18 / 61
森での出来事
第18話 学校へ
しおりを挟む
「レックスー!」ガシッ!「えっ!?」「あっ」「ん?」ボクが突然レックスの背中に飛び付いたことにレックス自身は驚きの声をあげ、父ちゃんやハウルってヒトは驚いた顔をしていた。
「お、おいベアーズ! 離れろよ」レックスがボクを振り落とそうとしてきたが、(絶対ヤダ!)レックスから離れまいと必死にしがみついた。
「ベアー、何とかしてくれよ」(父ちゃん)レックスは父ちゃんに助けを求めたが、「······」父ちゃんは動く気配がなかった。
「無視かよ!!」とレックスが叫んだがやっぱり動く気配がなかった。どうしてもボクが離れなくてレックスが困っているとハウルってヒトが「そのまま連れて行けば良いのではないか?」(えっ?)と言った。
「つ、連れて行くって学校に? イヤイヤイヤ、無理でしょ!」(えっ?)「案外何とかなるかもしれんぞ。のぉベアーよ」(と、父ちゃん?)と言われたら、何と父ちゃんは小さく首を縦に振った。
「と、父ちゃん!?」「どうせダメだと言っても付いて行こうとするだろうからな。仕方があるまい」「あ、ありがとう! 父ちゃん!」「ああ」
そうボクらが会話をしている間もレックスとハウルってヒトが色々言い合っていたみたいだけど、結局「ほれ、行くぞ」ハウルってヒトがレックスの体に触れ、反対の手で持っていた何かで地面を突いたら······やっぱり周りの景色が見たこと無い景色となった。
暫くレックスがその場で立ち尽くしているうちに「ではなレックス。後はお主で何とかするんじゃな」と言い残してハウルってヒトはいなくなった。
残ったレックスは「はぁ、仕方ない。とりあえずバーミリアン先生に報告しに行こう」(うん!)ボクを背中にしがみつかせたまま、どこかへ歩き出した。
そして建物の中に入ってまた少し歩いたところで、「バーミリアン先生!」「おぉレックス。もしや?」「はい。デザートフラワーのクエスト終わりました!」「おぉご苦労だったなぁ。ヨシ! 実技の試験は合格だ! 後はこっちで処理するから、教科の勉強を頑張るんだな」「はい! 失礼します」と言って後ろを向いた。
その直後、「ん!? おいっ! ちょっと待てレックス!!」(ん?)バーミリアンってヒトが大声でレックスを呼び止めた。
レックスが後ろを振り返り「な、何でしょう?」と言うと「何でしょうじゃないだろ! その背中のクマは何だ!?」(ボク?)と聞いてきた。
「えーっと、ですねぇ。コイツは僕の村がある森に住んでいる子グマでベアーズと呼んでいまして、今回の試験で力を貸してもらったのですが、終わって森で放そうとしたら背中に引っ付いて離れなくなりまして」(だって離れたくないんだもん!)
「それで?」「それで一緒にいたハウル様が『そのまま連れて行けば良いのではないか?』と仰りまして」「ハ、ハウル殿がそう言ったのか?」「やっぱり無理ですよねぇ? 学校で過ごさせるなんて」(そんなぁ。レックス)
レックスがそう言ったら、「······いや、待て」「えっ?」(え?)バーミリアンってヒトがそう言った後しばらく静かになり、その後「しばらく待っていろ」と言ってそのヒトは出て行った。
「な、何だ?」(どうしたんだろう?)と思いながらそこで待っていた。
暫くして、「レックス。一緒に来てくれ」「は、はい」(ん?)さっきのヒトにそう言われてレックスも移動しだした。
「あの、先生。どちらに?」「実はな、あの後ジルコニー校長に報告したらな······」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「校長、バーミリアンです。よろしいでしょうか?」
「入りたまえ」
「失礼します。校長、レックスが例のクエストを完了させて戻ってきました」
「もう終わらせたのか。やはり彼に任せて正解だったようだな」
「はい。ですが、その際に力を借りた子グマを連れて戻って来まして」
「こ、子グマを?」
「しかも、どうやらハウル殿がその子グマを学校に連れて行けば良いのではないかと仰ったみたいでして」
「ハウルがか?」
「はい。······如何致しましょう?」
「うーむ。奴がそう言ったのなら······受け入れるしかあるまい」
「では?」
「ああ······」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「という流れになってな。許可して下さったのだ」「······うそ?」(······え?)「それで、お前が学校にいる間だがな······」「は、はい」そう言った後はしばらくレックスもバーミリアンてヒトも何も言わなくなり、かなり歩いたところで······2人は立ち止まった。
「ここは?」「学校の敷地内の北端に当たる場所だ。見ての通り辺り一面原っぱ何だが、今日のうちにこの辺りへ柵を立ててコイツが過ごせれるスペースを設けておくから、明日からはお前が学校にいる間はここに放すようにすれば構わないと仰ったのだ」
「じゃあ、本当に良いんですか? 学校で過ごさせて」「ああ。基本は学校内と寄宿舎のお前の部屋の中だけで過ごさせるのならな。今寄宿舎の管理人には校長が話をつけて下さっている」「あ、ありがとうございます!」(や、やったぁー!)というわけで、何とボクもここ(学校)で暮らせるようになったのだった。
「とりあえず今後の色々な約束事は明日説明するとして、今日はこのままお前の部屋に連れて行って部屋から出さないようにな」「はい!」「あと、明日ここの柵が出来てコイツを放せるようになっても、他の生徒には内緒にしておくようにな」
「はい。あ······あの、バーミリアン先生?」「ん、何だ?」「出来ればサポート科のアリスと、2年生のアッシュ······先輩の2人にはコイツの事を話しておきたいのですが? 2人もコイツの事は知っていますので」(うんうん)「んー、まぁその2人だけなら構わんだろう」「ありがとうございます!」(やったぁ!)「うん。それじゃあな」とバーミリアンてヒトはいなくなった。
「本当に良かったなぁ、ベアーズ。学校で過ごせれるようになって」ボクと顔を見合わせてレックスが言ってきたので、ボクも満面の笑みを浮かべて(うん!)大きく頷いたのだった。
こうして、その日からボクの新しい生活が始まるのであった······。
「お、おいベアーズ! 離れろよ」レックスがボクを振り落とそうとしてきたが、(絶対ヤダ!)レックスから離れまいと必死にしがみついた。
「ベアー、何とかしてくれよ」(父ちゃん)レックスは父ちゃんに助けを求めたが、「······」父ちゃんは動く気配がなかった。
「無視かよ!!」とレックスが叫んだがやっぱり動く気配がなかった。どうしてもボクが離れなくてレックスが困っているとハウルってヒトが「そのまま連れて行けば良いのではないか?」(えっ?)と言った。
「つ、連れて行くって学校に? イヤイヤイヤ、無理でしょ!」(えっ?)「案外何とかなるかもしれんぞ。のぉベアーよ」(と、父ちゃん?)と言われたら、何と父ちゃんは小さく首を縦に振った。
「と、父ちゃん!?」「どうせダメだと言っても付いて行こうとするだろうからな。仕方があるまい」「あ、ありがとう! 父ちゃん!」「ああ」
そうボクらが会話をしている間もレックスとハウルってヒトが色々言い合っていたみたいだけど、結局「ほれ、行くぞ」ハウルってヒトがレックスの体に触れ、反対の手で持っていた何かで地面を突いたら······やっぱり周りの景色が見たこと無い景色となった。
暫くレックスがその場で立ち尽くしているうちに「ではなレックス。後はお主で何とかするんじゃな」と言い残してハウルってヒトはいなくなった。
残ったレックスは「はぁ、仕方ない。とりあえずバーミリアン先生に報告しに行こう」(うん!)ボクを背中にしがみつかせたまま、どこかへ歩き出した。
そして建物の中に入ってまた少し歩いたところで、「バーミリアン先生!」「おぉレックス。もしや?」「はい。デザートフラワーのクエスト終わりました!」「おぉご苦労だったなぁ。ヨシ! 実技の試験は合格だ! 後はこっちで処理するから、教科の勉強を頑張るんだな」「はい! 失礼します」と言って後ろを向いた。
その直後、「ん!? おいっ! ちょっと待てレックス!!」(ん?)バーミリアンってヒトが大声でレックスを呼び止めた。
レックスが後ろを振り返り「な、何でしょう?」と言うと「何でしょうじゃないだろ! その背中のクマは何だ!?」(ボク?)と聞いてきた。
「えーっと、ですねぇ。コイツは僕の村がある森に住んでいる子グマでベアーズと呼んでいまして、今回の試験で力を貸してもらったのですが、終わって森で放そうとしたら背中に引っ付いて離れなくなりまして」(だって離れたくないんだもん!)
「それで?」「それで一緒にいたハウル様が『そのまま連れて行けば良いのではないか?』と仰りまして」「ハ、ハウル殿がそう言ったのか?」「やっぱり無理ですよねぇ? 学校で過ごさせるなんて」(そんなぁ。レックス)
レックスがそう言ったら、「······いや、待て」「えっ?」(え?)バーミリアンってヒトがそう言った後しばらく静かになり、その後「しばらく待っていろ」と言ってそのヒトは出て行った。
「な、何だ?」(どうしたんだろう?)と思いながらそこで待っていた。
暫くして、「レックス。一緒に来てくれ」「は、はい」(ん?)さっきのヒトにそう言われてレックスも移動しだした。
「あの、先生。どちらに?」「実はな、あの後ジルコニー校長に報告したらな······」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「校長、バーミリアンです。よろしいでしょうか?」
「入りたまえ」
「失礼します。校長、レックスが例のクエストを完了させて戻ってきました」
「もう終わらせたのか。やはり彼に任せて正解だったようだな」
「はい。ですが、その際に力を借りた子グマを連れて戻って来まして」
「こ、子グマを?」
「しかも、どうやらハウル殿がその子グマを学校に連れて行けば良いのではないかと仰ったみたいでして」
「ハウルがか?」
「はい。······如何致しましょう?」
「うーむ。奴がそう言ったのなら······受け入れるしかあるまい」
「では?」
「ああ······」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「という流れになってな。許可して下さったのだ」「······うそ?」(······え?)「それで、お前が学校にいる間だがな······」「は、はい」そう言った後はしばらくレックスもバーミリアンてヒトも何も言わなくなり、かなり歩いたところで······2人は立ち止まった。
「ここは?」「学校の敷地内の北端に当たる場所だ。見ての通り辺り一面原っぱ何だが、今日のうちにこの辺りへ柵を立ててコイツが過ごせれるスペースを設けておくから、明日からはお前が学校にいる間はここに放すようにすれば構わないと仰ったのだ」
「じゃあ、本当に良いんですか? 学校で過ごさせて」「ああ。基本は学校内と寄宿舎のお前の部屋の中だけで過ごさせるのならな。今寄宿舎の管理人には校長が話をつけて下さっている」「あ、ありがとうございます!」(や、やったぁー!)というわけで、何とボクもここ(学校)で暮らせるようになったのだった。
「とりあえず今後の色々な約束事は明日説明するとして、今日はこのままお前の部屋に連れて行って部屋から出さないようにな」「はい!」「あと、明日ここの柵が出来てコイツを放せるようになっても、他の生徒には内緒にしておくようにな」
「はい。あ······あの、バーミリアン先生?」「ん、何だ?」「出来ればサポート科のアリスと、2年生のアッシュ······先輩の2人にはコイツの事を話しておきたいのですが? 2人もコイツの事は知っていますので」(うんうん)「んー、まぁその2人だけなら構わんだろう」「ありがとうございます!」(やったぁ!)「うん。それじゃあな」とバーミリアンてヒトはいなくなった。
「本当に良かったなぁ、ベアーズ。学校で過ごせれるようになって」ボクと顔を見合わせてレックスが言ってきたので、ボクも満面の笑みを浮かべて(うん!)大きく頷いたのだった。
こうして、その日からボクの新しい生活が始まるのであった······。
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
【完結】婚約破棄されたので、引き継ぎをいたしましょうか?
碧桜 汐香
恋愛
第一王子に婚約破棄された公爵令嬢は、事前に引き継ぎの準備を進めていた。
まっすぐ領地に帰るために、その場で引き継ぎを始めることに。
様々な調査結果を暴露され、婚約破棄に関わった人たちは阿鼻叫喚へ。
第二王子?いりませんわ。
第一王子?もっといりませんわ。
第一王子を慕っていたのに婚約破棄された少女を演じる、彼女の本音は?
彼女の存在意義とは?
別サイト様にも掲載しております
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。
ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。
剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。
しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。
休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう…
そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。
ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。
その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。
それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく……
※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。
ホットランキング最高位2位でした。
カクヨムにも別シナリオで掲載。
【本編完結済み/後日譚連載中】巻き込まれた事なかれ主義のパシリくんは争いを避けて生きていく ~生産系加護で今度こそ楽しく生きるのさ~
みやま たつむ
ファンタジー
【本編完結しました(812話)/後日譚を書くために連載中にしています。ご承知おきください】
事故死したところを別の世界に連れてかれた陽キャグループと、巻き込まれて事故死した事なかれ主義の静人。
神様から強力な加護をもらって魔物をちぎっては投げ~、ちぎっては投げ~―――なんて事をせずに、勢いで作ってしまったホムンクルスにお店を開かせて面倒な事を押し付けて自由に生きる事にした。
作った魔道具はどんな使われ方をしているのか知らないまま「のんびり気ままに好きなように生きるんだ」と魔物なんてほっといて好き勝手生きていきたい静人の物語。
「まあ、そんな平穏な生活は転移した時点で無理じゃけどな」と最高神は思うのだが―――。
※「小説家になろう」と「カクヨム」で同時掲載しております。
〈本編完結〉ふざけんな!と最後まで読まずに投げ捨てた小説の世界に転生してしまった〜旦那様、あなたは私の夫ではありません
詩海猫
ファンタジー
こちらはリハビリ兼ねた思いつき短編として出来るだけ端折って早々に完結予定でしたが、予想外に多くの方に読んでいただき、書いてるうちにエピソードも増えてしまった為長編に変更致しましたm(_ _)m
ヒロ回だけだと煮詰まってしまう事もあるので、気軽に突っ込みつつ楽しんでいただけたら嬉しいです💦
*主人公視点完結致しました。
*他者視点準備中です。
*思いがけず沢山の感想をいただき、返信が滞っております。随時させていただく予定ですが、返信のしようがないコメント/ご指摘等にはお礼のみとさせていただきます。
*・゜゚・*:.。..。.:*・*:.。. .。.:*・゜゚・*
顔をあげると、目の前にラピスラズリの髪の色と瞳をした白人男性がいた。
周囲を見まわせばここは教会のようで、大勢の人間がこちらに注目している。
見たくなかったけど自分の手にはブーケがあるし、着ているものはウエディングドレスっぽい。
脳内??が多過ぎて固まって動かない私に美形が語りかける。
「マリーローズ?」
そう呼ばれた途端、一気に脳内に情報が拡散した。
目の前の男は王女の護衛騎士、基本既婚者でまとめられている護衛騎士に、なぜ彼が入っていたかと言うと以前王女が誘拐された時、救出したのが彼だったから。
だが、外国の王族との縁談の話が上がった時に独身のしかも若い騎士がついているのはまずいと言う話になり、王命で婚約者となったのが伯爵家のマリーローズである___思い出した。
日本で私は社畜だった。
暗黒な日々の中、私の唯一の楽しみだったのは、ロマンス小説。
あらかた読み尽くしたところで、友達から勧められたのがこの『ロゼの幸福』。
「ふざけんな___!!!」
と最後まで読むことなく投げ出した、私が前世の人生最後に読んだ小説の中に、私は転生してしまった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる