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番外編
ルミネとの出会い~5年前~①
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僕の名前は、リオ。15歳。バルフォルナ王国の第一王子だ。今現在、気晴らしに隣国のカリフォード王国の下町に、お忍びで来ている。
僕は生まれ持ったこの美貌と、完璧な才能で周りからチヤホヤされて育ってきた。
だが、そんな僕にも悩みがあった。それは、どんな女の子相手でも、好きになることができないことだ。
今まで多くの女の子と下町へデートに行ったり、パーティーでダンスをしたりして、好きになろうと努力してきた。だけど、駄目だった。どんな身分の令嬢でも美しい王女でも、僕の心は響かないのだ。どうしてだ!?
も、もしや、僕は同一性愛者なんだろうか・・・・。いや、今まで男性にときめいたことなんてないし、もしそうだったとしたら、王位を継げなくなってしまう・・・!それだけは、なんとしても避けたい。
とにかく、誰でもいい、誰でもいいから女の子を好きになりたい。そう焦っていたその時───。
「きゃあああああ!!!!」
突然、遠くから女の子が、蒙突進してきた。
「あなた、お名前は?なんて、なんて美少年ですの!!!」
・・・・こんなに叫ばれたのは初めてだよ。まあ、女の子にきゃあきゃあ言われるのは、慣れているんだけれど。
見た感じ、高貴な身分の令嬢のようだ。茶髪を肩まで伸ばし、軽くウェーブがかかっている。特別美人って訳ではない、いたって普通の、12歳位の女の子だ。ご令嬢ならば顔見知り程度になっておくことは必要かも知れない。
「僕の名前は──、」
あ、そうだった。今日は僕、お忍びで隣国に来ていたんだった。格好も、庶民に寄せているし、ここで王子の名前を名乗るのはまずいかな。
「あーっと、ネオと、申します。」
「ネオね!素敵なお名前だわ!」
うーん、嘘をついて申し訳ないけれど、しょうがない。
「あなた、今日は一人なの?お友達とは来てないのですね。」
「ああ、うん。友達なんていないからね。」
「まあ・・・・。」
「・・・・僕に近づいてくる奴は、本当の僕のことなんて見ちゃいない。」
ついうっかり本当のことを口走っていた。
友達と呼べる存在は、僕には存在しない。と、いうのもまず僕が王子であるが所以なのだけれど。だいたい僕に近づいてくる連中は、コネ目的か僕に近づいてくる女の子目的だった。
「なら、私とお友達になってくださいませ!」
「え?」
僕は生まれ持ったこの美貌と、完璧な才能で周りからチヤホヤされて育ってきた。
だが、そんな僕にも悩みがあった。それは、どんな女の子相手でも、好きになることができないことだ。
今まで多くの女の子と下町へデートに行ったり、パーティーでダンスをしたりして、好きになろうと努力してきた。だけど、駄目だった。どんな身分の令嬢でも美しい王女でも、僕の心は響かないのだ。どうしてだ!?
も、もしや、僕は同一性愛者なんだろうか・・・・。いや、今まで男性にときめいたことなんてないし、もしそうだったとしたら、王位を継げなくなってしまう・・・!それだけは、なんとしても避けたい。
とにかく、誰でもいい、誰でもいいから女の子を好きになりたい。そう焦っていたその時───。
「きゃあああああ!!!!」
突然、遠くから女の子が、蒙突進してきた。
「あなた、お名前は?なんて、なんて美少年ですの!!!」
・・・・こんなに叫ばれたのは初めてだよ。まあ、女の子にきゃあきゃあ言われるのは、慣れているんだけれど。
見た感じ、高貴な身分の令嬢のようだ。茶髪を肩まで伸ばし、軽くウェーブがかかっている。特別美人って訳ではない、いたって普通の、12歳位の女の子だ。ご令嬢ならば顔見知り程度になっておくことは必要かも知れない。
「僕の名前は──、」
あ、そうだった。今日は僕、お忍びで隣国に来ていたんだった。格好も、庶民に寄せているし、ここで王子の名前を名乗るのはまずいかな。
「あーっと、ネオと、申します。」
「ネオね!素敵なお名前だわ!」
うーん、嘘をついて申し訳ないけれど、しょうがない。
「あなた、今日は一人なの?お友達とは来てないのですね。」
「ああ、うん。友達なんていないからね。」
「まあ・・・・。」
「・・・・僕に近づいてくる奴は、本当の僕のことなんて見ちゃいない。」
ついうっかり本当のことを口走っていた。
友達と呼べる存在は、僕には存在しない。と、いうのもまず僕が王子であるが所以なのだけれど。だいたい僕に近づいてくる連中は、コネ目的か僕に近づいてくる女の子目的だった。
「なら、私とお友達になってくださいませ!」
「え?」
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