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見聞録
キュウテオ国編 ~特別な猫の尻尾⑯~
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「継承試練の儀」の幕開き後から、リアトリスは審査員と長々とおしゃべりをしていた。
三十分以上は経ったはずなのに、未だ参加者は自身の考える「特別な猫の尻尾」の真偽を審査員に判断してもらおうと、誰一人訪れない。
「まだ誰も来ませんね」
「そうですねぇ」
ほんわかとリアトリスと審査員が語り合う。
「もういっそ誰かに告げ口してみますか?」
「確かに、もういっそ、誰かに口を滑らせてしまうかもしれません」
「そう言ってしないでしょう? あなたと話していれば、それくらいは予想がつきます」
「そう、ですか」
審査員に変に馬鹿真面目な性分を見抜かれ、リアトリスは微妙な顔をした。
審査員はと言えば、にこやかな顔から真剣な面持ちに変わる。
「ただ、もしかしたら先ほどの会話を盗み聞きできた者はいないとは言い切れません。その者がきっかけを得て、答えに辿り着いても、私はそれを受け入れるまで。ですが、あなたはそのような勝利をどう思いますか?」
話の内容的に、また「気配遮断の魔法」がかけられたことを、リアトリスは察する。
審査員の瞳は、返答が待ち遠しいと告げている。
審査員から投げかけられた問いの中で、手柄を横取りされた側となるであろうリアトリスは、少し間を置いて返事をした。
「それでも、いいのではないでしょうか。世の中には、そのようなこと実際多いと思いますし。汚い手段を取ってでも勝ちに行きたいほど望む何かがあるわけで・・・・・・。それでもいいからこの国の次代を務めたい、この国を一途に想っている方であれば、私はそうなっても個人的にいいと思っています」
「分かりました。それがあなたの答えなのですね」
矛盾しているようにもとれるリアトリスの考えを、審査員はすっと受け入れる。すっくと立ちあがり、審査員はベンチに座ったままのリアトリスに視線を落とした。
「では、私はそろそろ本業に専念するとしますよ。あなたとお話しできて良かったです」
審査員が言い終わるや否や、リアトリスもベンチから立ち上がる。
「はい、私もお話しできて嬉しかったです」
* * *
「継承試練の儀」に参加中も、食事や買い物は普段通り行って構わない。
あれからリアトリスとオスカーは、周囲を散策して時間を潰し、昼食をゆっくりと食べ終えた。
その後は、図書館に行く。奥の人気のない席で、ひっそりとうたた寝を決め込む予定だ。
リアトリスはあまりにも暇だったのか、昼寝前に紙で一人しりとりをしていた。縛りは花に限定している。
『リナリア、アマリリス、スノーフレーク、クレマチス、スノードロップ、プリムラ、ラフレシア、アサガオ、オオイヌノフグリ、リンドウ、ウマノアシガタ、タチツボスミレ、レンゲソウ、ウツボカズラ、ランタナ、ナスタチウム、ムスカリ、リアトリス、ストック、クルマギク、クサノオウ、ウメ、メキシカンセージ、ジニア、アリッサム、ムラサキシキブ・・・・・・』
ブでギブアップしたようで、そこで終わっていた。
リアトリスは、不服そうな顔だ。
『ルドベキア・ルリチシャ・・・・・・、ルで終わる花ってなんだっけ?』
煮え切らない思いを、リアトリスはペンを走らせ、引き続き日本語で綴る。
前世もこのように花縛りの一人しりとりをしていて、その際にはルで終わる花も登場していた気がするのだが、リアトリスはいつまで経ってもそれが思い出せそうにない。そもそもどうやってその流れに持っていったのか、リアトリスは今となっては不思議にすら思えた。
考えども思い出せなかったので、もしかしたら記憶違いかもしれないとリアトリスは断念する。テーブルの上に突っ伏して、もう既に眠っているオスカーを見習って、リアトリスもしばし仮眠を取った。
* * *
リアトリスは夢を見ていた。
夢の中のリアトリスは、前世の知り合い数名と共に、電車か新幹線いずれかに乗り換えようとしている。知り合いの男子一人が、改札やチャージで道化のようにまごつく。そうして、次に乗ろうとする目的のそれにリアトリスが最後乗ろうとして、何故か目の前でドアが閉まってしまう。
リアトリスだけが乗れず、ただ一人その場に取り残された。
「ああ、またか」と夢の中のリアトリスは、その事実を苦い気持ちで受け入れる。
前世でも今世でも、リアトリスただ一人だけが弾かれるような事態はあった。
その度に、努力してもどうしようもならないことはあると、リアトリスは割り切ってきた。
今回一人だけ乗車できなかったように、降りかかる大抵の理不尽や悲劇に対し、そうなるべくしてそうなったのだと、大概リアトリスは諦観の念を抱くだけ。
夢の中ではそれがより顕著だなと、リアトリスはどこか冷静に思えてならなかった。
ゆっくりと、リアトリスの意識が現実に戻ってくる。
日はまだ落ちていない。
リアトリスが寝ぼけ眼で時間を確認すれば、十五時を回った頃であった。
「継承試練の儀」はどうなっているだろうか?
変な夢を見たせいか、まだ完全に目が覚めていないような思考で、リアトリスはぼんやり思った。
一度広場を見に行こうと、リアトリスは席を立つ。後片付けなど図書館を出る準備をしてから、気持ちよさそうに眠るオスカーをリアトリスは起こした。
リアトリスとオスカーが外に出ると、待ち人がいた。
「羨ましいほど余裕ですね」
図書館の外で待ち構えていたのは、コンラッドだった。
リアトリスは、コンラッドに「気配遮断の魔法」をかけられた感覚がよぎる。
「皮肉ですか?」
「そうとも言います」
リアトリスは小さく息を吐き、コンラッドは飄々と返事をした。
「広場まで一緒にご同行いただけますか?」
「嫌だと言ったら?」
眉をあからさまに顰めるリアトリスに、コンラッドは薄ら笑いを返した。
「強行突破するしかありませんね」
はあと聞こえるほど、リアトリスは嘆息を零す。
「そもそも、私が同行する必要はないでしょう。欲しいなら差し上げます」
「そうもいかない事情がありまして。ぶんどるなら、あなたも一緒でないと駄目だと、彼女にこっそり忠告されました」
コンラッドの示す彼女は審査員のことだと、リアトリスはすぐに分かった。
そして、審査員が匂わせていた盗み聞きしていた人物がコンラッドを指していたことも、リアトリスは気づく。
申し訳なさそうな顔色のコンラッドに、リアトリスは大きく息を吸って、長く息を吐き出す。
「一応確認なのですが、まだ決まっていないということでいいのでしょうか?」
「ええ。ほとんどの方が惨敗ですよ」
「そうなのですね」
未だ「特別な猫の尻尾」の正解に辿り着いた者はいないらしい。
リアトリスは広場に向かって歩き出す。オスカーもそれに続く。
その背を色彩の異なる双眸で見つめながら、コンラッドも後を追う。
* * *
広場に行く途中、既に不合格となった参加者が、飲食店でやけ酒を煽っていた。愚痴をこぼしたり、泣いたりしている者もいる。
それを尻目に見ながら、リアトリスたちは広場へと突き進んでいた。
広場は驚くほどにしんと静まり返っている。参加者や猫一匹見当たらない。
審査員がいるであろうテント前に行けば、待ち構えていたように審査員が中から出てきた。
「大分待ちましたよ。さあ、早く中へ」
「・・・・・・私とオスカーも一緒でいいのでしょうか?」
至極当然なリアトリスの質問に、審査員はくしゃりと笑う。
「審査員がいいとするのですから、いいのですよ」
「・・・・・・はい」
「また、結界と呪いを強めて、あなたたちが共に入ったことなど知られないよう施しました。あなたが心配しているような事態には、きっとなりませんよ」
先を見越して審査員が語るも、リアトリスは半分納得していない顔だ。
そんなリアトリスをオスカーが背中をぐいぐい押して、テントの中に入れてしまう。オスカーも中に入ると、コンラッドもテントの中に入った。
テントの中には物が一つもない。ぽっかりとはぎ取られた空間のようだった。
「さて、それでは答え合わせをしてもらいましょうか?」
三十分以上は経ったはずなのに、未だ参加者は自身の考える「特別な猫の尻尾」の真偽を審査員に判断してもらおうと、誰一人訪れない。
「まだ誰も来ませんね」
「そうですねぇ」
ほんわかとリアトリスと審査員が語り合う。
「もういっそ誰かに告げ口してみますか?」
「確かに、もういっそ、誰かに口を滑らせてしまうかもしれません」
「そう言ってしないでしょう? あなたと話していれば、それくらいは予想がつきます」
「そう、ですか」
審査員に変に馬鹿真面目な性分を見抜かれ、リアトリスは微妙な顔をした。
審査員はと言えば、にこやかな顔から真剣な面持ちに変わる。
「ただ、もしかしたら先ほどの会話を盗み聞きできた者はいないとは言い切れません。その者がきっかけを得て、答えに辿り着いても、私はそれを受け入れるまで。ですが、あなたはそのような勝利をどう思いますか?」
話の内容的に、また「気配遮断の魔法」がかけられたことを、リアトリスは察する。
審査員の瞳は、返答が待ち遠しいと告げている。
審査員から投げかけられた問いの中で、手柄を横取りされた側となるであろうリアトリスは、少し間を置いて返事をした。
「それでも、いいのではないでしょうか。世の中には、そのようなこと実際多いと思いますし。汚い手段を取ってでも勝ちに行きたいほど望む何かがあるわけで・・・・・・。それでもいいからこの国の次代を務めたい、この国を一途に想っている方であれば、私はそうなっても個人的にいいと思っています」
「分かりました。それがあなたの答えなのですね」
矛盾しているようにもとれるリアトリスの考えを、審査員はすっと受け入れる。すっくと立ちあがり、審査員はベンチに座ったままのリアトリスに視線を落とした。
「では、私はそろそろ本業に専念するとしますよ。あなたとお話しできて良かったです」
審査員が言い終わるや否や、リアトリスもベンチから立ち上がる。
「はい、私もお話しできて嬉しかったです」
* * *
「継承試練の儀」に参加中も、食事や買い物は普段通り行って構わない。
あれからリアトリスとオスカーは、周囲を散策して時間を潰し、昼食をゆっくりと食べ終えた。
その後は、図書館に行く。奥の人気のない席で、ひっそりとうたた寝を決め込む予定だ。
リアトリスはあまりにも暇だったのか、昼寝前に紙で一人しりとりをしていた。縛りは花に限定している。
『リナリア、アマリリス、スノーフレーク、クレマチス、スノードロップ、プリムラ、ラフレシア、アサガオ、オオイヌノフグリ、リンドウ、ウマノアシガタ、タチツボスミレ、レンゲソウ、ウツボカズラ、ランタナ、ナスタチウム、ムスカリ、リアトリス、ストック、クルマギク、クサノオウ、ウメ、メキシカンセージ、ジニア、アリッサム、ムラサキシキブ・・・・・・』
ブでギブアップしたようで、そこで終わっていた。
リアトリスは、不服そうな顔だ。
『ルドベキア・ルリチシャ・・・・・・、ルで終わる花ってなんだっけ?』
煮え切らない思いを、リアトリスはペンを走らせ、引き続き日本語で綴る。
前世もこのように花縛りの一人しりとりをしていて、その際にはルで終わる花も登場していた気がするのだが、リアトリスはいつまで経ってもそれが思い出せそうにない。そもそもどうやってその流れに持っていったのか、リアトリスは今となっては不思議にすら思えた。
考えども思い出せなかったので、もしかしたら記憶違いかもしれないとリアトリスは断念する。テーブルの上に突っ伏して、もう既に眠っているオスカーを見習って、リアトリスもしばし仮眠を取った。
* * *
リアトリスは夢を見ていた。
夢の中のリアトリスは、前世の知り合い数名と共に、電車か新幹線いずれかに乗り換えようとしている。知り合いの男子一人が、改札やチャージで道化のようにまごつく。そうして、次に乗ろうとする目的のそれにリアトリスが最後乗ろうとして、何故か目の前でドアが閉まってしまう。
リアトリスだけが乗れず、ただ一人その場に取り残された。
「ああ、またか」と夢の中のリアトリスは、その事実を苦い気持ちで受け入れる。
前世でも今世でも、リアトリスただ一人だけが弾かれるような事態はあった。
その度に、努力してもどうしようもならないことはあると、リアトリスは割り切ってきた。
今回一人だけ乗車できなかったように、降りかかる大抵の理不尽や悲劇に対し、そうなるべくしてそうなったのだと、大概リアトリスは諦観の念を抱くだけ。
夢の中ではそれがより顕著だなと、リアトリスはどこか冷静に思えてならなかった。
ゆっくりと、リアトリスの意識が現実に戻ってくる。
日はまだ落ちていない。
リアトリスが寝ぼけ眼で時間を確認すれば、十五時を回った頃であった。
「継承試練の儀」はどうなっているだろうか?
変な夢を見たせいか、まだ完全に目が覚めていないような思考で、リアトリスはぼんやり思った。
一度広場を見に行こうと、リアトリスは席を立つ。後片付けなど図書館を出る準備をしてから、気持ちよさそうに眠るオスカーをリアトリスは起こした。
リアトリスとオスカーが外に出ると、待ち人がいた。
「羨ましいほど余裕ですね」
図書館の外で待ち構えていたのは、コンラッドだった。
リアトリスは、コンラッドに「気配遮断の魔法」をかけられた感覚がよぎる。
「皮肉ですか?」
「そうとも言います」
リアトリスは小さく息を吐き、コンラッドは飄々と返事をした。
「広場まで一緒にご同行いただけますか?」
「嫌だと言ったら?」
眉をあからさまに顰めるリアトリスに、コンラッドは薄ら笑いを返した。
「強行突破するしかありませんね」
はあと聞こえるほど、リアトリスは嘆息を零す。
「そもそも、私が同行する必要はないでしょう。欲しいなら差し上げます」
「そうもいかない事情がありまして。ぶんどるなら、あなたも一緒でないと駄目だと、彼女にこっそり忠告されました」
コンラッドの示す彼女は審査員のことだと、リアトリスはすぐに分かった。
そして、審査員が匂わせていた盗み聞きしていた人物がコンラッドを指していたことも、リアトリスは気づく。
申し訳なさそうな顔色のコンラッドに、リアトリスは大きく息を吸って、長く息を吐き出す。
「一応確認なのですが、まだ決まっていないということでいいのでしょうか?」
「ええ。ほとんどの方が惨敗ですよ」
「そうなのですね」
未だ「特別な猫の尻尾」の正解に辿り着いた者はいないらしい。
リアトリスは広場に向かって歩き出す。オスカーもそれに続く。
その背を色彩の異なる双眸で見つめながら、コンラッドも後を追う。
* * *
広場に行く途中、既に不合格となった参加者が、飲食店でやけ酒を煽っていた。愚痴をこぼしたり、泣いたりしている者もいる。
それを尻目に見ながら、リアトリスたちは広場へと突き進んでいた。
広場は驚くほどにしんと静まり返っている。参加者や猫一匹見当たらない。
審査員がいるであろうテント前に行けば、待ち構えていたように審査員が中から出てきた。
「大分待ちましたよ。さあ、早く中へ」
「・・・・・・私とオスカーも一緒でいいのでしょうか?」
至極当然なリアトリスの質問に、審査員はくしゃりと笑う。
「審査員がいいとするのですから、いいのですよ」
「・・・・・・はい」
「また、結界と呪いを強めて、あなたたちが共に入ったことなど知られないよう施しました。あなたが心配しているような事態には、きっとなりませんよ」
先を見越して審査員が語るも、リアトリスは半分納得していない顔だ。
そんなリアトリスをオスカーが背中をぐいぐい押して、テントの中に入れてしまう。オスカーも中に入ると、コンラッドもテントの中に入った。
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