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学校での出来事
第34話 バレた
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レックスがジュギョウに行き(今日はどうしようかなぁ?)と考えてたら、向こうの方からスペースに近付いてくる人影が見えた。(誰だろ?)と思っていたら、(あっ)それは昨日覗いた部屋にいたヒトだと分かった。
そしてそのヒトはスペースの前に着くやスペースを囲っている柵を色々調べだした。
(何してるんだろう?)と思いながら見ていたら「特にどこかが抜けてたり脆くなっている訳ではないか」と呟いた。
(何の事だろう?)と思っていたらそのヒトが「昨日はここからどうやって抜け出したんだ?」と聞いてきた。
(えっ? な、何の事?)と言わんばかりに首を傾げたが、そのヒトは鋭い目つきでボクを睨むようにずっと見続けていた。
その様子を見て(バレてる)と悟り、(······レックス、ごめんなさい)と心の中でレックスに謝りつつ、抜け出した方法を披露した。
スタッ! さすがにその行動を見たそのヒトはとても驚き、暫く何も言わなくなった。
少ししてから「そうやって抜け出したのか。で、戻る時はどうしたんだ?」と聞かれたので、こちらも昨日と同じ方法を披露した。
「なるほどな」そう呟いた後、「全くとんでもないジャンプ力だな、お前は」と言ってきた。
しかしボクの中では(もうこれでレックス達とここに来られなくなっちゃった)という思いでいっぱいいっぱいだった。
ところが······。
「はぁ、それにしてもお前はレックス君にとんでもない提案をしたもんだなぁ、ハウル!」(えっ?)そのヒトが振り向いた方をボクも見たら、「あっ!」何とそこにはハウルのおっちゃんが立っていた。
「仕方なかろう。儂もあの時はこ奴がこんな行動をするとは思わなかったのじゃからのぉ」「全くお前という奴は」
「じゃが、まだこれと言ってここに何か被害を与えたわけではあるまい」「まぁ、そうだが」
「それどころか洞窟にあった誰も見つけておらんかった魔法の木の実が生えておった場所を見つけたんじゃろう?」「うっ。そ、それは······」「じゃったら、どうした方がこの学校にも得となるかは言わずもがなじゃろうが」
「ま、まぁ······なぁ」「なら、決まりじゃな」(え? え?)そこまでただじっと黙って聞いていたが、全く意味が分からず頭の中が混乱していた。
そんなボクにハウルのおっちゃんが「ベアーズよ。これからも他の動物や植物、また特にあちこちに実っている食べ物などには絶対手出ししないと約束できるか?」と聞いてきたので、すぐにコクコク(もちろんもちろん)と言いたげに何度も頷いた。
「それならば、流石に毎日はならんが数日間を空ければスペースを抜け出しても構わぬそうじゃぞ」「えっ······ほ、本当!? ホントに良いの?」「ああ。この学校で一番偉い校長が認めたんじゃからのぉ」と近くにいたコウチョウってヒトを覗いた。
そのコウチョウってヒトは仕方ないと言わんばかりの仕草を見せた。それを見てようやくボクも「や、やったぁーーーっ!!」と大喜びし、スペース内をピョンピョンと跳び跳ねたのだった。
「全く。昨日突然お前が私の前に現れた時は驚いたが、このためだったとはな」「ハッハッハ。なに、儂も神からこういう事になるだろうからこ奴のフォローをしてやるようにと仰せつかったまでじゃよ」「そうかよ」とハウルとジルコニー校長が話していたが、当のベアーズには全く聞こえてはいなかったのだった······(わーい!!)。
そしてそのヒトはスペースの前に着くやスペースを囲っている柵を色々調べだした。
(何してるんだろう?)と思いながら見ていたら「特にどこかが抜けてたり脆くなっている訳ではないか」と呟いた。
(何の事だろう?)と思っていたらそのヒトが「昨日はここからどうやって抜け出したんだ?」と聞いてきた。
(えっ? な、何の事?)と言わんばかりに首を傾げたが、そのヒトは鋭い目つきでボクを睨むようにずっと見続けていた。
その様子を見て(バレてる)と悟り、(······レックス、ごめんなさい)と心の中でレックスに謝りつつ、抜け出した方法を披露した。
スタッ! さすがにその行動を見たそのヒトはとても驚き、暫く何も言わなくなった。
少ししてから「そうやって抜け出したのか。で、戻る時はどうしたんだ?」と聞かれたので、こちらも昨日と同じ方法を披露した。
「なるほどな」そう呟いた後、「全くとんでもないジャンプ力だな、お前は」と言ってきた。
しかしボクの中では(もうこれでレックス達とここに来られなくなっちゃった)という思いでいっぱいいっぱいだった。
ところが······。
「はぁ、それにしてもお前はレックス君にとんでもない提案をしたもんだなぁ、ハウル!」(えっ?)そのヒトが振り向いた方をボクも見たら、「あっ!」何とそこにはハウルのおっちゃんが立っていた。
「仕方なかろう。儂もあの時はこ奴がこんな行動をするとは思わなかったのじゃからのぉ」「全くお前という奴は」
「じゃが、まだこれと言ってここに何か被害を与えたわけではあるまい」「まぁ、そうだが」
「それどころか洞窟にあった誰も見つけておらんかった魔法の木の実が生えておった場所を見つけたんじゃろう?」「うっ。そ、それは······」「じゃったら、どうした方がこの学校にも得となるかは言わずもがなじゃろうが」
「ま、まぁ······なぁ」「なら、決まりじゃな」(え? え?)そこまでただじっと黙って聞いていたが、全く意味が分からず頭の中が混乱していた。
そんなボクにハウルのおっちゃんが「ベアーズよ。これからも他の動物や植物、また特にあちこちに実っている食べ物などには絶対手出ししないと約束できるか?」と聞いてきたので、すぐにコクコク(もちろんもちろん)と言いたげに何度も頷いた。
「それならば、流石に毎日はならんが数日間を空ければスペースを抜け出しても構わぬそうじゃぞ」「えっ······ほ、本当!? ホントに良いの?」「ああ。この学校で一番偉い校長が認めたんじゃからのぉ」と近くにいたコウチョウってヒトを覗いた。
そのコウチョウってヒトは仕方ないと言わんばかりの仕草を見せた。それを見てようやくボクも「や、やったぁーーーっ!!」と大喜びし、スペース内をピョンピョンと跳び跳ねたのだった。
「全く。昨日突然お前が私の前に現れた時は驚いたが、このためだったとはな」「ハッハッハ。なに、儂も神からこういう事になるだろうからこ奴のフォローをしてやるようにと仰せつかったまでじゃよ」「そうかよ」とハウルとジルコニー校長が話していたが、当のベアーズには全く聞こえてはいなかったのだった······(わーい!!)。
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