ、あの」メリーが何か言い掛けた時、「よーし、全員集合!」号令がかかった。

「あ、全員戻って来たみたい。行こっか」「ハ、ハイ」と言って全員の所に集まった。

 この時メリーがレックスに恋心を芽生えさせた事にレックスはまだ気付いていなかった······。
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