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第1章 転生
第14話 告白そして旅立ち2
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「み、皆って、父さんも母さんもおじさんやおばさんもって事か?」
「うん。僕達3人以外は皆殺されるんだ。たまたまその日僕達はこの川に遊びに来ていて難を逃れる事が出来たんだ。その後その事を調査しに来た騎士団の調査隊に王都の孤児院へ連れて行かれたんだ」そこまで話して暫く無言の時間が続いた。
そしてアッシュ兄ちゃんが「な、何とかならねぇのかよ? 今までみたいに」
「多分、今のままじゃダメだと思う。ベアー達やオークの時と違って今回は何十体も相手にしなきゃならないと思うから」「そ、そんな」これを聞いて流石にアッシュ兄ちゃんも肩を落とした。
「ただ」「ただ?」「神の使いと赤ん坊時代一度だけ話した事があって、その時トロルの襲撃の事を相談したら、『大勢多数の者に伝えるのはならん』けど『他の者へ"絶対"に他言しないと言い切れる者であれば伝えるのは可能で、伝える相手次第ではお主の望む結末に出来る事も可能だ』って言われたんだ」と伝えた。
「て、事は?」僕は頷いて「アッシュ兄ちゃんへの様に伝える人を考え、それが正しければトロルの襲撃も防げるかもしれないという事なんだ」
「じゃ、じゃあ······」「問題はそれが誰なのかが分かってないんだ」
アッシュ兄ちゃんが何か言い続けようとしたのを僕が遮った。
「神の使いからも『伝えた者が他の者に他言したりすれば、いずれお主同様運命を狂わさせられる者が出てくるかも』って言ってたぐらいだから、慎重に考えないといけないと思うんだ」それを聞いてアッシュ兄ちゃんの顔も真剣な表情に変わった。
また暫く無言の時間が続き、その間ベアーズが2人の顔を交互に見回していた。
少しした後アッシュ兄ちゃんが「ならレックス、ここはお前の親父さんにだけ話すべきだろ」と言ってきたので「父さんに?」と聞き返した。
「ああ、お前の言う事を最も信じてくれるだろうし、一番古くから村に住んでいるから対処法なんかを知ってそうかもしれないだろ?」と言った。
確かに父さんだけがずっとこの村に住んでいて、母さんやアッシュ兄ちゃんとアリスの家族は後からこの村にやって来たと聞いた事があった。
「分かった、そうするよ。ちょうど今夜父さんが1人で見張り役になっていたからこっそり家を抜け出して話すよ」「あぁ、そん時は俺も一緒に付いて行くよ」「分かった。じゃあ今夜迎えに行くよ」「良し!」と言って魚釣りを引き上げた。
そして夜、レックスはこっそり家を抜けアッシュの家に行ってアッシュ兄ちゃんを呼び起こして見張り台へ向かった。
先のオークの一件以降前世でも同じ事が起こってもすぐ気付ける様に村のすぐ近くの森の中に見張り台を立て、1人か2人で交代して見張る事にして今夜は父さんが当番だった。
その見張り台に近付き上に登り、そして「父さん」と声を掛けた。声を聞いて後ろを振り向きゴーシュは驚いた。
「レ、レックス!? アッシュまで! お前達何でこんな時間にここへ······」と言われてレックスは「大事な話があるんだ」「大事な話?」そう言って昼間アッシュ兄ちゃんに伝えた事をアッシュ兄ちゃんにフォローしてもらいながら伝えた。
それを聞いてゴーシュは当然の事ながらとても驚き実の息子や親友の言う事でもすぐに信じる事は出来なかった。しかしこれまでの事を思い返して納得出来る事もあり、2人の言う事を信じる事にした。
その上でトロルの事は確かにどうにかしなければと思い色々考え出した。
父さんが僕達の話を聞いて信じた上で何か考え出して時間がだいぶ経った頃、父さんから「レックス、アッシュ。お前達村を出て旅に出る勇気はあるか?」「「た、旅に?」」僕達は同時に聞き返した。
「ああ、お前達も昼間に何度かこの見張り台に登った事があってその時西の方にでかい山を見掛ける事があっただろう」と言われ、確かに昼間特に晴れ渡った日に西の方に頂上が見えないぐらい高い山を見掛ける事がある。
「あの山はスカイマウンテンと呼ばれていて、その頂上には賢者様と呼ばれているお方が住んでいると言われているんだ」
「け、賢者様?」「そうだ。お前達でその賢者様に会いに言ってさっきの話を伝え、トロルへの対抗策を聞いてくるんだ。出来るよな? 今のお前達なら」と聞かれ、僕達は顔を見合わせた後即座に頷いて了承した。
夜が明けて、父さんから母さんとアッシュ兄ちゃんの両親に僕の事は触れる事なく、トロルの事と僕達の賢者様への旅の事を話した。3人とも流石に驚いたり心配した顔になったが旅に行く事は許してくれた。
ちなみに現在アリスとその両親は、ジョーおじさんの知り合いの王都で開業医をしている人から手伝いを頼まれて2、3日王都に行ってて留守だった。正直その方が良かったかもと思っていた。
そして僕達は食料と少しながらの軍資金と、僕はあの短剣と父さんが昔使っていて今でも手入れをしていた小剣を、アッシュ兄ちゃんは弓矢と同じく小剣をそれぞれ持たせてもらって村の入り口にいた。
「じゃあ行ってくるね、父さん母さん」「あぁ、頼んだぞ2人とも」「絶対に無茶だけはしないでね」「分かってるよ」と父さんや母さんとやりとりをして僕達は賢者様の元へ旅立った。
「うん。僕達3人以外は皆殺されるんだ。たまたまその日僕達はこの川に遊びに来ていて難を逃れる事が出来たんだ。その後その事を調査しに来た騎士団の調査隊に王都の孤児院へ連れて行かれたんだ」そこまで話して暫く無言の時間が続いた。
そしてアッシュ兄ちゃんが「な、何とかならねぇのかよ? 今までみたいに」
「多分、今のままじゃダメだと思う。ベアー達やオークの時と違って今回は何十体も相手にしなきゃならないと思うから」「そ、そんな」これを聞いて流石にアッシュ兄ちゃんも肩を落とした。
「ただ」「ただ?」「神の使いと赤ん坊時代一度だけ話した事があって、その時トロルの襲撃の事を相談したら、『大勢多数の者に伝えるのはならん』けど『他の者へ"絶対"に他言しないと言い切れる者であれば伝えるのは可能で、伝える相手次第ではお主の望む結末に出来る事も可能だ』って言われたんだ」と伝えた。
「て、事は?」僕は頷いて「アッシュ兄ちゃんへの様に伝える人を考え、それが正しければトロルの襲撃も防げるかもしれないという事なんだ」
「じゃ、じゃあ······」「問題はそれが誰なのかが分かってないんだ」
アッシュ兄ちゃんが何か言い続けようとしたのを僕が遮った。
「神の使いからも『伝えた者が他の者に他言したりすれば、いずれお主同様運命を狂わさせられる者が出てくるかも』って言ってたぐらいだから、慎重に考えないといけないと思うんだ」それを聞いてアッシュ兄ちゃんの顔も真剣な表情に変わった。
また暫く無言の時間が続き、その間ベアーズが2人の顔を交互に見回していた。
少しした後アッシュ兄ちゃんが「ならレックス、ここはお前の親父さんにだけ話すべきだろ」と言ってきたので「父さんに?」と聞き返した。
「ああ、お前の言う事を最も信じてくれるだろうし、一番古くから村に住んでいるから対処法なんかを知ってそうかもしれないだろ?」と言った。
確かに父さんだけがずっとこの村に住んでいて、母さんやアッシュ兄ちゃんとアリスの家族は後からこの村にやって来たと聞いた事があった。
「分かった、そうするよ。ちょうど今夜父さんが1人で見張り役になっていたからこっそり家を抜け出して話すよ」「あぁ、そん時は俺も一緒に付いて行くよ」「分かった。じゃあ今夜迎えに行くよ」「良し!」と言って魚釣りを引き上げた。
そして夜、レックスはこっそり家を抜けアッシュの家に行ってアッシュ兄ちゃんを呼び起こして見張り台へ向かった。
先のオークの一件以降前世でも同じ事が起こってもすぐ気付ける様に村のすぐ近くの森の中に見張り台を立て、1人か2人で交代して見張る事にして今夜は父さんが当番だった。
その見張り台に近付き上に登り、そして「父さん」と声を掛けた。声を聞いて後ろを振り向きゴーシュは驚いた。
「レ、レックス!? アッシュまで! お前達何でこんな時間にここへ······」と言われてレックスは「大事な話があるんだ」「大事な話?」そう言って昼間アッシュ兄ちゃんに伝えた事をアッシュ兄ちゃんにフォローしてもらいながら伝えた。
それを聞いてゴーシュは当然の事ながらとても驚き実の息子や親友の言う事でもすぐに信じる事は出来なかった。しかしこれまでの事を思い返して納得出来る事もあり、2人の言う事を信じる事にした。
その上でトロルの事は確かにどうにかしなければと思い色々考え出した。
父さんが僕達の話を聞いて信じた上で何か考え出して時間がだいぶ経った頃、父さんから「レックス、アッシュ。お前達村を出て旅に出る勇気はあるか?」「「た、旅に?」」僕達は同時に聞き返した。
「ああ、お前達も昼間に何度かこの見張り台に登った事があってその時西の方にでかい山を見掛ける事があっただろう」と言われ、確かに昼間特に晴れ渡った日に西の方に頂上が見えないぐらい高い山を見掛ける事がある。
「あの山はスカイマウンテンと呼ばれていて、その頂上には賢者様と呼ばれているお方が住んでいると言われているんだ」
「け、賢者様?」「そうだ。お前達でその賢者様に会いに言ってさっきの話を伝え、トロルへの対抗策を聞いてくるんだ。出来るよな? 今のお前達なら」と聞かれ、僕達は顔を見合わせた後即座に頷いて了承した。
夜が明けて、父さんから母さんとアッシュ兄ちゃんの両親に僕の事は触れる事なく、トロルの事と僕達の賢者様への旅の事を話した。3人とも流石に驚いたり心配した顔になったが旅に行く事は許してくれた。
ちなみに現在アリスとその両親は、ジョーおじさんの知り合いの王都で開業医をしている人から手伝いを頼まれて2、3日王都に行ってて留守だった。正直その方が良かったかもと思っていた。
そして僕達は食料と少しながらの軍資金と、僕はあの短剣と父さんが昔使っていて今でも手入れをしていた小剣を、アッシュ兄ちゃんは弓矢と同じく小剣をそれぞれ持たせてもらって村の入り口にいた。
「じゃあ行ってくるね、父さん母さん」「あぁ、頼んだぞ2人とも」「絶対に無茶だけはしないでね」「分かってるよ」と父さんや母さんとやりとりをして僕達は賢者様の元へ旅立った。
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