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16(ウィリス)
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「私を愛しているのね、可愛い人。ウィリス、私を選んでくれて本当にありがとう」
揺れる馬車の中で密着しているソフィア王女がするりと僕の頬を撫でた。
手の形まで美しく、なめらかな肌の質感はまるで夢のようだ。
栄華を誇るハルトルシア王国の王女がこの僕を愛しているなんて。
本当に、何度もこれは夢ではないかと疑った。幸福感に包まれて目覚めると、あのちびで不細工な面白味の欠片もない女、真面目腐ったヒルデガルドが、僕の未来の妻を気取ってのうのうと暮らしており、天国から地獄へと墜落した僕は酷い失望感に苛まれるのではないか……そう疑い続けた。
だが、違った。
ソフィア王女は明確に僕を奪い、暗黒とまでは言わないにしろ不自由で窮屈なつまらない灰色の世界から救い出してくれた。
あんなつまらない令嬢にこの僕は勿体ない。
僕の美しさやシェロート伯爵家の誇りは、祈りで賄えるほど安くはないのだ。
聖典祭に選出された名家だからなんだというのか。
あの誰にも愛されることもないであろう平凡な顔の不格好な丸さはなんだ。この僕の隣に立つのにまるで相応しくないじゃないか。
あんな不細工の血を混ぜてしまったら不細工が産まれてしまう。シェロート伯爵家の美を損なうと、父は何故わからなかったのか。
併しヒルデガルドとの結婚を強いた頑固な父も、今では聖女に裏切られた、魔女に騙されていたなどと本気で宣い、ヒルデガルドを忌み嫌いながら僕の熱愛を喜んでいる。
ソフィア王女は素晴らしい女だった。
冷酷にさえ見える壮絶な美貌は見る者の目を奪い息をすることさえ忘れさせる。何故かといえば、美しい肉体の器の中に情熱的な真の人格が秘められているからだ。それを感じ取り、人間は屈する。畏怖の念を抱き、虜になる。
艶めく長い黒髪は星を纏う夜空そのものであるかの如く神秘的で、甘い香りを漂わせている。
はちみつを思わせる濃い琥珀色の瞳は神秘を秘め煌めき、僕を誘う。
ソフィア王女は妖艶な姿を惜しまず僕に捧げてくれた。
不細工なくせに貞淑ぶって出し惜しみばかりしていたヒルデガルドとは大違いだった。本当に下らない女と婚約し時間を無駄にしたものだと思う。
だが、まあ清々した。
貞淑の見本かの如く認知されていたヒルデガルドは、今じゃあ男娼を買った淫乱女として「汚れた令嬢」の汚名で蔑まれている。いい気味だ。抱けば所詮、女はみんな娼婦のくせに。気取りまくって何度僕を苛つかせたか。僕に抱いて貰いたがって懇願するヒルデガルドを何度も想像したが、そもそも不細工なので逆に萎えた。謂わばヒルデガルドは女として欠陥品だったのだ。
あんな女と結婚するなんて、ありえない。
あんな妻など世界中どこを探しても欲しがる男は一人もいない。
僕は充分、耐え忍んだ。
そして時を得たのだ。
僕は真の人生を与えられた。
ソフィア王女の婿となり、これからは殿下と呼ばれ、王族の一員となる。シェロート伯爵家は王家と縁戚関係を結ぶのだ。未来の王子はシェロート伯爵家の血筋を持つかもしれない。僕の子孫がハルトルシアの国王になるかもしれない。
「愛しています、ソフィア様」
僕が熱い想いを伝えると、ソフィア王女は嫣然と微笑み、僕の頬を撫でながらねっとりと唇をしゃぶり始めた。
ふわりと僕に覆いかぶさる艶めく黒髪の甘い匂いに誘われ、目を閉じる。恍惚感が僕を燃やす。
併し官能的な夢の一時はすぐに終わりを迎える。
無慈悲にも馬車が目的地に着いたのだった。
「あなたと愛し合いたい。早く夜が来ればいいのに」
ソフィア王女の甘い唇に追い縋り想いを伝えると、眩暈がするほど優美な笑みでその人は答えた。
「ええ、私も。でも」
併し今日の目的を僕とてよくよく弁えている。
正式な婚約発表の前に、ソフィア王女の特別親しい友人たちと親睦を深めるのだ。
「私の大切なお友達と仲良くなってほしいの。ウィリス、お願い。皆を楽しませて」
王女の恋人として、そして未来の婿として、気の利く男であることを求められているのは正直かなり気分がいい。
自尊心が擽られ、僕は今すぐ愛し合いたい情熱をさほど苦労せず制御することができた。
馬車の扉が開かれる。
僕は颯爽と先に下り、ソフィア王女に手を差し伸べた。
なめらかな指先が僕に体の重みをしっかりと預けてくれる。
ソフィア王女を抱き、ソフィア王女の熱さを知り、ソフィア王女の歓喜を享受しているこの僕に只の伯爵令息ではない新たな歴史が刻まれる。
僕は王女の男。
王族になるのだ。
ヒルデガルドなど僕が今し方踏み潰した蟻のような存在だった。
「パメラ夫人はとても面白い方よ」
僕と並んで優雅に歩きながらソフィア王女が悪戯っぽい笑みを向けてくる。その、はちみつ色の瞳が、夢見る乙女のように無垢な輝きを放つ。
「数年前に未亡人となってからも、夫の甥にあたる方が成人するまでの間デシュラー伯領を一任されている女傑として有名ですね」
「御存じなのね」
「はい。それもやはり王妃様がいてくださるからでしょうか」
女に領地経営能力があるとは思えないが、稀に奇跡は起きる。
ソフィア王女の母君である此処ハルトルシア王国の王妃がいい例だ。国王の寵愛を受け、その証に王国でただ一人の女公爵という名誉を与えられた。実質的には一公国の女君主に近い立場にある。ハルトルシア王国の栄華が如何に素晴らしいかを示す事例だ。
「お母様は名ばかり領主で実際に統治しているわけではないわ。生まれ故郷という理由だけで聖公領なんて立派な呼び名を与えられただけに過ぎないの。だけどパメラ夫人は違う。辣腕をふるっているのよ」
ソフィア王女が謙遜して笑う。
そんな可愛らしい一面もまた僕を虜にする。
僕はソフィア王女の婿となるだけでなく、王国を支配する国王陛下の息子となり、絶大的な人気を誇る王妃オクタヴィアの息子になるのだ。それが、神が僕に与えた奇跡だった。
情熱的な愛を越えた事態の重大さに一瞬だけ身が竦んだ。
「堅苦しく考えないで。私にとっては、一緒に遊んでくれるお友達の一人」
ソフィア王女が僕の背中を撫でて励ましてくれる。
「可愛いウィリス。きっとみんなも気に入るわ」
「そうだといいですが」
謙遜を気取ったわけではない。
いくら愛していようとも僕の女という人物は一国の王女なのである。場合によっては王妃直轄のクレーフェ聖公領がハルトルシア王国から独立を果たし、僕が二つの国の王族となる未来も夢ではない。
クレーフェ聖公国。
それは女君主が治める小国。
ソフィア王女は遠い未来、女王になるかもしれない。
その婿になるという栄誉には重責が伴う。
今日はその審問会であると思って然るべきだろう。
特別懇意にしている友人と私的な会合を設けていること自体、独立を視野に入れている可能性を匂わせている。
「……」
平凡な田園風景を背に建つ、何の変哲もないデシュラー伯爵の城。
全体的に質素な印象を受けるのは、やはり領主の死を何年経とうが悼んでいるという姿勢を表しているのか。
「緊張しているの?大丈夫よ。みんなあなたを待っていた。ずっと会いたがっていたの」
ソフィア王女が珍しく子どもじみた笑顔で僕を見上げた。
そして僕の腕にしなやかに腕を絡ませ、甘い夜を思わせるほど絡みつき、急くように足を速める。
この状況に緊張している自分を恥ずかしいとは思わなかった。
緊張している内に、僕は城内の小広間へと導かれていた。
そこは未亡人の趣味なのかやや薄暗く、秘密の会合を設けるにはうってつけであるように思われた。
薄暗さとは裏腹に豪華な料理が用意されている。その円卓を囲む面々が一斉に僕へと笑顔を向けた。
「紹介するわ。親愛なる皆様、新しいお人形のウィリスよ」
ソフィア王女の美しい声が興奮したようにコロコロと高鳴る。
「ウィリス。左から、女城主パメラ夫人、ダーマ伯爵夫妻、モリン伯爵令嬢アイリス、そして新しいお友達の男爵令嬢ジェーン・ライストよ。仲良くしてね」
揺れる馬車の中で密着しているソフィア王女がするりと僕の頬を撫でた。
手の形まで美しく、なめらかな肌の質感はまるで夢のようだ。
栄華を誇るハルトルシア王国の王女がこの僕を愛しているなんて。
本当に、何度もこれは夢ではないかと疑った。幸福感に包まれて目覚めると、あのちびで不細工な面白味の欠片もない女、真面目腐ったヒルデガルドが、僕の未来の妻を気取ってのうのうと暮らしており、天国から地獄へと墜落した僕は酷い失望感に苛まれるのではないか……そう疑い続けた。
だが、違った。
ソフィア王女は明確に僕を奪い、暗黒とまでは言わないにしろ不自由で窮屈なつまらない灰色の世界から救い出してくれた。
あんなつまらない令嬢にこの僕は勿体ない。
僕の美しさやシェロート伯爵家の誇りは、祈りで賄えるほど安くはないのだ。
聖典祭に選出された名家だからなんだというのか。
あの誰にも愛されることもないであろう平凡な顔の不格好な丸さはなんだ。この僕の隣に立つのにまるで相応しくないじゃないか。
あんな不細工の血を混ぜてしまったら不細工が産まれてしまう。シェロート伯爵家の美を損なうと、父は何故わからなかったのか。
併しヒルデガルドとの結婚を強いた頑固な父も、今では聖女に裏切られた、魔女に騙されていたなどと本気で宣い、ヒルデガルドを忌み嫌いながら僕の熱愛を喜んでいる。
ソフィア王女は素晴らしい女だった。
冷酷にさえ見える壮絶な美貌は見る者の目を奪い息をすることさえ忘れさせる。何故かといえば、美しい肉体の器の中に情熱的な真の人格が秘められているからだ。それを感じ取り、人間は屈する。畏怖の念を抱き、虜になる。
艶めく長い黒髪は星を纏う夜空そのものであるかの如く神秘的で、甘い香りを漂わせている。
はちみつを思わせる濃い琥珀色の瞳は神秘を秘め煌めき、僕を誘う。
ソフィア王女は妖艶な姿を惜しまず僕に捧げてくれた。
不細工なくせに貞淑ぶって出し惜しみばかりしていたヒルデガルドとは大違いだった。本当に下らない女と婚約し時間を無駄にしたものだと思う。
だが、まあ清々した。
貞淑の見本かの如く認知されていたヒルデガルドは、今じゃあ男娼を買った淫乱女として「汚れた令嬢」の汚名で蔑まれている。いい気味だ。抱けば所詮、女はみんな娼婦のくせに。気取りまくって何度僕を苛つかせたか。僕に抱いて貰いたがって懇願するヒルデガルドを何度も想像したが、そもそも不細工なので逆に萎えた。謂わばヒルデガルドは女として欠陥品だったのだ。
あんな女と結婚するなんて、ありえない。
あんな妻など世界中どこを探しても欲しがる男は一人もいない。
僕は充分、耐え忍んだ。
そして時を得たのだ。
僕は真の人生を与えられた。
ソフィア王女の婿となり、これからは殿下と呼ばれ、王族の一員となる。シェロート伯爵家は王家と縁戚関係を結ぶのだ。未来の王子はシェロート伯爵家の血筋を持つかもしれない。僕の子孫がハルトルシアの国王になるかもしれない。
「愛しています、ソフィア様」
僕が熱い想いを伝えると、ソフィア王女は嫣然と微笑み、僕の頬を撫でながらねっとりと唇をしゃぶり始めた。
ふわりと僕に覆いかぶさる艶めく黒髪の甘い匂いに誘われ、目を閉じる。恍惚感が僕を燃やす。
併し官能的な夢の一時はすぐに終わりを迎える。
無慈悲にも馬車が目的地に着いたのだった。
「あなたと愛し合いたい。早く夜が来ればいいのに」
ソフィア王女の甘い唇に追い縋り想いを伝えると、眩暈がするほど優美な笑みでその人は答えた。
「ええ、私も。でも」
併し今日の目的を僕とてよくよく弁えている。
正式な婚約発表の前に、ソフィア王女の特別親しい友人たちと親睦を深めるのだ。
「私の大切なお友達と仲良くなってほしいの。ウィリス、お願い。皆を楽しませて」
王女の恋人として、そして未来の婿として、気の利く男であることを求められているのは正直かなり気分がいい。
自尊心が擽られ、僕は今すぐ愛し合いたい情熱をさほど苦労せず制御することができた。
馬車の扉が開かれる。
僕は颯爽と先に下り、ソフィア王女に手を差し伸べた。
なめらかな指先が僕に体の重みをしっかりと預けてくれる。
ソフィア王女を抱き、ソフィア王女の熱さを知り、ソフィア王女の歓喜を享受しているこの僕に只の伯爵令息ではない新たな歴史が刻まれる。
僕は王女の男。
王族になるのだ。
ヒルデガルドなど僕が今し方踏み潰した蟻のような存在だった。
「パメラ夫人はとても面白い方よ」
僕と並んで優雅に歩きながらソフィア王女が悪戯っぽい笑みを向けてくる。その、はちみつ色の瞳が、夢見る乙女のように無垢な輝きを放つ。
「数年前に未亡人となってからも、夫の甥にあたる方が成人するまでの間デシュラー伯領を一任されている女傑として有名ですね」
「御存じなのね」
「はい。それもやはり王妃様がいてくださるからでしょうか」
女に領地経営能力があるとは思えないが、稀に奇跡は起きる。
ソフィア王女の母君である此処ハルトルシア王国の王妃がいい例だ。国王の寵愛を受け、その証に王国でただ一人の女公爵という名誉を与えられた。実質的には一公国の女君主に近い立場にある。ハルトルシア王国の栄華が如何に素晴らしいかを示す事例だ。
「お母様は名ばかり領主で実際に統治しているわけではないわ。生まれ故郷という理由だけで聖公領なんて立派な呼び名を与えられただけに過ぎないの。だけどパメラ夫人は違う。辣腕をふるっているのよ」
ソフィア王女が謙遜して笑う。
そんな可愛らしい一面もまた僕を虜にする。
僕はソフィア王女の婿となるだけでなく、王国を支配する国王陛下の息子となり、絶大的な人気を誇る王妃オクタヴィアの息子になるのだ。それが、神が僕に与えた奇跡だった。
情熱的な愛を越えた事態の重大さに一瞬だけ身が竦んだ。
「堅苦しく考えないで。私にとっては、一緒に遊んでくれるお友達の一人」
ソフィア王女が僕の背中を撫でて励ましてくれる。
「可愛いウィリス。きっとみんなも気に入るわ」
「そうだといいですが」
謙遜を気取ったわけではない。
いくら愛していようとも僕の女という人物は一国の王女なのである。場合によっては王妃直轄のクレーフェ聖公領がハルトルシア王国から独立を果たし、僕が二つの国の王族となる未来も夢ではない。
クレーフェ聖公国。
それは女君主が治める小国。
ソフィア王女は遠い未来、女王になるかもしれない。
その婿になるという栄誉には重責が伴う。
今日はその審問会であると思って然るべきだろう。
特別懇意にしている友人と私的な会合を設けていること自体、独立を視野に入れている可能性を匂わせている。
「……」
平凡な田園風景を背に建つ、何の変哲もないデシュラー伯爵の城。
全体的に質素な印象を受けるのは、やはり領主の死を何年経とうが悼んでいるという姿勢を表しているのか。
「緊張しているの?大丈夫よ。みんなあなたを待っていた。ずっと会いたがっていたの」
ソフィア王女が珍しく子どもじみた笑顔で僕を見上げた。
そして僕の腕にしなやかに腕を絡ませ、甘い夜を思わせるほど絡みつき、急くように足を速める。
この状況に緊張している自分を恥ずかしいとは思わなかった。
緊張している内に、僕は城内の小広間へと導かれていた。
そこは未亡人の趣味なのかやや薄暗く、秘密の会合を設けるにはうってつけであるように思われた。
薄暗さとは裏腹に豪華な料理が用意されている。その円卓を囲む面々が一斉に僕へと笑顔を向けた。
「紹介するわ。親愛なる皆様、新しいお人形のウィリスよ」
ソフィア王女の美しい声が興奮したようにコロコロと高鳴る。
「ウィリス。左から、女城主パメラ夫人、ダーマ伯爵夫妻、モリン伯爵令嬢アイリス、そして新しいお友達の男爵令嬢ジェーン・ライストよ。仲良くしてね」
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