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新作
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茂が、パソコンで未来の新しい小説を読んでいる。
「さすがです。」
と茂はため息をついた。
『ブタ食うメシ』
はブタの王様が他国の奴隷ブタを食べて最後には自分が王女に食べられてしまうという話である。
「つまらなかったら言ってください。」
未来は茂に言った。
「いや、面白いです。やっぱり松本先生は本物だった。」
茂は泣いてしまった。
茂には、相当なプレッシャーがあったに違いない。
「よう!書けたのかよ?」
礼二が、欠伸をしながら部屋に入って来た。
礼二は、茂をどかしてパソコンの前に座って小説を読み始めた。
時々、クスクス笑ったりしていた。
「木下先輩、こいつ、一発屋じゃないですね。」
「そうなんだよ!松本先生は天才だよ。」
茂は、また泣き始めた。
良く頑張ったなと礼二は未来の頭を優しく触った。
「ありがとうございます。」
茂だけでは不安だった。毒舌な礼二に褒められてほっとした。
「松本先生、今度、うち社でパーティーがあるんです。懇談会みたいなものです。ぜひ、お友達など誘って参加して下さい。」
「はぁ…。」
理恵と翼を誘おうと思った。
の車の運転でパーティー会場に未来と理恵、翼は連れて来てもらった。
三人とも制服姿だ。
茂は、三人をエスコートしてくれた。スーツ姿の男とドレス姿の女が多かった。
未来達は、場違いな場所に来てしまったと思った。
「局長!失礼します。松本先生をお連れしました。」
茂が割腹の良い男を、未来に紹介した。
「編集局長の、三浦大知です。あなたが松本先生ですか。」
強面とは裏腹に綺麗な声で未来と握手した。
「人間ペット、うちの娘がファンでしてね。お会いできて嬉しいです。」
「ありがとうございます。」
未来は、緊張のあまり声が裏返った。
「パーティー楽しんでって下さい。」
「はい。ありがとうございます。」
茂は、感無量という顔をしている。
茂は、今度は有名作家の高木美保を紹介した。
「高木先生も十五歳でデビューしたんです。」
美保は背中の大きく開いたドレスを着ていた。
「木下さん年齢を言うのはやめてください。もう、二十歳になったんですから。」
美保は悪戯っぽく笑いながら言った。
高木美保は、主に純文学を書いている。
「サイン良いですか?ファンなんです。」
と理恵が単行本を取り出した。
「あなたが、松本未来さん?」
「違います。こっちが未来です。」
未来は、二人の後ろに隠れていた。
「お会いできて幸栄です。人間ペット凄く面白かったです。」
美保は、未来の手を取って言った。
「あ、ありがとうございます。」
未来は、頭がボーっとしてきた。
「木下さん~松本未来はどこですか?」
チャラそうな男が茂に聞いた。
「こちらが、松本先生だ。お前、酒臭いぞ。」
未来も、酒臭いと思った。
「こいつは、編集者の長谷川隼です。」
「お、可愛いじゃん。一緒に飲まないか?」
隼は、未来の腕を掴んで連れて行こうとした。
「女たらしの、長谷川。」
と礼二が言いながら未来を長谷川から引き離した。
「こいつはよ、木下先輩と俺の担当なの、だから手を出すな!」
と礼二は言った。
隼は舌打ちして消えた。
「さすがです。」
と茂はため息をついた。
『ブタ食うメシ』
はブタの王様が他国の奴隷ブタを食べて最後には自分が王女に食べられてしまうという話である。
「つまらなかったら言ってください。」
未来は茂に言った。
「いや、面白いです。やっぱり松本先生は本物だった。」
茂は泣いてしまった。
茂には、相当なプレッシャーがあったに違いない。
「よう!書けたのかよ?」
礼二が、欠伸をしながら部屋に入って来た。
礼二は、茂をどかしてパソコンの前に座って小説を読み始めた。
時々、クスクス笑ったりしていた。
「木下先輩、こいつ、一発屋じゃないですね。」
「そうなんだよ!松本先生は天才だよ。」
茂は、また泣き始めた。
良く頑張ったなと礼二は未来の頭を優しく触った。
「ありがとうございます。」
茂だけでは不安だった。毒舌な礼二に褒められてほっとした。
「松本先生、今度、うち社でパーティーがあるんです。懇談会みたいなものです。ぜひ、お友達など誘って参加して下さい。」
「はぁ…。」
理恵と翼を誘おうと思った。
の車の運転でパーティー会場に未来と理恵、翼は連れて来てもらった。
三人とも制服姿だ。
茂は、三人をエスコートしてくれた。スーツ姿の男とドレス姿の女が多かった。
未来達は、場違いな場所に来てしまったと思った。
「局長!失礼します。松本先生をお連れしました。」
茂が割腹の良い男を、未来に紹介した。
「編集局長の、三浦大知です。あなたが松本先生ですか。」
強面とは裏腹に綺麗な声で未来と握手した。
「人間ペット、うちの娘がファンでしてね。お会いできて嬉しいです。」
「ありがとうございます。」
未来は、緊張のあまり声が裏返った。
「パーティー楽しんでって下さい。」
「はい。ありがとうございます。」
茂は、感無量という顔をしている。
茂は、今度は有名作家の高木美保を紹介した。
「高木先生も十五歳でデビューしたんです。」
美保は背中の大きく開いたドレスを着ていた。
「木下さん年齢を言うのはやめてください。もう、二十歳になったんですから。」
美保は悪戯っぽく笑いながら言った。
高木美保は、主に純文学を書いている。
「サイン良いですか?ファンなんです。」
と理恵が単行本を取り出した。
「あなたが、松本未来さん?」
「違います。こっちが未来です。」
未来は、二人の後ろに隠れていた。
「お会いできて幸栄です。人間ペット凄く面白かったです。」
美保は、未来の手を取って言った。
「あ、ありがとうございます。」
未来は、頭がボーっとしてきた。
「木下さん~松本未来はどこですか?」
チャラそうな男が茂に聞いた。
「こちらが、松本先生だ。お前、酒臭いぞ。」
未来も、酒臭いと思った。
「こいつは、編集者の長谷川隼です。」
「お、可愛いじゃん。一緒に飲まないか?」
隼は、未来の腕を掴んで連れて行こうとした。
「女たらしの、長谷川。」
と礼二が言いながら未来を長谷川から引き離した。
「こいつはよ、木下先輩と俺の担当なの、だから手を出すな!」
と礼二は言った。
隼は舌打ちして消えた。
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