Vegetables

Vegetablesー１－

十五夜 ５

「ひとりで入れるっ！」

　必死の懇願は完全に無視され、強制的にシャワールームに連れ込まれた。

「ジッとしてろ」

　シャワールームの壁に身体を押し付けられ、律の余韻が色濃く残る後部を再び押し広げられた。分かるんだ、洗浄するためだってことくらいは。それでも全身を明るい光に晒されたことで羞恥が倍増する。驚くほど素直な分身が恨めしい。

「……っ見んなっ」

　もちろんそんな願いは聞き入れられるはずもなく――。

「随分元気じゃないか」

　耳元で笑いを含んだ律の声が聞こえ、必死で逃げ出そうと身をよじった。

「んっ……やめ……っ」

　律の大きな手で包まれ、ゆっくりと扱かれていく。親指で先端を捏ねられ、抵抗する力が根こそぎ奪われていった。

　熱いはずのシャワーがぬるく感じるほど身体が火照っている。

「律っ……もっ、むり……ぁあ……っ」

　白濁した滴がシャワーで流れるのが目の端に映った。肩で息をしながら崩れ落ちそうになる足に必死で力を入れる。

「千章、こっち向け」

「っやだ！」

　段々とわかってきた。律は俺が恥ずかしさに悶絶してるときほど顔を見ようとする。それでもって、拒否しても無理やり見られるんだ――。

「嫌だってんだろが」

　涙目で訴える俺を見おろし、額に張り付いた髪を指でゆっくりと退けていった。

「その顔、すげぇくる」

「っうるさい！」

　恥ずかしすぎて、もう穴掘って埋まってしまいたい――。




　佐倉千章、二十二歳――。

　恋人ができました。