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刹那に咲く花
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僕は、不思議に感じていた。
窓ガラスがこの病院にはない。
そして壁が穴だらけである。
ツカサや出川に聞いても教えてくれない。
病院の隅に花壇がある、何て名前か分からない花に水を夜中に僕はあげていた。
パラパラと音が背後からした。
振り返ると迷彩色を着た人間が病院に向かって銃を構えている。
「探したわよ!」
とツカサは、言って僕の手を引っ張った。
「ツカサ、何?あいつら?」
「簡単に言うわよ。敵よ。本気でわたしたちの命を狙う敵。」
「エイプリルフールにはまだ早くない?」
ツカサは、僕を力いっぱい殴った。
その衝撃で僕は花の名前を思い出した。
フリージアだった。
妻が好きな花、フリージア。
「逃げるの?」
「当たり前でしょう。相手は国よ!」
ツカサは、再び僕の腕を掴んで走り始めた。
「地下から逃げるわよ!どぶ臭いけど我慢しなさい。」
「僕は、逃げない。自首する。」
ツカサは、僕の言葉を無視して手を繋ぐ…。
あぁ、そうか妻は僕を愛していたんだ。
仕事帰りの僕はスーパーに入り万引きしようとしていた。
ロボットには、油を…変な理屈でニンジンを手に取った。
その手を掴んだ人物がいた。
妻だった。
「何回目ですか?」
「あなたは。万引きGメン?」
「僕は、サラリーマンです。ロボットサラリーマン。何も感じないサラリーマンです。警察を呼んで下さい。僕は自首します。」
妻は、手を離して
小さくため息をついた。
「今度、うちで食事でもどうですか?」
妻は、震えた声で聞いてきた。
「はい。」
僕は、ロボット。初めて自分で歩く道だった。
窓ガラスがこの病院にはない。
そして壁が穴だらけである。
ツカサや出川に聞いても教えてくれない。
病院の隅に花壇がある、何て名前か分からない花に水を夜中に僕はあげていた。
パラパラと音が背後からした。
振り返ると迷彩色を着た人間が病院に向かって銃を構えている。
「探したわよ!」
とツカサは、言って僕の手を引っ張った。
「ツカサ、何?あいつら?」
「簡単に言うわよ。敵よ。本気でわたしたちの命を狙う敵。」
「エイプリルフールにはまだ早くない?」
ツカサは、僕を力いっぱい殴った。
その衝撃で僕は花の名前を思い出した。
フリージアだった。
妻が好きな花、フリージア。
「逃げるの?」
「当たり前でしょう。相手は国よ!」
ツカサは、再び僕の腕を掴んで走り始めた。
「地下から逃げるわよ!どぶ臭いけど我慢しなさい。」
「僕は、逃げない。自首する。」
ツカサは、僕の言葉を無視して手を繋ぐ…。
あぁ、そうか妻は僕を愛していたんだ。
仕事帰りの僕はスーパーに入り万引きしようとしていた。
ロボットには、油を…変な理屈でニンジンを手に取った。
その手を掴んだ人物がいた。
妻だった。
「何回目ですか?」
「あなたは。万引きGメン?」
「僕は、サラリーマンです。ロボットサラリーマン。何も感じないサラリーマンです。警察を呼んで下さい。僕は自首します。」
妻は、手を離して
小さくため息をついた。
「今度、うちで食事でもどうですか?」
妻は、震えた声で聞いてきた。
「はい。」
僕は、ロボット。初めて自分で歩く道だった。
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