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Vegetables―スピンオフ―
St. Valentine's Day 9
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「早く、な? まだ寝るなよ?」
「――っ……!」
律の呟きと同時にいきなり膝を開かれる。決して晒されることのない場所に冷たい空気を感じ思わず身体が強張った。
それでも冷気とは別に身体の芯は熱く耐え切れない情動を発し始める。
――今日は手短にな……低く笑った律が、備え付けのローションを絡めた指をゆっくりとおれの後腔に侵入させていった。
まだ固く閉ざされたそこは侵入を拒もうと一際強く律の指先に絡み付く。
「ぅあ――は・ぁ――」
身体を駆け上がる情動を逃がそうとゆっくりと息を吐き出す。すでに慣れた指先が我が物顔でおれの体内を解きほぐしていた。
頭の芯がぼうっとして思考が纏まらない。
静かな部屋に響く自分の声がどこか遠くに聞こえていた。
足の付け根が痺れたように突っ張っていく。もっと深くに律を感じたくて、自然と腰が上がっていた。
「酔った千章もいいな――」
おれの身体を高く折り曲げるように押し上げ、律が唇を重ねる。
「っう……ん――り・つ……」
吐息の切れ目に必死に名前を呼んだ。もっと律を感じたい――もっと。不自然な体勢に無理やり律の背を掻き抱く。
「もうちょっと我慢しろよ――」
「……ゃだ――も、ムリ」
律の言葉に強く首を振り、回した腕に力をこめた。
「仕方のないやつだな」
律が小さく笑って、おれの目を軽く舐めた。そのまま唇を啄ばむと、すでに隠すことなく晒された後部に自身をあてがいゆっくりと腰を進める。
「っは……ぁ、――っつ」
完全には解れていなかったのだろうそこは、少しのピリピリとした刺激を伴いながら徐々に押し広げられていく。背筋がぞくりと粟立つ――。
僅かな刺激ですらいとも簡単に解き放たれそうな欲望を必死で押さえ込み律を受け止めた。
耳元に熱い吐息がかかる――。
「千章――………………――」
「え? 律、今……なんて――ァっ――」
耳に囁かれた言葉に思わず問い返す。
何回も言えるか――小さく笑った律がゆっくりとおれのなかを溶かしはじめた。柔らかで優しい波のようなリズム。
「んぁ……は……ぁ・ふぁ――」
湯せんにかけられたチョコレートみたいに甘くてドロドロに溶けていく。元あった自分の形が思い出せないような恍惚。
一度きりだって言葉はちゃんと胸に焼きつけた。
おれはおれだ。
相変わらずちょっとばかり情けなくて、すぐに悩んでばっかりで、それでもって律のことが大好きで――。好きだから、嫌われたくなくて臆病になって前に進めなくなるときもある。でも、それがおれなんだ……。
「っあ……ぁ――律っ……」
「ん――?」
「……ありが、とっ――ん……」
律からは返事の代わりのキス。まだ少し甘い――。
なんだかうれしさと、ここ数日の緊張が一気に解け涙がこぼれた。その涙はすかさず律がすくい取っていく。
そんな仕草にすら背中がぞくりと波立っている。
「律……イキたい――」
恥ずかしさで小さく懇願した声はしっかりと届いたようで、律が僅かに微笑んだ。律の手がおれの膝を抱えなおし、一際深くへと侵入を始めた。
「アッ――はっぁ――っ」
おれの中で律が大きく膨張したのが分かり、これまで耐えていた欲が一気に解き放たれる。同じくして律自身も軽い痙攣をするかのように震えた。
抱え上げていた膝をゆっくりと戻し、律が腕枕をするように隣へと寝転がる。顔を横に向けると目を閉じたままおれの髪を触る律がいた。
瞼を下ろした律の表情がなんとも言えず心地よさ気で、おれもまた急激な眠気が襲ってくるのを感じてしまう。そういえば2人とも今日は仕事して、しかもこんな時間で――。
なんか色々と考えたいこともあったんだけど、結局おれもまた泥に沈むように眠りの中へと引き寄せられていった。
「――っ……!」
律の呟きと同時にいきなり膝を開かれる。決して晒されることのない場所に冷たい空気を感じ思わず身体が強張った。
それでも冷気とは別に身体の芯は熱く耐え切れない情動を発し始める。
――今日は手短にな……低く笑った律が、備え付けのローションを絡めた指をゆっくりとおれの後腔に侵入させていった。
まだ固く閉ざされたそこは侵入を拒もうと一際強く律の指先に絡み付く。
「ぅあ――は・ぁ――」
身体を駆け上がる情動を逃がそうとゆっくりと息を吐き出す。すでに慣れた指先が我が物顔でおれの体内を解きほぐしていた。
頭の芯がぼうっとして思考が纏まらない。
静かな部屋に響く自分の声がどこか遠くに聞こえていた。
足の付け根が痺れたように突っ張っていく。もっと深くに律を感じたくて、自然と腰が上がっていた。
「酔った千章もいいな――」
おれの身体を高く折り曲げるように押し上げ、律が唇を重ねる。
「っう……ん――り・つ……」
吐息の切れ目に必死に名前を呼んだ。もっと律を感じたい――もっと。不自然な体勢に無理やり律の背を掻き抱く。
「もうちょっと我慢しろよ――」
「……ゃだ――も、ムリ」
律の言葉に強く首を振り、回した腕に力をこめた。
「仕方のないやつだな」
律が小さく笑って、おれの目を軽く舐めた。そのまま唇を啄ばむと、すでに隠すことなく晒された後部に自身をあてがいゆっくりと腰を進める。
「っは……ぁ、――っつ」
完全には解れていなかったのだろうそこは、少しのピリピリとした刺激を伴いながら徐々に押し広げられていく。背筋がぞくりと粟立つ――。
僅かな刺激ですらいとも簡単に解き放たれそうな欲望を必死で押さえ込み律を受け止めた。
耳元に熱い吐息がかかる――。
「千章――………………――」
「え? 律、今……なんて――ァっ――」
耳に囁かれた言葉に思わず問い返す。
何回も言えるか――小さく笑った律がゆっくりとおれのなかを溶かしはじめた。柔らかで優しい波のようなリズム。
「んぁ……は……ぁ・ふぁ――」
湯せんにかけられたチョコレートみたいに甘くてドロドロに溶けていく。元あった自分の形が思い出せないような恍惚。
一度きりだって言葉はちゃんと胸に焼きつけた。
おれはおれだ。
相変わらずちょっとばかり情けなくて、すぐに悩んでばっかりで、それでもって律のことが大好きで――。好きだから、嫌われたくなくて臆病になって前に進めなくなるときもある。でも、それがおれなんだ……。
「っあ……ぁ――律っ……」
「ん――?」
「……ありが、とっ――ん……」
律からは返事の代わりのキス。まだ少し甘い――。
なんだかうれしさと、ここ数日の緊張が一気に解け涙がこぼれた。その涙はすかさず律がすくい取っていく。
そんな仕草にすら背中がぞくりと波立っている。
「律……イキたい――」
恥ずかしさで小さく懇願した声はしっかりと届いたようで、律が僅かに微笑んだ。律の手がおれの膝を抱えなおし、一際深くへと侵入を始めた。
「アッ――はっぁ――っ」
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瞼を下ろした律の表情がなんとも言えず心地よさ気で、おれもまた急激な眠気が襲ってくるのを感じてしまう。そういえば2人とも今日は仕事して、しかもこんな時間で――。
なんか色々と考えたいこともあったんだけど、結局おれもまた泥に沈むように眠りの中へと引き寄せられていった。
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