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2年生での出来事
第44話 アッシュと頼み事-ウルフ退治-
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ある日のレックス達がお休みの日······。
「はい、兄ちゃん」「サンキュー、レックス。よろしくな、ベアーズ」「ガウ(うん!)」アッシュが引き受けた頼み事を手伝う事になり、アッシュがボクを迎えに来た。
「んじゃあ行ってくらぁ」「うん、気を付けてねー」(うん!)そうしてボク達は依頼したヒトの所に向かった。
「今日は付き合ってくれてサンキューな、ベアーズ」(別に良いよ)「今回はどうしても俺1人で引き受けたかったんだけど、内容が内容だったらお前に手伝ってもらおうと思ってな」(ん? どういう事?)それからアッシュは今回の依頼の内容を話してくれた。
依頼したヒトは王都の近くに住んでるひつじを飼ってるヒトで少し前からひつじが夜中に数が少なくなる事があり、最近になって何かに襲われている事が分かってその正体がどうやらウルフの可能性が出てきたため、飼い主が学校に相談したとの事だ。
(そうだったんだ)「んでこの頼み事を見掛けて少し前からウルフをどうしても退治したいと思ってたから引き受けたんだ」(何でウルフを?)そう思いながらアッシュを見つめた。
「ん? ああウルフを倒したいって思っていた理由か? まぁ、それはおいおいな」(······まぁ、いっか)そう思いながら依頼したヒトの所に向かった。
その後依頼したヒトの所に着き話を聞いたら、やはりウルフが夜な夜なひつじを襲いに来ている事が分かり、ボク達は取り敢えずひつじ達がいる小屋の中に潜み、ウルフが来るのを待った。
そしてその夜······。ガタッ! 「っ!」(っ!)今夜もやはりウルフがひつじを襲いにやって来た。
「メェー」「メェー」ウルフの姿を見てひつじ達は怯えだしウルフはそんなひつじ達にジリジリゆっくりと近寄っていたため、ボク達には全く気付いていなかった。
そのためアッシュは持ってきていた弓矢をウルフに向けて構え······シュッ! と放ち、見事にウルフの背中に命中した。
そこでようやくウルフはボク達に気付きこちらへ向かってきたため、アッシュも剣に持ち替えてウルフに向かった。
両者とも激しい攻防を続けていたけど、「うわぁっ!」アッシュが一瞬の隙を付かれてウルフに押し倒されたのだった。
(アッシュ!!)何とか剣でウルフの動きを防いでいるけど、それも時間の問題だった。
(ど、どうしよう。どうしたら······)とその時ふとウルフのある部分に目が止まり、(そう言えば)自分の事に置き換えた上で考えて(よし!)意を決してウルフに向かって突進し、ウルフの······"尻尾"を思いきり噛んだ。
するとウルフは「ウ、ウギャーーーッ(い、痛ってーーーっ!)」と大きな声で叫んで飛び上がった。
その隙にアッシュは体勢を立て直してウルフの胸に剣を突き立て、見事にウルフを退治したのだった。
念のためにアッシュが剣でウルフを突いてみたが、ピクリとも動かない事を確認してようやく「や、やったぁ」とアッシュは安堵してその場に座り込んだのだった。
そんなアッシュにボクが近付くと、「サンキューなベアーズ。まさかあそこでお前がウルフの尻尾を噛むとはな」
(えへへへへ。だってボクも前に父ちゃんに強く掴まれたり、レックスに思い切り踏んづけられた時はとっても痛かったんだもん!)と尻尾を噛んで助けた事にお礼を言われた際、過去に自分も痛い目に遭った事を思い返した。
それからアッシュがまたウルフの死体を見つめたら、「ん? ひょっとして······」と呟くと徐にウルフの死体に近付き、······ボキッ! と何と牙の1本を引き抜いたのだった。
(っ!?)その行動にボクは驚いたがアッシュは気にも留めずに引き抜いた牙を色々調べた後に「これなら、問題無い······な。よっしゃー! もうひとつの目的も達成だぁ!!」と喜んで叫んだ。
(もうひとつの、目的?)ボクが不思議がっていると「ホントにサンキューな、ベアーズ。実はコイツが欲しかったんだよ、少し前から」ボクの頭を撫でながらそう言ってきた。
(良いけど、ホントにそれ何に使うの?)と言いたげな表情をアッシュに向けた。
その様子を見てようやくアッシュも「ん、これか? ······まぁ、お前になら喋っても良っか。実はな、もうじきメリッサの誕生日何だよ」
(メリッサの!)「んで、去年の俺の誕生日にあいつから弓の矢を入れるための筒をプレゼントしてもらったもんだから、今年は俺が······(指輪でもプレゼントしてやろうかなって)思ったんだよ」(そうだったんだ)アッシュが考えた計画を聞いて納得した。
「ただ実際の指輪を買うとなると流石にお金が足りねぇから、街の宝石彫刻師って人に作ってもらおうと思って相談しに行ったんだ。そしたらダイヤモンドのような“鉱石"と硬い材質······ウルフとかの“魔物の牙"なんかを持ってきたら作ってくれるって言ったんだ。ダイヤモンドの方は似たような物がある場所は知ってたもんだから、もう1つの硬い材質の方をどうしようかと悩んでいた時に今回の頼み事を見掛けたんだよ」
(そうだったんだね)アッシュからウルフの牙を欲しがった理由を聞き、納得できた。
「まぁ、そんなわけだったという事だ。念のために言っとくが、今の話誰にも言うなよ」と言われたので、コクコク(もちろん!)と言いたげに首を縦に振った。
「サンキューな。さてと······」アッシュは立ち上がってひつじの飼い主の下 へ向かった。そして小屋の様子を見てもらい納得してもらった後に2人でウルフの死体を処理し、お礼をもらってボク達は王都に帰った。
王都に着いたところで早速アッシュは宝石彫刻師ってヒトのお店に行って今回手に入れたウルフの牙と持っていたクリスタル(ってアッシュが言ってた)をお店のヒトに見せ、お店のヒトも「この2つでなら指輪も作れそうだよ」と指輪作りを引き受けてくれたのだった。
お店を出て寄宿舎に着いたところで「今回は色々ありがとなベアーズ。んで······」(ん?)アッシュは今回もらったお礼の入っている袋をボクに渡してきて「コイツをまたレックスに渡しておいてくれ」と言ってきた。
ボクもコク(分かった)と頷いてその袋を咥え、レックスの部屋に向かった。
部屋の前に着いてコンコン(レックス! 帰ったよー!)と入口のドアをノックした。
するとレックスがドアを開けて「あ、お帰りベアーズ。その咥えてる袋って······」と聞いてきたのでコク(うん。今回のお礼)と言いたげに頷いた。
「やっぱりそうか。ありがとう」とボクから袋を取り上げて部屋の中に入り、部屋の隅に置いてある大きな袋に入れた。
(ホントにどうするんだろう? あの中身······まっ、いっか)と思いながらボクは眠りについた。
こうして今回のアッシュとの頼み事は一段落した。
それから数日後、レックスが迎えに来るのをスペースの中で待っていたある日······。
気持ちよく眠っていたら、クンクン······ピクッ!(この匂い······)突然嗅ぎ慣れた匂いに釣られてボクは目覚めた。
そしてその匂いがした方を見てると1人の女性が近付いて来るのが分かり、その人物を見て(やっぱりメリッサだ!)と思った。
そのメリッサはスペース前に来ると優しい笑顔でボクを見つめた後に抱き上げ、そして優しくボクを抱き締めたのだった。
(えっ、何?)と思っていると「ベアーズ。アッシュの誕生日プレゼントを用意するための頼み事に付き合ってくれて、ありがとう」と言ってきた。
(ああ、あの事かぁ)と納得していると「こないだの私の誕生日にアッシュが指輪をプレゼントしてくれたのよ」(うん、知ってる)
「それでその指輪どうしたの? って聞いたらアッシュが説明してくれて、その時あなたも関わっているって教えてもらったのよ」(そうだったんだ)
そこまで話したところでメリッサはボクを地面に下ろし、「ホントにありがとね、ベアーズ。それじゃあ」と言ってメリッサはスペースから離れていった。
そんなメリッサを見つめながら(良かった、良かった)と思ったのだった······。
「はい、兄ちゃん」「サンキュー、レックス。よろしくな、ベアーズ」「ガウ(うん!)」アッシュが引き受けた頼み事を手伝う事になり、アッシュがボクを迎えに来た。
「んじゃあ行ってくらぁ」「うん、気を付けてねー」(うん!)そうしてボク達は依頼したヒトの所に向かった。
「今日は付き合ってくれてサンキューな、ベアーズ」(別に良いよ)「今回はどうしても俺1人で引き受けたかったんだけど、内容が内容だったらお前に手伝ってもらおうと思ってな」(ん? どういう事?)それからアッシュは今回の依頼の内容を話してくれた。
依頼したヒトは王都の近くに住んでるひつじを飼ってるヒトで少し前からひつじが夜中に数が少なくなる事があり、最近になって何かに襲われている事が分かってその正体がどうやらウルフの可能性が出てきたため、飼い主が学校に相談したとの事だ。
(そうだったんだ)「んでこの頼み事を見掛けて少し前からウルフをどうしても退治したいと思ってたから引き受けたんだ」(何でウルフを?)そう思いながらアッシュを見つめた。
「ん? ああウルフを倒したいって思っていた理由か? まぁ、それはおいおいな」(······まぁ、いっか)そう思いながら依頼したヒトの所に向かった。
その後依頼したヒトの所に着き話を聞いたら、やはりウルフが夜な夜なひつじを襲いに来ている事が分かり、ボク達は取り敢えずひつじ達がいる小屋の中に潜み、ウルフが来るのを待った。
そしてその夜······。ガタッ! 「っ!」(っ!)今夜もやはりウルフがひつじを襲いにやって来た。
「メェー」「メェー」ウルフの姿を見てひつじ達は怯えだしウルフはそんなひつじ達にジリジリゆっくりと近寄っていたため、ボク達には全く気付いていなかった。
そのためアッシュは持ってきていた弓矢をウルフに向けて構え······シュッ! と放ち、見事にウルフの背中に命中した。
そこでようやくウルフはボク達に気付きこちらへ向かってきたため、アッシュも剣に持ち替えてウルフに向かった。
両者とも激しい攻防を続けていたけど、「うわぁっ!」アッシュが一瞬の隙を付かれてウルフに押し倒されたのだった。
(アッシュ!!)何とか剣でウルフの動きを防いでいるけど、それも時間の問題だった。
(ど、どうしよう。どうしたら······)とその時ふとウルフのある部分に目が止まり、(そう言えば)自分の事に置き換えた上で考えて(よし!)意を決してウルフに向かって突進し、ウルフの······"尻尾"を思いきり噛んだ。
するとウルフは「ウ、ウギャーーーッ(い、痛ってーーーっ!)」と大きな声で叫んで飛び上がった。
その隙にアッシュは体勢を立て直してウルフの胸に剣を突き立て、見事にウルフを退治したのだった。
念のためにアッシュが剣でウルフを突いてみたが、ピクリとも動かない事を確認してようやく「や、やったぁ」とアッシュは安堵してその場に座り込んだのだった。
そんなアッシュにボクが近付くと、「サンキューなベアーズ。まさかあそこでお前がウルフの尻尾を噛むとはな」
(えへへへへ。だってボクも前に父ちゃんに強く掴まれたり、レックスに思い切り踏んづけられた時はとっても痛かったんだもん!)と尻尾を噛んで助けた事にお礼を言われた際、過去に自分も痛い目に遭った事を思い返した。
それからアッシュがまたウルフの死体を見つめたら、「ん? ひょっとして······」と呟くと徐にウルフの死体に近付き、······ボキッ! と何と牙の1本を引き抜いたのだった。
(っ!?)その行動にボクは驚いたがアッシュは気にも留めずに引き抜いた牙を色々調べた後に「これなら、問題無い······な。よっしゃー! もうひとつの目的も達成だぁ!!」と喜んで叫んだ。
(もうひとつの、目的?)ボクが不思議がっていると「ホントにサンキューな、ベアーズ。実はコイツが欲しかったんだよ、少し前から」ボクの頭を撫でながらそう言ってきた。
(良いけど、ホントにそれ何に使うの?)と言いたげな表情をアッシュに向けた。
その様子を見てようやくアッシュも「ん、これか? ······まぁ、お前になら喋っても良っか。実はな、もうじきメリッサの誕生日何だよ」
(メリッサの!)「んで、去年の俺の誕生日にあいつから弓の矢を入れるための筒をプレゼントしてもらったもんだから、今年は俺が······(指輪でもプレゼントしてやろうかなって)思ったんだよ」(そうだったんだ)アッシュが考えた計画を聞いて納得した。
「ただ実際の指輪を買うとなると流石にお金が足りねぇから、街の宝石彫刻師って人に作ってもらおうと思って相談しに行ったんだ。そしたらダイヤモンドのような“鉱石"と硬い材質······ウルフとかの“魔物の牙"なんかを持ってきたら作ってくれるって言ったんだ。ダイヤモンドの方は似たような物がある場所は知ってたもんだから、もう1つの硬い材質の方をどうしようかと悩んでいた時に今回の頼み事を見掛けたんだよ」
(そうだったんだね)アッシュからウルフの牙を欲しがった理由を聞き、納得できた。
「まぁ、そんなわけだったという事だ。念のために言っとくが、今の話誰にも言うなよ」と言われたので、コクコク(もちろん!)と言いたげに首を縦に振った。
「サンキューな。さてと······」アッシュは立ち上がってひつじの飼い主の下 へ向かった。そして小屋の様子を見てもらい納得してもらった後に2人でウルフの死体を処理し、お礼をもらってボク達は王都に帰った。
王都に着いたところで早速アッシュは宝石彫刻師ってヒトのお店に行って今回手に入れたウルフの牙と持っていたクリスタル(ってアッシュが言ってた)をお店のヒトに見せ、お店のヒトも「この2つでなら指輪も作れそうだよ」と指輪作りを引き受けてくれたのだった。
お店を出て寄宿舎に着いたところで「今回は色々ありがとなベアーズ。んで······」(ん?)アッシュは今回もらったお礼の入っている袋をボクに渡してきて「コイツをまたレックスに渡しておいてくれ」と言ってきた。
ボクもコク(分かった)と頷いてその袋を咥え、レックスの部屋に向かった。
部屋の前に着いてコンコン(レックス! 帰ったよー!)と入口のドアをノックした。
するとレックスがドアを開けて「あ、お帰りベアーズ。その咥えてる袋って······」と聞いてきたのでコク(うん。今回のお礼)と言いたげに頷いた。
「やっぱりそうか。ありがとう」とボクから袋を取り上げて部屋の中に入り、部屋の隅に置いてある大きな袋に入れた。
(ホントにどうするんだろう? あの中身······まっ、いっか)と思いながらボクは眠りについた。
こうして今回のアッシュとの頼み事は一段落した。
それから数日後、レックスが迎えに来るのをスペースの中で待っていたある日······。
気持ちよく眠っていたら、クンクン······ピクッ!(この匂い······)突然嗅ぎ慣れた匂いに釣られてボクは目覚めた。
そしてその匂いがした方を見てると1人の女性が近付いて来るのが分かり、その人物を見て(やっぱりメリッサだ!)と思った。
そのメリッサはスペース前に来ると優しい笑顔でボクを見つめた後に抱き上げ、そして優しくボクを抱き締めたのだった。
(えっ、何?)と思っていると「ベアーズ。アッシュの誕生日プレゼントを用意するための頼み事に付き合ってくれて、ありがとう」と言ってきた。
(ああ、あの事かぁ)と納得していると「こないだの私の誕生日にアッシュが指輪をプレゼントしてくれたのよ」(うん、知ってる)
「それでその指輪どうしたの? って聞いたらアッシュが説明してくれて、その時あなたも関わっているって教えてもらったのよ」(そうだったんだ)
そこまで話したところでメリッサはボクを地面に下ろし、「ホントにありがとね、ベアーズ。それじゃあ」と言ってメリッサはスペースから離れていった。
そんなメリッサを見つめながら(良かった、良かった)と思ったのだった······。
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