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初恋Returns 29
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武市はやっぱり余裕なんだろうな。熱くなった瞼をなんとか持ち上げた。
俺の上の武市はまるで切羽詰まったみたいな顔で――。
「……っ!」
武市が苦しげに眉を寄せた。激しい動きが一時停止をする。
「急に締めるんじゃねぇ……」
イキそうになったじゃねぇか。武市がぼやく。
そんなこと言っても仕方がないじゃないか。切羽詰まった武市の顔を見た瞬間、その原因が俺とのセックスだとか思ったら堪らくなった。この顔を見たやつって俺以外に何人いるんだろう。
「武市……もう終わりか?」
馬鹿だ。俺はなに言っているんだろう。こんな煽るようなこと言って、どうされたいんだろう。
案の定、武市は言うじゃねぇかとばかりに笑ってみせた。
武市が俺にキスをする。
「……んん!」
キスをしたままの不自由な姿勢に息が詰まる。武市だって苦しいだろうに、その動きはちっとも緩まない。
息ができない。俺の抗議もなにもかも受け付ける気はないんだって言われているような気がした。
あ、武市がイク。なぜか分かった。分かった瞬間、俺の中でなにかが弾け飛んだ。
熱い塊が狭い管を通って一気に排出される。
それは熱くて痛くて気持ちがいい。
やっと解放された唇から大きく酸素を取り込んだ。火傷しそうな体内が少しだけ冷める。
武市は俺の上に全体重を被せていた。俺より格段に大きな身体はずしりと重いけど、その重さはどこか心地いい。
それでも重さに遠慮したのか武市はごろんと俺の横へ転がった。同時に俺の中から武市が抜け出す。ズルリとした感触に背中のあたりがぞくりとした。
すぐ前にある武市はなにもしゃべらない。ただ、汗で張り付いた俺の前髪を指先で遊ばせている。熱が治まるにつれて恥ずかしさが込み上げるけど、なにも言われないことで少しは恥ずかしさもマシだと思える。
俺は武市と寝たんだ。今度のは自分の意思で。思ったほどなにも変わらなかったことに、ちょっとだけホッとした。
俺の前髪で遊んでいた武市がゆっくりと起き上がった。俺はまだ動けそうにない。そう見上げていたら、当たり前のように起こされ、抱き上げられる。
「ちょ、待てって……! 自分で……」
さすがに横抱きに運ばれるのはプライドが許さないと、武市の腕でもがいた。武市はあっさりと俺を床に下ろす。
さっきからなんでしゃべらないんだ。そう首をかしげつつ、いつもどおりに両足をふんばろうとして……。
「え……?」
俺の上の武市はまるで切羽詰まったみたいな顔で――。
「……っ!」
武市が苦しげに眉を寄せた。激しい動きが一時停止をする。
「急に締めるんじゃねぇ……」
イキそうになったじゃねぇか。武市がぼやく。
そんなこと言っても仕方がないじゃないか。切羽詰まった武市の顔を見た瞬間、その原因が俺とのセックスだとか思ったら堪らくなった。この顔を見たやつって俺以外に何人いるんだろう。
「武市……もう終わりか?」
馬鹿だ。俺はなに言っているんだろう。こんな煽るようなこと言って、どうされたいんだろう。
案の定、武市は言うじゃねぇかとばかりに笑ってみせた。
武市が俺にキスをする。
「……んん!」
キスをしたままの不自由な姿勢に息が詰まる。武市だって苦しいだろうに、その動きはちっとも緩まない。
息ができない。俺の抗議もなにもかも受け付ける気はないんだって言われているような気がした。
あ、武市がイク。なぜか分かった。分かった瞬間、俺の中でなにかが弾け飛んだ。
熱い塊が狭い管を通って一気に排出される。
それは熱くて痛くて気持ちがいい。
やっと解放された唇から大きく酸素を取り込んだ。火傷しそうな体内が少しだけ冷める。
武市は俺の上に全体重を被せていた。俺より格段に大きな身体はずしりと重いけど、その重さはどこか心地いい。
それでも重さに遠慮したのか武市はごろんと俺の横へ転がった。同時に俺の中から武市が抜け出す。ズルリとした感触に背中のあたりがぞくりとした。
すぐ前にある武市はなにもしゃべらない。ただ、汗で張り付いた俺の前髪を指先で遊ばせている。熱が治まるにつれて恥ずかしさが込み上げるけど、なにも言われないことで少しは恥ずかしさもマシだと思える。
俺は武市と寝たんだ。今度のは自分の意思で。思ったほどなにも変わらなかったことに、ちょっとだけホッとした。
俺の前髪で遊んでいた武市がゆっくりと起き上がった。俺はまだ動けそうにない。そう見上げていたら、当たり前のように起こされ、抱き上げられる。
「ちょ、待てって……! 自分で……」
さすがに横抱きに運ばれるのはプライドが許さないと、武市の腕でもがいた。武市はあっさりと俺を床に下ろす。
さっきからなんでしゃべらないんだ。そう首をかしげつつ、いつもどおりに両足をふんばろうとして……。
「え……?」
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