犬と殺人と夜の散歩

あらら

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大倉

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「誤解ですよ!俺には結婚約束してる彼女がいますから。」

大倉は、太郎の事務所に来て話した。

「そうなんですか。じゃあ、何故、高橋さんは誤解してるんでしょう?」

「それは‥。」

「言えない?ですか?」

「とにかくストーカーなんて俺はしてない。」

「そうですか。今日は、お帰り下さい。」

太郎は、あまり追求しなかった。

大倉が帰った後に

「残業手当て出すから、美保ちゃん大倉を見張っててくれない?」

「高いですよ。わたしの残業手当ては。」

太郎は、ソファーで寝てしまった。

次の日、太郎は美保に起こされた。

「家、帰らなかったんですか?」

「うん。」

「大倉にはフィアンセが確かにいますね。」

美保は、そう言って写真を太郎に渡した。

「ふーん、やっぱりね。高橋さん呼んでくれる?」

「うーん。分かりました。」

夜に高橋は事務所に来た。

「色々分かりました。」

太郎は、真相を話す前に色々分かりましたと言う癖がある。

「あなた、大倉さんのストーカーですね?」

「は?わたしが、ストーカーされてるんですよ!」

「大倉さんには婚約してる女性がいます。そして写真にあなたが写り込んでいます。」

「そんな‥。」

太郎は、コーヒーを飲みながらじっと高橋を見つめた。

「だって世の中不公平じゃないですか!」

「中学生の時に大倉さんと何かありました?」

高橋は、深いため息をついた。

「中学生の時にわたしは大倉君と付き合ってました。そして妊娠しました。周りの反対を真に受けておろしました。そしてわたしは2度と妊娠出来ない体になりました。」

「そうですか‥。」

高橋が帰った後、太郎はコーヒーを飲みながら雨の降っている外を見つめていた。



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