43 / 61
2年生での出来事
第43話 授業-ネズミ退治-
しおりを挟む
レックス達がまた学校に行きだしてから以前のようにボクがいろんな所の授業に誘われる事はほとんどなくなり、たまにレックスのクラス(と後はレックスのクラスが他のクラスと一緒に授業をする時)に誘われるぐらいだった。
今日もレックスのクラスから誘いを受け、「それじゃあ行こっか」コク(うん!)レックスに連れられてクラスのみんなが集まっている王都の中にある広場へ向かった。
広場に近付いたところで「バーミリアン先生、お待たせしましたー」「おぉ来たか」レックスがバーミリアンのおっちゃんに声をかけてバーミリアンのおっちゃんもそれに答えた。
「では本日の授業内容を説明する」とバーミリアンのおっちゃんは話し出した。
今日はこの王都内で最近あちこちに大量出没している"ドブネズミ"って魔物を退治するのが目的みたい。
それでレックス達は4人でチームを作ってバーミリアンのおっちゃんが指定した場所にそれぞれ別れてドブネズミを捜索し、見つけ次第退治することとなった。
早速レックス達もチームが作られ、全てのチームを作り終えたところで解散となり、すぐさまレックスがボクにドブネズミの匂いを嗅がさせ、偶然ドブネズミの匂いらしきものを嗅ぎ付けてその後を追い、レックス達もそれに続いた。
ちなみにレックスと同じチームになったのは、エルフ(族)のロースと海人(族)のマールって女の子と、亜人(族)のアイラって女の子みたい。
そうしてさっき嗅ぎ付けたドブネズミの匂いを辿ったら、やっぱり路地裏にそこそこの数のドブネズミ達がいた。
すぐさまレックス達が協力してソイツらを倒し、倒したあと何体かが落とした尻尾を拾ってレックス達は喜び合い、再びボクにドブネズミの匂いを嗅がさせたのだった。
その後もドブネズミ達の匂いを追って別の路地裏や建物などの裏の辺りが暗くなっているところ、さらには王都の街の下を流れている下水道って所に行けるところから向かい、それぞれの所にいたドブネズミ達をレックス達は倒していったのだった。
暫くしてレックス達が指定された場所にいたドブネズミ達は、みんなレックス達によって倒された。
「取り敢えずはもう十分か」「そうだね、一通り見て回ったし」「そうね。尻尾も結構集められたしね」「うん。そうね」とレックス達はそう言い合ってドブネズミ達の捜索を終えようとしていた。けれど······。
(何でみんなもう終わろうとしてるんだろう? まだ匂いが"漂ってる"のに)とボクはそう心で思いながらレックス達の会話を聞いていた。
そう、ベアーズは未だにある所からドブネズミ達の匂いが漂ってきている事に気づいていたのだった······。
そのため(だったら······)ボクは自分だけでその匂いを追い出した。
すると後ろの方から「レックス、ベアーズがどこかに向かおうとしているよ」とロースの声が聞こえ、「えっ? あ、おいベアーズ! どこ行くんだ!」とレックスの叫び声が聞こえたけど······無視して匂いを追った。
そうしたらどうやらレックス達もボクの後を付いてきたみたいで暫く歩き続けたら、ある建物の前で止まった。さっきからの匂いはどうやらこの中から匂ってきていたみたいだ。
それを知らせるようにボクが後ろを振り返ると、「もしかして、この中にドブネズミ達がいるのか?」とレックスが尋ねてきたのでコク(うん。きっとそう)と頷いた。
ボクの様子を見てまずレックスが1人で入口の扉をゆっくりと少しだけ開けた。そして······すぐさま閉じた(何で?)。
そうして皆の所に戻って来て中が大量のドブネズミ達で溢れ返っている事を告げた。
その事を聞いてみんな変な顔つきになったけど、「見ちゃったからには退治しないと」と言うレックスの言葉に賛同し、レックス達はその建物の前に向かい、「じゃあ行くよ。1、2の······さんっ!」ガラッ! ガチャッ! と素早く扉を開けて閉めた。
その直後「「うわぁーー!!」」「「キャーーッ!!」」ズバッ! ズバッ! ヒュッ! ヒュッ! バチン! ドーン! とレックス達の叫び声が聞こえたかと思ったら、武器で何かを攻撃している音が聞こえ出した。(ど、どうなってるんだろう?)
暫くその状態が続いたら、「あれ? ベアーズ?」(あっ)後方から元々この辺りを指定されていたチームがやって来た。
「どうしたんだこんなところに1匹で。レックス達は?」と聞かれたので目の前の建物に目をやった。
そんなボクの様子を見て「ひょっとして、あの中でドブネズミ達を相手にしてるのか?」と聞いてきたので、コク(うん、そう)と頷いた。
それを聞いてそのチームは建物に向かい、中にいるレックス達に呼び掛けた。
「レックス、大丈夫か?」「悪い、手伝ってくれ。但し、扉を開けたらすぐ中に入って閉めるんだ!」「わ、分かった」そう言ってそのチームは全員で扉を素早く開けて中に入り、すぐに閉め、「「うわぁーーーっ!!」」再び叫び声が聞こえたのだった(ホント、どうなってるんだろう······)。
暫く経って扉が開かれ、「お待たせ、ベアーズ」(っ!?)ボクは声も出ないほどビックリしてしまった。それだけレックス達の姿はとんでもない状態となっていた······。
何はともあれ中にいたドブネズミ達はみんな倒したみたいで、手に入れた尻尾を分け合って集合場所の広場に向かった。
ボク達が着いて少ししたら全員が集まったみたいで、バーミリアンのおっちゃんからレックス達が最も尻尾を多く集めてきたと発表され、レックス達は他の人達から誉められたのだった。
その日の夜。レックスが夕ごはんを食べに行っている間ひとりで部屋で眠っていたら、「······チュウ······」(ん?)微かにネズミの鳴き声が聞こえてきた。
「今の?」部屋の中を見渡したら······ひょこっ「チュウ」1匹のネズミが姿を現した。
(やっぱりネズミだ)そう思ったボクは警戒心を解いてもらおうとそのネズミにゆっくりと近付いた。
そうしてそのネズミの目の前に辿り着き、ネズミもボクの事を恐れることなく「チュウ?」と首を傾げた。
そんな様子のネズミをボクは······グシャッ! とそのネズミを足で押し潰して殺したのだった······。
その直後、「お待たせベアーズ。ご飯だよー」レックスが戻ってきた。
(あっ、帰って来た)そうしてボクは今殺したネズミの死骸を咥えてレックスの所に向かった。
そして(レックスー! 見て見てー)と言わんばかりに咥えているネズミの死骸をレックスに見せつけた(ネズミ倒したよー)。
するとレックスは「······ベアーズ」(何々?)「もう、ネズミはいいんだけど······」と呟くようにボクに言ってきた。
それを聞いて(······えっ······)と思いつつ咥えていたネズミの死骸をその場に落とし、「······」「······」それからボクもレックスも暫くその場で佇んだのだった······。
今日もレックスのクラスから誘いを受け、「それじゃあ行こっか」コク(うん!)レックスに連れられてクラスのみんなが集まっている王都の中にある広場へ向かった。
広場に近付いたところで「バーミリアン先生、お待たせしましたー」「おぉ来たか」レックスがバーミリアンのおっちゃんに声をかけてバーミリアンのおっちゃんもそれに答えた。
「では本日の授業内容を説明する」とバーミリアンのおっちゃんは話し出した。
今日はこの王都内で最近あちこちに大量出没している"ドブネズミ"って魔物を退治するのが目的みたい。
それでレックス達は4人でチームを作ってバーミリアンのおっちゃんが指定した場所にそれぞれ別れてドブネズミを捜索し、見つけ次第退治することとなった。
早速レックス達もチームが作られ、全てのチームを作り終えたところで解散となり、すぐさまレックスがボクにドブネズミの匂いを嗅がさせ、偶然ドブネズミの匂いらしきものを嗅ぎ付けてその後を追い、レックス達もそれに続いた。
ちなみにレックスと同じチームになったのは、エルフ(族)のロースと海人(族)のマールって女の子と、亜人(族)のアイラって女の子みたい。
そうしてさっき嗅ぎ付けたドブネズミの匂いを辿ったら、やっぱり路地裏にそこそこの数のドブネズミ達がいた。
すぐさまレックス達が協力してソイツらを倒し、倒したあと何体かが落とした尻尾を拾ってレックス達は喜び合い、再びボクにドブネズミの匂いを嗅がさせたのだった。
その後もドブネズミ達の匂いを追って別の路地裏や建物などの裏の辺りが暗くなっているところ、さらには王都の街の下を流れている下水道って所に行けるところから向かい、それぞれの所にいたドブネズミ達をレックス達は倒していったのだった。
暫くしてレックス達が指定された場所にいたドブネズミ達は、みんなレックス達によって倒された。
「取り敢えずはもう十分か」「そうだね、一通り見て回ったし」「そうね。尻尾も結構集められたしね」「うん。そうね」とレックス達はそう言い合ってドブネズミ達の捜索を終えようとしていた。けれど······。
(何でみんなもう終わろうとしてるんだろう? まだ匂いが"漂ってる"のに)とボクはそう心で思いながらレックス達の会話を聞いていた。
そう、ベアーズは未だにある所からドブネズミ達の匂いが漂ってきている事に気づいていたのだった······。
そのため(だったら······)ボクは自分だけでその匂いを追い出した。
すると後ろの方から「レックス、ベアーズがどこかに向かおうとしているよ」とロースの声が聞こえ、「えっ? あ、おいベアーズ! どこ行くんだ!」とレックスの叫び声が聞こえたけど······無視して匂いを追った。
そうしたらどうやらレックス達もボクの後を付いてきたみたいで暫く歩き続けたら、ある建物の前で止まった。さっきからの匂いはどうやらこの中から匂ってきていたみたいだ。
それを知らせるようにボクが後ろを振り返ると、「もしかして、この中にドブネズミ達がいるのか?」とレックスが尋ねてきたのでコク(うん。きっとそう)と頷いた。
ボクの様子を見てまずレックスが1人で入口の扉をゆっくりと少しだけ開けた。そして······すぐさま閉じた(何で?)。
そうして皆の所に戻って来て中が大量のドブネズミ達で溢れ返っている事を告げた。
その事を聞いてみんな変な顔つきになったけど、「見ちゃったからには退治しないと」と言うレックスの言葉に賛同し、レックス達はその建物の前に向かい、「じゃあ行くよ。1、2の······さんっ!」ガラッ! ガチャッ! と素早く扉を開けて閉めた。
その直後「「うわぁーー!!」」「「キャーーッ!!」」ズバッ! ズバッ! ヒュッ! ヒュッ! バチン! ドーン! とレックス達の叫び声が聞こえたかと思ったら、武器で何かを攻撃している音が聞こえ出した。(ど、どうなってるんだろう?)
暫くその状態が続いたら、「あれ? ベアーズ?」(あっ)後方から元々この辺りを指定されていたチームがやって来た。
「どうしたんだこんなところに1匹で。レックス達は?」と聞かれたので目の前の建物に目をやった。
そんなボクの様子を見て「ひょっとして、あの中でドブネズミ達を相手にしてるのか?」と聞いてきたので、コク(うん、そう)と頷いた。
それを聞いてそのチームは建物に向かい、中にいるレックス達に呼び掛けた。
「レックス、大丈夫か?」「悪い、手伝ってくれ。但し、扉を開けたらすぐ中に入って閉めるんだ!」「わ、分かった」そう言ってそのチームは全員で扉を素早く開けて中に入り、すぐに閉め、「「うわぁーーーっ!!」」再び叫び声が聞こえたのだった(ホント、どうなってるんだろう······)。
暫く経って扉が開かれ、「お待たせ、ベアーズ」(っ!?)ボクは声も出ないほどビックリしてしまった。それだけレックス達の姿はとんでもない状態となっていた······。
何はともあれ中にいたドブネズミ達はみんな倒したみたいで、手に入れた尻尾を分け合って集合場所の広場に向かった。
ボク達が着いて少ししたら全員が集まったみたいで、バーミリアンのおっちゃんからレックス達が最も尻尾を多く集めてきたと発表され、レックス達は他の人達から誉められたのだった。
その日の夜。レックスが夕ごはんを食べに行っている間ひとりで部屋で眠っていたら、「······チュウ······」(ん?)微かにネズミの鳴き声が聞こえてきた。
「今の?」部屋の中を見渡したら······ひょこっ「チュウ」1匹のネズミが姿を現した。
(やっぱりネズミだ)そう思ったボクは警戒心を解いてもらおうとそのネズミにゆっくりと近付いた。
そうしてそのネズミの目の前に辿り着き、ネズミもボクの事を恐れることなく「チュウ?」と首を傾げた。
そんな様子のネズミをボクは······グシャッ! とそのネズミを足で押し潰して殺したのだった······。
その直後、「お待たせベアーズ。ご飯だよー」レックスが戻ってきた。
(あっ、帰って来た)そうしてボクは今殺したネズミの死骸を咥えてレックスの所に向かった。
そして(レックスー! 見て見てー)と言わんばかりに咥えているネズミの死骸をレックスに見せつけた(ネズミ倒したよー)。
するとレックスは「······ベアーズ」(何々?)「もう、ネズミはいいんだけど······」と呟くようにボクに言ってきた。
それを聞いて(······えっ······)と思いつつ咥えていたネズミの死骸をその場に落とし、「······」「······」それからボクもレックスも暫くその場で佇んだのだった······。
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説

なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
白い結婚三年目。つまり離縁できるまで、あと七日ですわ旦那様。
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
異世界に転生したフランカは公爵夫人として暮らしてきたが、前世から叶えたい夢があった。パティシエールになる。その夢を叶えようと夫である王国財務総括大臣ドミニクに相談するも答えはノー。夫婦らしい交流も、信頼もない中、三年の月日が近づき──フランカは賭に出る。白い結婚三年目で離縁できる条件を満たしていると迫り、夢を叶えられないのなら離縁すると宣言。そこから公爵家一同でフランカに考え直すように動き、ドミニクと話し合いの機会を得るのだがこの夫、山のように隠し事はあった。
無言で睨む夫だが、心の中は──。
【詰んだああああああああああ! もうチェックメイトじゃないか!? 情状酌量の余地はないと!? ああ、どうにかして侍女の準備を阻まなければ! いやそれでは根本的な解決にならない! だいたいなぜ後妻? そんな者はいないのに……。ど、どどどどどうしよう。いなくなるって聞いただけで悲しい。死にたい……うう】
4万文字ぐらいの中編になります。
※小説なろう、エブリスタに記載してます
君は妾の子だから、次男がちょうどいい
月山 歩
恋愛
侯爵家のマリアは婚約中だが、彼は王都に住み、彼女は片田舎で遠いため会ったことはなかった。でもある時、マリアは妾の子であると知られる。そんな娘は大事な子息とは結婚させられないと、病気療養中の次男との婚約に一方的に変えさせられる。そして次の日には、迎えの馬車がやって来た。


異世界に転生したもののトカゲでしたが、進化の実を食べて魔王になりました。
トモモト ヨシユキ
ファンタジー
異世界に転生したのだけれど手違いでトカゲになっていた!しかし、女神に与えられた進化の実を食べて竜人になりました。
エブリスタと小説家になろうにも掲載しています。
紀尾井坂ノスタルジック
涼寺みすゞ
恋愛
士農工商の身分制度は、御一新により変化した。
元公家出身の堂上華族、大名家の大名華族、勲功から身分を得た新華族。
明治25年4月、英国視察を終えた官の一行が帰国した。その中には1年前、初恋を成就させる為に宮家との縁談を断った子爵家の従五位、田中光留がいた。
日本に帰ったら1番に、あの方に逢いに行くと断言していた光留の耳に入ってきた噂は、恋い焦がれた尾井坂男爵家の晃子の婚約が整ったというものだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる