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⑥ 歴史あるハンバーグ

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 ソース作りか……それは予想してなかったな。
 水斗君は冷蔵庫から色々と調味料を取り出して持ってきた。

「これは、白ワインで、これは中濃ソース、あとはケチャップっと」

 一つずつ指を差しながら説明してくれる。
 お父さんも「ちゃんと覚えてるなぁ」とニコニコしながらほめた。

「うん! ちゃんと覚えてるよ! あ、中濃ソースとケチャップはお肉の中にも入れてるんだよね!」
「おお、そこまで覚えてるのか。そうだよ、お肉にも少しだけ入れてある」
「もちろんだよ父さん!」

 水斗君はハンバーグを焼いたばかりのフライパンに、持ってきた調味料を順番に入れた。
 ハンバーグの肉汁も混ざって、お店で食べているハンバーグのソースみたくなった。
 さすが、料理の天才小学生……。

「これをハンバーグの上からかけて……」
「うわぁ、すごい……美味しそう」
「完成! 水斗特製……っていうか、ひばな特製ハンバーグ! 召し上がれ!」

 真っ白な皿の上に、ピカピカ光っているハンバーグがのっている。
 水斗君が店内のテーブルまで運ぶ。
 お父さんが「ヒビコちゃんも、水斗について行きなさい」と背中を押してくれた。
 お店の綺麗なテーブルで食べていいなんて、優しいお父さんだなぁ。

「ヒビコ! この席で食べていいぞ!」

 家族が使うような大きな席だ。
 こんな広い席、使っていいの?
 あのお父さんから、優しさまでも学んでいるんだな。

「ありがとう……いただきます」
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