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森での出来事
第15話 アッシュとアリスが帰って来た!
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その日もボクだけでいつものように森の中で遊んでいた。
すると、ピクッ(あれ? この、匂いって······まさか!?)そう思って匂いを感じた前方を見たら、前から2つのヒト影がうっすらと見えた。
その影をよーく見続け、その影の正体が分かるや「ガアー!(ア、アッシュー! アリスー!)」と叫びながら駆け寄った。
2人もボクの事に気付いて「おっ、ベアーズ!」「久しぶりー!」と声を掛けてきた。
「ガアー!(アッシューーー!)」と叫びながらボクはアッシュの胸に思い切り飛び込んだ。
「うわぁ!」さすがに受け止めきれずにアッシュは後ろに倒れてしまった。「お兄ちゃん!」その様子を見てアリスもビックリして叫んだ。
(おかえり、おかえり)そんな倒れたアッシュの体の上に乗ったまま、ボクは小刻みに体を揺らしながら2人に再会出来たことを喜んだ。
それからアッシュはボクの体を掴んで自分の体を起こし、「ったくお前は」(えへへ)「ホントに相変わらず元気ね」(まぁね)とそれぞれ声を掛けてきた。
「まっ、それはともかく」(ん?)2人は目を見合わせて「「ただいま、ベアーズ」」と言ってきたので、「ガアー!(おかえり!)」と叫んだ。
そしてその後「それからベアーズ」(ん?)「すまんな。今回レックスと一緒に帰って来れなくて」コクコク(良いよ。もうじき会えるって分かっているから)
「あんなにも3人でって約束したのに。本当にごめんね」コクコクコクコク(だから別に良いってばぁ)と反応を示していると「なぁベアーズ」(ん?)「レックスが帰って来ないこと、気にしてないのか?」とアッシュから聞かれた時には少し考え、それからコク(うん!)と反応を示した。
すると「って、それじゃあレックスに会えなくても良いって事か?」と聞かれた時にはフルフル(そんな事ない、そんな事ない)と言わんばかりに首を横に振った。
「はははっ。つまりレックスには会いたいけど、今回会えなくなった事は素直に受け入れるって事か?」コク(うん!)と大きく頷くと「そう言うことね」「だな」と2人も納得してくれた。
それからボク達はいつもの川に向かいそこでひと休みした。
「ホントにここはいつ来ても気持ち良いよなぁ」「ホントねぇ」(まぁね)
「来年には絶対メリッサも連れて来ねぇとなぁ」「そうね。お姉ちゃんにも一度は来てもらわないとね」(メリッサ? お姉ちゃん?)今まで一度も聞いたことがない名前や言葉が2人から出たので首を傾げた。
そんなボクの様子を見たアッシュやアリスが「ん? ああそっか。ベアーズはメリッサのこと知らないんだよな。メリッサって言うのは······何て説明すりゃいいんだ? アリス」「うーんと······メリッサさんて言うのは、アッシュ兄ちゃんにとってベアーズ、あなたのお父さんにとってのあなたのお母さんのような存在の人よ」「そうそう」と説明してくれた。
(父ちゃんにとっての母ちゃんのような存在?)と聞いて昔父ちゃんに母ちゃんの事を聞いた時の事を思い出した。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「ねぇねぇ、とうちゃん」
「何だ?」
「ボクのかあちゃんてどんなかただったの?」
「母ちゃんか? お前の母ちゃんは優しくて俺にとって一番大事な存在だったんだ」
「1ばんだいじなそんざい?」
「あぁ。何が何でも守らないといけないと思えた奴だったよ」
「ふーん」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(そっか。メリッサはアッシュにとって1番大事で何が何でも守らないといけない存在かぁ)と理解した表情を浮かべた。
「どうやら分かってくれたみたいだな」「そうみたいね」(うん!)
「それにしても」(うん?)「レックスには助けられてばかりだよな、俺達」「ホントにそうよね」(え?)
「村もレックスからトロルに襲われるって教えてもらったから守れたし、俺もダークエルフとの戦いで殺されてたかも知れなかったところをレックスに助けられたし」「そうだったわね」(そうなの!?)
「ほんでもって今も誰かが死ぬかもしれない運命を変えるのに必要な"命の石"だったっけか? それを手に入れようとしてるんだからよぉ」(そうだったんだ)だからレックスは村に帰って来れなかったんだ。
「ホントに。いくら一度死んでまた人生をやり直しているから起こる事が分かっているからって、レックスに頼ってばかりよね私達」「あぁ。だからこそ、将来レックスが殺されるかもしれない魔王軍との戦いの時には、今度は俺が絶対にあいつを守ってやりたいんだ」「そうね、お兄ちゃん」「ああ!」(うん! がんばれ、アッシュ!)
そうアッシュが決意したところでその日は2人とも村に帰った。
それからというもの2人が村にいる間、アッシュはアッシュの父ちゃんやレックスの父ちゃんと頻繁に森へ来て、今まで見たこと無い物 (アッシュの父ちゃんも使っている"弓"と"矢"って呼ぶ物だと教えてもらった)を使って色々な動物に向けて使っていた。
それはどうやらレックスからもらった物みたいだ。そしてボクとも川でだけでなく一緒に森の中も行動するようになり、ボクもどの動物を殺しても大丈夫なのかアッシュ達に知らせたのだった。
そしてアリスは村でアリスの父ちゃんや母ちゃんの手伝いをしていた。たまに様子を見に行くと、アリスの父ちゃんと母ちゃんはアリスを見て喜んでいるようだったし、村のみんなもアリスの家を出て来た時には本当に喜んだり嬉しがっていた。
そしてたまにアッシュやアリスと森の中を散歩して過ごしたのだった······。
そんな風に過ごしてあっという間にアッシュとアリスが帰る日が近付いて来た。
帰る前に2人はボク達の住み処にやって来た。
「ベアー、ベアーズ。俺達2日後に村を出て王都に戻ることにしたんだ」(そっか)そうアッシュから知らされてやはり少し寂しさを感じた。
「次の冬のお休みにはやっぱり帰っては来れないだろうから、次に会えるのは来年のまた夏のお休みの時になると思うけど、それまでふたりとも元気でね」(うん。アッシュもアリスもね)
「その時には本当にレックスを絶対に連れてくるからね」(うん! 多分その前にボクはレックスと会えるだろうけどね)
「あと前に話したメリッサもな」(うん。ボクも一度は見てみたいし······)
そこまで話したところで「じゃあな!」「バイバイ!」2人はボク達の住み処を離れて行った。
2人の後ろ姿を見送りながら「ガァー!(バイバーイ!)」と大きく叫んだのだった。
「行ってしまったな」「うん」「また寂しくなるな」「うん」「レックスに会えなくて残念だったな」「うん」「······なぁ、本当にそう思っているのか?」「うん」「······」
ボクの淡々とした返事を聞き続け、父ちゃんもさすがに呆れてそれ以上は何も聞かずに住み処に入って行った。
(今回はレックスには会えなかったけど、近い内に必ず会えるって信じているから)アッシュやアリスと離れ離れになっても寂しくはなかったのだった······。
すると、ピクッ(あれ? この、匂いって······まさか!?)そう思って匂いを感じた前方を見たら、前から2つのヒト影がうっすらと見えた。
その影をよーく見続け、その影の正体が分かるや「ガアー!(ア、アッシュー! アリスー!)」と叫びながら駆け寄った。
2人もボクの事に気付いて「おっ、ベアーズ!」「久しぶりー!」と声を掛けてきた。
「ガアー!(アッシューーー!)」と叫びながらボクはアッシュの胸に思い切り飛び込んだ。
「うわぁ!」さすがに受け止めきれずにアッシュは後ろに倒れてしまった。「お兄ちゃん!」その様子を見てアリスもビックリして叫んだ。
(おかえり、おかえり)そんな倒れたアッシュの体の上に乗ったまま、ボクは小刻みに体を揺らしながら2人に再会出来たことを喜んだ。
それからアッシュはボクの体を掴んで自分の体を起こし、「ったくお前は」(えへへ)「ホントに相変わらず元気ね」(まぁね)とそれぞれ声を掛けてきた。
「まっ、それはともかく」(ん?)2人は目を見合わせて「「ただいま、ベアーズ」」と言ってきたので、「ガアー!(おかえり!)」と叫んだ。
そしてその後「それからベアーズ」(ん?)「すまんな。今回レックスと一緒に帰って来れなくて」コクコク(良いよ。もうじき会えるって分かっているから)
「あんなにも3人でって約束したのに。本当にごめんね」コクコクコクコク(だから別に良いってばぁ)と反応を示していると「なぁベアーズ」(ん?)「レックスが帰って来ないこと、気にしてないのか?」とアッシュから聞かれた時には少し考え、それからコク(うん!)と反応を示した。
すると「って、それじゃあレックスに会えなくても良いって事か?」と聞かれた時にはフルフル(そんな事ない、そんな事ない)と言わんばかりに首を横に振った。
「はははっ。つまりレックスには会いたいけど、今回会えなくなった事は素直に受け入れるって事か?」コク(うん!)と大きく頷くと「そう言うことね」「だな」と2人も納得してくれた。
それからボク達はいつもの川に向かいそこでひと休みした。
「ホントにここはいつ来ても気持ち良いよなぁ」「ホントねぇ」(まぁね)
「来年には絶対メリッサも連れて来ねぇとなぁ」「そうね。お姉ちゃんにも一度は来てもらわないとね」(メリッサ? お姉ちゃん?)今まで一度も聞いたことがない名前や言葉が2人から出たので首を傾げた。
そんなボクの様子を見たアッシュやアリスが「ん? ああそっか。ベアーズはメリッサのこと知らないんだよな。メリッサって言うのは······何て説明すりゃいいんだ? アリス」「うーんと······メリッサさんて言うのは、アッシュ兄ちゃんにとってベアーズ、あなたのお父さんにとってのあなたのお母さんのような存在の人よ」「そうそう」と説明してくれた。
(父ちゃんにとっての母ちゃんのような存在?)と聞いて昔父ちゃんに母ちゃんの事を聞いた時の事を思い出した。
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「ねぇねぇ、とうちゃん」
「何だ?」
「ボクのかあちゃんてどんなかただったの?」
「母ちゃんか? お前の母ちゃんは優しくて俺にとって一番大事な存在だったんだ」
「1ばんだいじなそんざい?」
「あぁ。何が何でも守らないといけないと思えた奴だったよ」
「ふーん」
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(そっか。メリッサはアッシュにとって1番大事で何が何でも守らないといけない存在かぁ)と理解した表情を浮かべた。
「どうやら分かってくれたみたいだな」「そうみたいね」(うん!)
「それにしても」(うん?)「レックスには助けられてばかりだよな、俺達」「ホントにそうよね」(え?)
「村もレックスからトロルに襲われるって教えてもらったから守れたし、俺もダークエルフとの戦いで殺されてたかも知れなかったところをレックスに助けられたし」「そうだったわね」(そうなの!?)
「ほんでもって今も誰かが死ぬかもしれない運命を変えるのに必要な"命の石"だったっけか? それを手に入れようとしてるんだからよぉ」(そうだったんだ)だからレックスは村に帰って来れなかったんだ。
「ホントに。いくら一度死んでまた人生をやり直しているから起こる事が分かっているからって、レックスに頼ってばかりよね私達」「あぁ。だからこそ、将来レックスが殺されるかもしれない魔王軍との戦いの時には、今度は俺が絶対にあいつを守ってやりたいんだ」「そうね、お兄ちゃん」「ああ!」(うん! がんばれ、アッシュ!)
そうアッシュが決意したところでその日は2人とも村に帰った。
それからというもの2人が村にいる間、アッシュはアッシュの父ちゃんやレックスの父ちゃんと頻繁に森へ来て、今まで見たこと無い物 (アッシュの父ちゃんも使っている"弓"と"矢"って呼ぶ物だと教えてもらった)を使って色々な動物に向けて使っていた。
それはどうやらレックスからもらった物みたいだ。そしてボクとも川でだけでなく一緒に森の中も行動するようになり、ボクもどの動物を殺しても大丈夫なのかアッシュ達に知らせたのだった。
そしてアリスは村でアリスの父ちゃんや母ちゃんの手伝いをしていた。たまに様子を見に行くと、アリスの父ちゃんと母ちゃんはアリスを見て喜んでいるようだったし、村のみんなもアリスの家を出て来た時には本当に喜んだり嬉しがっていた。
そしてたまにアッシュやアリスと森の中を散歩して過ごしたのだった······。
そんな風に過ごしてあっという間にアッシュとアリスが帰る日が近付いて来た。
帰る前に2人はボク達の住み処にやって来た。
「ベアー、ベアーズ。俺達2日後に村を出て王都に戻ることにしたんだ」(そっか)そうアッシュから知らされてやはり少し寂しさを感じた。
「次の冬のお休みにはやっぱり帰っては来れないだろうから、次に会えるのは来年のまた夏のお休みの時になると思うけど、それまでふたりとも元気でね」(うん。アッシュもアリスもね)
「その時には本当にレックスを絶対に連れてくるからね」(うん! 多分その前にボクはレックスと会えるだろうけどね)
「あと前に話したメリッサもな」(うん。ボクも一度は見てみたいし······)
そこまで話したところで「じゃあな!」「バイバイ!」2人はボク達の住み処を離れて行った。
2人の後ろ姿を見送りながら「ガァー!(バイバーイ!)」と大きく叫んだのだった。
「行ってしまったな」「うん」「また寂しくなるな」「うん」「レックスに会えなくて残念だったな」「うん」「······なぁ、本当にそう思っているのか?」「うん」「······」
ボクの淡々とした返事を聞き続け、父ちゃんもさすがに呆れてそれ以上は何も聞かずに住み処に入って行った。
(今回はレックスには会えなかったけど、近い内に必ず会えるって信じているから)アッシュやアリスと離れ離れになっても寂しくはなかったのだった······。
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