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Vegetablesー2ー
嫉妬と葛藤 6
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「え……えぇええええ!?」
「声! 声でかい!!」
智が慌てて口に指をあてて合図した。周りの客が何事かと俺らのテーブルを振り返っている。
「わ、悪ぃ……びっくりした」
「だからさ、人には言うなよ」
「あぁ……でも、智それって本気でか?」
「だから合コン三回試したって言ったじゃん……何回行ってもさ、その気にならないんだ。そいつんことばっかり頭に浮かんでさ……俺、マジでやばいよな?」
やっぱり俺なんかが聞きにくるのは間違いだったかも知れない。智はどうみても真面目に言ってる。
それに実際男と付き合っている俺からしたら、智の悩みはむちゃくちゃ分かるんだ……かといって「俺も分かる」とは絶対言えない。
それを思うと智はすごいよな――俺なんか誰かに相談するとか絶対にできなかったから。でも、どう声をかけていいのか悩む。
「その、相手はさ、そのこと」
「知るわけないだろ? 普通に友だちだと思ってるって」
友だちってことは仲のいいやつってことだよな?
「友だちなんだ?」
俺は何の気なしに口にしただけだったのだけど――。
「……っ! 千章! 今のナシ! 聞かなかったことにしろ!!」
なんでそんなに慌てて――って友だちなのか? いや、智は友だち付き合い広いし、あ、でも基本的に女の子ばっかりだったよな。智の男友達で仲良いのって俺たちじゃん。その中でも――。
「あのさ……智。もしかして――」
「千章、言うな。頼むから。多分それ正解だし」
相手って拓なんだ。だって俺と環は最近ではそこまで智と接点がない。普段から智とつるんでるのは拓だけなんだ。
それにしても気になってるやつも誘っての合コンって、こいつ大物かも知れない。
「智、俺は黙っとく以外で、なんかやってほしいことあるか?」
律とのことをばらせない時点で、俺はこのくらいしか言ってやれない。やっぱり環に来てもらったほうがよかったかも知れないとちょっと後悔した。
「いや、どうしたいのか俺も自分でわからないんだわ。でも千章に言ってちょっとスッキリした。また聞いてくれるか?」
「ああ。あいつらには「智には厄介な本命ができて悩んでる」とでも言っとく」
「サンキュ」
そうして、智はちょっと疲れたように笑って帰っていった。あれはむちゃくちゃ悩んでるよなぁ。
俺はとにかく拓に電話して、しばらく智はそっとしておいてやるようにと伝えた。
拓はあまり疑問に思うこともなかったようで「またぁ?」と笑っていた。恋愛関係についての智は全く節操がなかった分、こんな反応が精一杯だよなと思う。
「声! 声でかい!!」
智が慌てて口に指をあてて合図した。周りの客が何事かと俺らのテーブルを振り返っている。
「わ、悪ぃ……びっくりした」
「だからさ、人には言うなよ」
「あぁ……でも、智それって本気でか?」
「だから合コン三回試したって言ったじゃん……何回行ってもさ、その気にならないんだ。そいつんことばっかり頭に浮かんでさ……俺、マジでやばいよな?」
やっぱり俺なんかが聞きにくるのは間違いだったかも知れない。智はどうみても真面目に言ってる。
それに実際男と付き合っている俺からしたら、智の悩みはむちゃくちゃ分かるんだ……かといって「俺も分かる」とは絶対言えない。
それを思うと智はすごいよな――俺なんか誰かに相談するとか絶対にできなかったから。でも、どう声をかけていいのか悩む。
「その、相手はさ、そのこと」
「知るわけないだろ? 普通に友だちだと思ってるって」
友だちってことは仲のいいやつってことだよな?
「友だちなんだ?」
俺は何の気なしに口にしただけだったのだけど――。
「……っ! 千章! 今のナシ! 聞かなかったことにしろ!!」
なんでそんなに慌てて――って友だちなのか? いや、智は友だち付き合い広いし、あ、でも基本的に女の子ばっかりだったよな。智の男友達で仲良いのって俺たちじゃん。その中でも――。
「あのさ……智。もしかして――」
「千章、言うな。頼むから。多分それ正解だし」
相手って拓なんだ。だって俺と環は最近ではそこまで智と接点がない。普段から智とつるんでるのは拓だけなんだ。
それにしても気になってるやつも誘っての合コンって、こいつ大物かも知れない。
「智、俺は黙っとく以外で、なんかやってほしいことあるか?」
律とのことをばらせない時点で、俺はこのくらいしか言ってやれない。やっぱり環に来てもらったほうがよかったかも知れないとちょっと後悔した。
「いや、どうしたいのか俺も自分でわからないんだわ。でも千章に言ってちょっとスッキリした。また聞いてくれるか?」
「ああ。あいつらには「智には厄介な本命ができて悩んでる」とでも言っとく」
「サンキュ」
そうして、智はちょっと疲れたように笑って帰っていった。あれはむちゃくちゃ悩んでるよなぁ。
俺はとにかく拓に電話して、しばらく智はそっとしておいてやるようにと伝えた。
拓はあまり疑問に思うこともなかったようで「またぁ?」と笑っていた。恋愛関係についての智は全く節操がなかった分、こんな反応が精一杯だよなと思う。
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