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見聞録
キュウテオ国編 ~特別な猫の尻尾⑭~
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キュウテオ国の広場には、「継承試練の儀」の参加者が集合していた。
この国だけでなく世界各国から参加者が集結したため、人族・獣人族始め、個性豊かな種族の特色をそれぞれが帯びている。
わいわいがやがやと人でごった返し、広場は実に騒々しい。
目的地に到着し、リアトリスとオスカーは、スフェンとコンラッドと別れることになった。
コンラッドはミネットと待ち合わせをしているとのことで、人混みの合間を縫って去っていく。
「期待してるよ」
まるで何もかも見透かしているかのような笑みを浮かべて、スフェンも去る。「継承試練の儀」に参加しないスフェンは、首都の広場が良く見える近くのとある建物内に待機するらしい。「継承試練の儀」を他の者たち同様、そこからのんびりと傍観するのだ。
そうしてぽつんと取り残され、今は広場の片隅にいるのが、リアトリスとオスカーである。
実は、リアトリスだけでは何かあった時に心配だと共に参加することとなったのが、オスカーなのだ。ちなみに、モンスターの参加者はオスカーが当然初である。
参加者だけでなく、観客も中々の数だ。宿や飲食店や土産屋では、「継承試練の儀」効果でそこそこ集客も良かったに違いない。
大勢の者たちがひしめき合い、キュウテオ国に多くいるはずの猫も異例の事態を警戒してか、はたまた本日はより一層参加者に追いかけ回される運命を察してか、広場付近には猫一匹見当たらない。
「継承試練の儀」にも規則はある。
まず、開催前に猫を捕まえておくことは禁止されている。
「特別な猫の尻尾」を獲得しようと、猫に危害を加えるのも駄目だ。
「道具」の中に猫を獲物として入れるのもいけない。これは他国から猫を持ち寄った者が多くなったのも要因だろう。その過去の経験を踏まえ、対策として開催側が「特別な猫の尻尾」はキュウテオ国以外の国の猫では非ずと、実は既に表明していた。
この催しに乗じた犯罪も当然ご法度。家猫や民家に逃れた猫を捕獲しようと不法侵入するなど、認められようはずもない。
飼い猫は飼い主に許可を得て連れて来る。
民家に入って来た猫は、今日はすぐに家の外に出すなり、入って来られないようにすることが義務付けられている。
それ以外にも縛りはたくさんあることを、リアトリスは今に至るまでに知った次第だ。
それら規則を破れば即失格となる。
また、一生に一度しか参加するチャンスがない上に、審査員に「特別な猫の尻尾」の正否を問う機会も一回のみ。
開始間近となり、広場中央ではこの国の役人らしき外見は三十路ほどの男性が、今一度それら規則を注意喚起していた。
そして、それの説明が一通り済むと、「特別な猫の尻尾」を発見次第どのようにすればいいか、声高らかに詳細を告げられる。
広場付近に立てられた、縦長の簡易テントの中で審査員と参加者が個別に面会し、判断が下されるそうだ。
占い師が中で占いでもするようなそのテントの中は、かなり強力な呪いや結界が張ってあり、他者に会話を拾うことはおろか盗み見ることもできないよう施されていることも語られる。
正解の「特別な猫の尻尾」を、キュウテオ国の国長以外に知られないための措置と言えるだろう。
「では、皆様に審査員をご紹介いたします」
その言葉に大勢の者が一気に視線を向けた。
男性の傍らには、淡い緑色のローブを来た者が控えている。フードをすっぽりとかぶり、顔は未だ分からない。
フードに細くて白い手がかかり、さあっとその人物の頭部が現れる。
審査員は、短いふわふわ且つピンクがかった赤髪の、四十代くらいの女性であった。細身でしゃんと真っ直ぐに伸びた背筋が、凛々しさを窺わせる。
周囲を巡らすは、鮮やかな葉のような緑色の瞳だ。
「僭越ながら、私が審査員を仰せつかっております。みなさまの御武運をお祈り申し上げます」
落ち着きのある、穏やかな声が広場周囲に広がる。
さざ波を打つように小さく騒がれる中、リアトリスは遠目から審査員の女性を見つめていた。細かく言うと、彼女のローブの一部を注視している。距離があるとはいえ、女性の着る淡い緑色のローブに赤い何かがあるのがちらりと視界に入った気がして、彼女はどうしてもそれが気になったのだ。
眉根を寄せて目を凝らせば、やはり女性の左胸辺りのローブ部分に何かが赤く刺繍されているのが間違いことに、リアトリスは気づいた。
なんだろうかと好奇心に引かれ、居ても立っても居られなくなったリアトリスは、オスカーを伴って審査員の女性のいる方へ近づいて行った。
もう間もなく、「継承試練の儀」の開始時刻となる。
運命の時間が刻一刻と迫る中、参加者たちは幕開けがまだなのに、広場の中心地からじりじりと遠ざかっていた。審査員が分かり、本格的に「特別な猫の尻尾」を誰よりも先に見つけ出す思いが強まったからだろう。
その波に乗らず、反対に中心地に向かうリアトリスとオスカーは、他の参加者たちを避けながら審査員の女性に大分近づいた位置に移動することが叶った。
審査員のローブに刺繍された赤い何かを、間近ではっきりと視界に入れたリアトリスは、驚異の目を瞠らずにはいられなかった。
赤い糸で、文字が刺繍されている。その文字は、こちらの世界の言葉ではなかった。
前世の記憶があるリアトリスは、すぐにそのことを知る。
何故ならば、刺繍されていた文字は、前世の一言語の筆記体だったからだ。
リアトリスは落ち着こうと、一度目を閉じて深呼吸する。
リアトリスのような存在は、この世界では珍しいが、何も彼女だけに限ったことではなかった。彼女のような境遇の者は意外にいる。実際彼女と同じく前世の世界からこちらの世界に生まれ変わった者を、彼女は自分含めて四名知っていた。
だから、その文字がどうやってかこちらの世界に伝わっていたのだとしても、なんらおかしくはない。
審査員がリアトリスと同じ転生者の可能性も十分にある。
それらが問題なのではない。
リアトリスが今直面している問題は、その筆記体の解読であった。
リアトリスは生まれてきた時代背景と境遇から、筆記体は前世でも回数は少ないが書いた覚えはある。前世の自分のフルネームだけは、筆記体で書こうと思えば今すぐ書けるはずだ。
けれども、筆記体全てを覚えているわけではない。
つまり、リアトリスには筆記体の解読にあまり自信はなかった。
それでも、やるだけやってみようと、リアトリスは瞼をゆっくりと開け、刺繍を改めて見る。
左端は大文字なのはすぐに判断が着いた。ハートの記号かちょうちょが飛んでいるかのような文字は、おそらくA。次の二文字は分かりやすい小文字のcとaだ。その次の文字は、小文字のlとyだろうかと、リアトリスは推測する。
yの次が強敵だ。それはひとまず保留しておく。
その強敵の次は、多分小文字のhで最後は小文字のaで終わっていた。
リアトリスは強敵の小文字を頭の隅に追いやって、試しに頭の中でそれの読み方を考えた瞬間、雷に打たれたような衝撃が走る。
答えは、リアトリスが想像した以上に、あっけなく分かった。
強敵の一文字がどの小文字か判明せずとも、その単語が指し示す意味は、多分リアトリスが考えるもので間違いないと彼女は確信する。
リアトリスの導き出した「特別な猫の尻尾」が、中らずと雖も遠からずだった理由が、正に明らかになった瞬間だった。
また、審査員が他国の者と聞き、言葉で説明しようもなかった引っ掛かる苛立ちの正体も、その筆記体のおかげでようやくリアトリスは分かった次第である。
「ああ。なんだ、そっちが答えか」
リアトリスの感嘆にも似た独り言は、その場にいる誰にも理解できはしない。強いて理解者を挙げるなら、彼女の傍らに佇むオスカーくらいだろう。
リアトリスが喋ったのは日本語。この世界の言葉ではないのだから。
この国だけでなく世界各国から参加者が集結したため、人族・獣人族始め、個性豊かな種族の特色をそれぞれが帯びている。
わいわいがやがやと人でごった返し、広場は実に騒々しい。
目的地に到着し、リアトリスとオスカーは、スフェンとコンラッドと別れることになった。
コンラッドはミネットと待ち合わせをしているとのことで、人混みの合間を縫って去っていく。
「期待してるよ」
まるで何もかも見透かしているかのような笑みを浮かべて、スフェンも去る。「継承試練の儀」に参加しないスフェンは、首都の広場が良く見える近くのとある建物内に待機するらしい。「継承試練の儀」を他の者たち同様、そこからのんびりと傍観するのだ。
そうしてぽつんと取り残され、今は広場の片隅にいるのが、リアトリスとオスカーである。
実は、リアトリスだけでは何かあった時に心配だと共に参加することとなったのが、オスカーなのだ。ちなみに、モンスターの参加者はオスカーが当然初である。
参加者だけでなく、観客も中々の数だ。宿や飲食店や土産屋では、「継承試練の儀」効果でそこそこ集客も良かったに違いない。
大勢の者たちがひしめき合い、キュウテオ国に多くいるはずの猫も異例の事態を警戒してか、はたまた本日はより一層参加者に追いかけ回される運命を察してか、広場付近には猫一匹見当たらない。
「継承試練の儀」にも規則はある。
まず、開催前に猫を捕まえておくことは禁止されている。
「特別な猫の尻尾」を獲得しようと、猫に危害を加えるのも駄目だ。
「道具」の中に猫を獲物として入れるのもいけない。これは他国から猫を持ち寄った者が多くなったのも要因だろう。その過去の経験を踏まえ、対策として開催側が「特別な猫の尻尾」はキュウテオ国以外の国の猫では非ずと、実は既に表明していた。
この催しに乗じた犯罪も当然ご法度。家猫や民家に逃れた猫を捕獲しようと不法侵入するなど、認められようはずもない。
飼い猫は飼い主に許可を得て連れて来る。
民家に入って来た猫は、今日はすぐに家の外に出すなり、入って来られないようにすることが義務付けられている。
それ以外にも縛りはたくさんあることを、リアトリスは今に至るまでに知った次第だ。
それら規則を破れば即失格となる。
また、一生に一度しか参加するチャンスがない上に、審査員に「特別な猫の尻尾」の正否を問う機会も一回のみ。
開始間近となり、広場中央ではこの国の役人らしき外見は三十路ほどの男性が、今一度それら規則を注意喚起していた。
そして、それの説明が一通り済むと、「特別な猫の尻尾」を発見次第どのようにすればいいか、声高らかに詳細を告げられる。
広場付近に立てられた、縦長の簡易テントの中で審査員と参加者が個別に面会し、判断が下されるそうだ。
占い師が中で占いでもするようなそのテントの中は、かなり強力な呪いや結界が張ってあり、他者に会話を拾うことはおろか盗み見ることもできないよう施されていることも語られる。
正解の「特別な猫の尻尾」を、キュウテオ国の国長以外に知られないための措置と言えるだろう。
「では、皆様に審査員をご紹介いたします」
その言葉に大勢の者が一気に視線を向けた。
男性の傍らには、淡い緑色のローブを来た者が控えている。フードをすっぽりとかぶり、顔は未だ分からない。
フードに細くて白い手がかかり、さあっとその人物の頭部が現れる。
審査員は、短いふわふわ且つピンクがかった赤髪の、四十代くらいの女性であった。細身でしゃんと真っ直ぐに伸びた背筋が、凛々しさを窺わせる。
周囲を巡らすは、鮮やかな葉のような緑色の瞳だ。
「僭越ながら、私が審査員を仰せつかっております。みなさまの御武運をお祈り申し上げます」
落ち着きのある、穏やかな声が広場周囲に広がる。
さざ波を打つように小さく騒がれる中、リアトリスは遠目から審査員の女性を見つめていた。細かく言うと、彼女のローブの一部を注視している。距離があるとはいえ、女性の着る淡い緑色のローブに赤い何かがあるのがちらりと視界に入った気がして、彼女はどうしてもそれが気になったのだ。
眉根を寄せて目を凝らせば、やはり女性の左胸辺りのローブ部分に何かが赤く刺繍されているのが間違いことに、リアトリスは気づいた。
なんだろうかと好奇心に引かれ、居ても立っても居られなくなったリアトリスは、オスカーを伴って審査員の女性のいる方へ近づいて行った。
もう間もなく、「継承試練の儀」の開始時刻となる。
運命の時間が刻一刻と迫る中、参加者たちは幕開けがまだなのに、広場の中心地からじりじりと遠ざかっていた。審査員が分かり、本格的に「特別な猫の尻尾」を誰よりも先に見つけ出す思いが強まったからだろう。
その波に乗らず、反対に中心地に向かうリアトリスとオスカーは、他の参加者たちを避けながら審査員の女性に大分近づいた位置に移動することが叶った。
審査員のローブに刺繍された赤い何かを、間近ではっきりと視界に入れたリアトリスは、驚異の目を瞠らずにはいられなかった。
赤い糸で、文字が刺繍されている。その文字は、こちらの世界の言葉ではなかった。
前世の記憶があるリアトリスは、すぐにそのことを知る。
何故ならば、刺繍されていた文字は、前世の一言語の筆記体だったからだ。
リアトリスは落ち着こうと、一度目を閉じて深呼吸する。
リアトリスのような存在は、この世界では珍しいが、何も彼女だけに限ったことではなかった。彼女のような境遇の者は意外にいる。実際彼女と同じく前世の世界からこちらの世界に生まれ変わった者を、彼女は自分含めて四名知っていた。
だから、その文字がどうやってかこちらの世界に伝わっていたのだとしても、なんらおかしくはない。
審査員がリアトリスと同じ転生者の可能性も十分にある。
それらが問題なのではない。
リアトリスが今直面している問題は、その筆記体の解読であった。
リアトリスは生まれてきた時代背景と境遇から、筆記体は前世でも回数は少ないが書いた覚えはある。前世の自分のフルネームだけは、筆記体で書こうと思えば今すぐ書けるはずだ。
けれども、筆記体全てを覚えているわけではない。
つまり、リアトリスには筆記体の解読にあまり自信はなかった。
それでも、やるだけやってみようと、リアトリスは瞼をゆっくりと開け、刺繍を改めて見る。
左端は大文字なのはすぐに判断が着いた。ハートの記号かちょうちょが飛んでいるかのような文字は、おそらくA。次の二文字は分かりやすい小文字のcとaだ。その次の文字は、小文字のlとyだろうかと、リアトリスは推測する。
yの次が強敵だ。それはひとまず保留しておく。
その強敵の次は、多分小文字のhで最後は小文字のaで終わっていた。
リアトリスは強敵の小文字を頭の隅に追いやって、試しに頭の中でそれの読み方を考えた瞬間、雷に打たれたような衝撃が走る。
答えは、リアトリスが想像した以上に、あっけなく分かった。
強敵の一文字がどの小文字か判明せずとも、その単語が指し示す意味は、多分リアトリスが考えるもので間違いないと彼女は確信する。
リアトリスの導き出した「特別な猫の尻尾」が、中らずと雖も遠からずだった理由が、正に明らかになった瞬間だった。
また、審査員が他国の者と聞き、言葉で説明しようもなかった引っ掛かる苛立ちの正体も、その筆記体のおかげでようやくリアトリスは分かった次第である。
「ああ。なんだ、そっちが答えか」
リアトリスの感嘆にも似た独り言は、その場にいる誰にも理解できはしない。強いて理解者を挙げるなら、彼女の傍らに佇むオスカーくらいだろう。
リアトリスが喋ったのは日本語。この世界の言葉ではないのだから。
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