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1章 金輪際人を見た目で判断しません

新たなる推し

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 下町、フィレーンド。城下ということもあって、いつ来ても賑わっていて、何よりも。

「あっち!あっちに超絶美形が通ったわ!!」
「あのカフェで佇んでいる彼はどなたなの!?!?」

「.....姫様。あんまり大声で叫ばないでください。バレます。」

 そう、私がお忍で遊びにくるこのフィレーンドには、美形が多いのよ!!!推し天国!!!永遠に居られる町、最高!!!

「そんな下心で町を評価しないでくださいよ。」

 も、もちろんこの町のいいところはそれだけではないのよ。お買い物するのにも種類が豊富だから選びたい放題だし、カフェも多いから、くつろぐのには最適だし。港も近いから、漁業も盛んでいつも市場が開かれているの。
 昔はよくイケメンを見つけ次第突進していたけれど、さすがにこの年になったら私でも規制するわよ・・・・多分ね!?

「さあ、早速泊まる場所を探しましょう。」
「そうですね、ここら辺で泊まれる宿は・・・・。」

 私たちがキョロキョロしているのを不審に思ったのか、誰かに声をかけられた。

「泊まる宿をお探しかな?」

 振り向くとそこには、新たなる超絶美形が!!!!
 
 リオ様と引けを取らない顔立ちの整った顔面。さらに髪色は濃い黒色なのに、不思議と重たさを感じない、軽やかな髪質。一言で言うなら爽やかヤンチャボーイ。でも雰囲気からして、庶民の方よね。またしても身分の壁が。

「ええ、そうなんですの。よかったらここら辺でおすすめの宿を紹介してくださらない?」
「俺の宿においでよ。安くするぜ、お嬢さん。」
「行きます、行きますとも!」
「大丈夫なんですか、姫....じゃなくって、ルミネ様。」

  大丈夫よ、こんなイケメンだし。初対面ではあるけれど、きっといい宿を紹介してくださるわ。

「何事もないと良いのですが。」
「心配性ねえ、ナナは。」
「いい宿っすよ。空き部屋もあるし。さあ、こっちへ。」

 導かれるまま、私たちはイケメンに案内してもらうことにした。
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