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怒涛の新婚生活となった。
姉と元修道騎士が逞しい中年女ブランカを伴いノルドマン伯爵家にやって来たが、そこでも姉妹の醜い再会を目の当りにして、姉と修道院が主導する形でルーツは救護院に引き取られていった。
ノルドマン伯爵家は高齢だった先代伯爵がぽっくり逝き、夫の死を受け入れられず妻ティルダが発狂した。公にはそういうことになった。
オルガはジェシカに自分が母親であることは生涯告げないそうだ。
そしてルーツとの面会も生涯しないと決めているらしい。当然だ。シスターでありながら実母を殺してしまうかもしれないほど恨んでいるのだから。
ジェシカは現在、姉が傍に置いている。
私の目から見ても過剰なほどの情が沸いているのは確実だったし、不謹慎なほど親密に見えた元修道騎士の従姉の娘だから他人事ではないと考えていそうなのも少し笑えた。
私は腹部に手を添えた。
「……」
あの時、義両親を片付ける為に妊娠を装った。
姉がエディと婚約していた頃から肉体関係があったのは事実で、エディが信じてくれたから成功したのだ。
嘘のつもりだった。
エディを愛するふりをして、帳尻を合わせるつもりでいた。
併し、番狂わせが起きた。
「エディ、大丈夫よ。私はあなたと結婚したのだもの。あなたの親がどんな人間だったかなんて関係ない」
「ノーラ……」
「あなたを傷つけて、ごめんなさい」
これが、本心になってしまった。
私はエディが好きで、大好きで、愛していて、平民の息子だろうともう関係なくなってしまっていたのだ。
「謝らないで。僕は、君に帰って来てもらえるような男じゃないんだ」
「いいえ。あなたは私と出会い、愛しあった。それがあなたの人生よ。私は傍にいるの」
「巻き込んでごめん……」
「違う。私があなたを選んだのよ。あなたと生きていきたいの。愛してるわ、エディ」
そして本当に妊娠していた。
幸いにも悪阻が軽かったのでその後の問題もエディを陰から支えつつ乗り越えることができた。
「もし問題になりそうなら俺が罪を被ります。窃盗でも暴力でも殺人でも、なんでも構いません」
充分な口止め料を渡して送り出そうとしたその時、メルケル・フェーストレームは神妙な面持ちでそう申し出た。
ルーツはティルダとして生きている間、召使の中から娘の相手を見繕い、自身が教育されたあの細い廊下の先の部屋に監禁したらしかった。
男たちは病死や窓からの逃亡に失敗して墜落死や口を濁すような事件もいくつかあったらしく、何人かの入れ替わりを経てあの三人が私とジェシカに宛がわれることになっていたようだ。
フェーストレームは双子の兄をあの部屋で亡くしていた。
それが食事係のジェシカを守ろうと決意した瞬間だったと説明され、今後のジェシカの人生の為にノルドマン伯爵家は存続してほしいとのことだった。
「その時は声を掛けるわ。でも、心配しないで」
私は口止め料を倍にしてフェーストレームを見送った。
エディの父親ヴィルヘルム・ハフグレンは、自分の存在がノルドマン伯爵家にとって不都合だということをよく理解していた。
ルーツのことも可哀相だと思っているそうで、息子エディへの愛情もあるようだった。
またジェシカもフェーストレームとハフグレンが親切でよく庇ってくれたと言っている。
私は、もしもの時に本当に身を呈してノルドマン伯爵家を守るのはハフグレンの方だと直感した。
実際、エディそっくりな顔でうろついてもらっては困るので、生活を立て直すだけの手切れ金を渡して送り出し、毎月の援助という名目で関りを持ち続ける道を選んだ。エディには頃合いをみて打ち明ける。
ところで。
「ノルドマン伯爵家の秘密を守って欲しかったら──」
テオドール・ボードに強請られた。
エディやルーツに言うならまだ気持ちは理解できる。寧ろ当然の権利だろうとも思う。
併し、ルーツが彼らにしたのは監禁ではあったが労働がいっさいなく健康的な生活が担保されていた。
貴族同等の食事をとり、誰に見せるわけでもないのに身形も整えられていた。正にペットだ。
同情するが図に乗るなとも言いたい。
「誰にものを言っているの?私はノルドマン伯爵夫人、正真正銘の貴族。この額に満足できないというのなら、一生、お金に困らない場所を用意してあげてもいいのよ?」
元は平民。
貴族から暗に〝口を封じるのは簡単だ〟と脅し返されれば何も言えない様子だった。
ただ追い詰めすぎて自暴自棄になったところを政治利用でもされたらノルドマン伯爵家は終わる。私はエディにボードは飼い慣らしたほうがいいと話をもちかけた。
何かあれば始末すればいいだけの話だ。
エディを愛しているからといって、他の平民まで私に分不相応な要求をしていいことにはならない。
上級使用人にすると約束して、教育と称して修道院に送った。
上手く育てば約束を守るつもりだし、期待外れのときは……
「ノーラ」
エディが卑屈になるのは私が最も望まないことの一つだった。
でもエディの不安を拭うのも私の役目だと思っていたし、誇りを持って欲しかった。
今日も私とエディは手を繋ぎ座っていた。
自分の両親が狂人というのはどんな気分だろう。
自分が実は貴族ではなかったというのは、どんな気分だろう。
苦しみを分け合うには身分が違い過ぎた。
ただ、寄り添うことはできる。
「なぁに?」
目立ち始めたお腹には繋いでいないほうの手を添えて、私はエディの肩に頭を預ける。
「本当にこれでいいんだろうか。僕は」
「伯爵令息やってきたのだから知っているでしょう?貴族の中には、なかなか跡継ぎが出来なくてその辺の捨子を拾って来て堂々と爵位継承させる人だっているのよ」
「それは、よくないことだよ」
私は笑った。
「物の喩えよ。あなたは違う。私と愛しあって、私が嫁いできた。あなたはノルドマン伯爵になった。私はノルドマン伯爵夫人になった。子どもも産まれてくる。あなたは伯爵家に生まれ、伯爵になり、貴族として生きていくのよ」
「……」
「知らなかったら自信満々に生きたでしょう?私への愛を大声で叫んで」
「うん」
「だから私の為に強くなって」
エディは私の瞳を覗き込んだ。
私もエディの瞳を覗き込んだ。
互いの中に真実を探しているなら、それは在った。
身分が違う。
嘘がある。
忌まわしい秘密がある。
でも、確かに愛している。
「これが私たちの人生よ。愛があれば、全ての困難は乗り越えられる」
唇が近づいた。
「君の傍で死ねるように、ノルドマン伯爵として生き切るよ」
「そうして」
「愛してる、ノーラ」
唇が重なった。
結婚前の秘密のキスや、結婚式の喝采を浴びるような熱いキスとは違う、静かな誓いのキス。
唇が離れた瞬間、私はエディの手を握る手に力を込めた。
「死んでも離さないわ」
エディはキスで応えた。
応え続けた。
綺麗な愛じゃないかもしれない。
人に言えない秘密があるかもしれない。それが互いの心を蝕むかもしれない。
でも、だから何?
私が私の人生を生きて、死ぬときに実感できればいい話だ。
愛する人と生きた、いい人生だった、満足だ、そう思えればいい。
それを確かめるのが人生だと思っている。
愛せるものを他人からポンと貰いたいとは思わない。
私が欲しいから奪い取った結婚だ。人生で一番の宝物……は言い過ぎかしら?
自分を愛して、自分の人生を愛して、大切にして生きていく。
私はノルドマン伯爵夫人。
名誉も財産もエディも私が守る。
私を強くしてくれたのは、他でもない、かけがえのないエディの愛だ。
姉と元修道騎士が逞しい中年女ブランカを伴いノルドマン伯爵家にやって来たが、そこでも姉妹の醜い再会を目の当りにして、姉と修道院が主導する形でルーツは救護院に引き取られていった。
ノルドマン伯爵家は高齢だった先代伯爵がぽっくり逝き、夫の死を受け入れられず妻ティルダが発狂した。公にはそういうことになった。
オルガはジェシカに自分が母親であることは生涯告げないそうだ。
そしてルーツとの面会も生涯しないと決めているらしい。当然だ。シスターでありながら実母を殺してしまうかもしれないほど恨んでいるのだから。
ジェシカは現在、姉が傍に置いている。
私の目から見ても過剰なほどの情が沸いているのは確実だったし、不謹慎なほど親密に見えた元修道騎士の従姉の娘だから他人事ではないと考えていそうなのも少し笑えた。
私は腹部に手を添えた。
「……」
あの時、義両親を片付ける為に妊娠を装った。
姉がエディと婚約していた頃から肉体関係があったのは事実で、エディが信じてくれたから成功したのだ。
嘘のつもりだった。
エディを愛するふりをして、帳尻を合わせるつもりでいた。
併し、番狂わせが起きた。
「エディ、大丈夫よ。私はあなたと結婚したのだもの。あなたの親がどんな人間だったかなんて関係ない」
「ノーラ……」
「あなたを傷つけて、ごめんなさい」
これが、本心になってしまった。
私はエディが好きで、大好きで、愛していて、平民の息子だろうともう関係なくなってしまっていたのだ。
「謝らないで。僕は、君に帰って来てもらえるような男じゃないんだ」
「いいえ。あなたは私と出会い、愛しあった。それがあなたの人生よ。私は傍にいるの」
「巻き込んでごめん……」
「違う。私があなたを選んだのよ。あなたと生きていきたいの。愛してるわ、エディ」
そして本当に妊娠していた。
幸いにも悪阻が軽かったのでその後の問題もエディを陰から支えつつ乗り越えることができた。
「もし問題になりそうなら俺が罪を被ります。窃盗でも暴力でも殺人でも、なんでも構いません」
充分な口止め料を渡して送り出そうとしたその時、メルケル・フェーストレームは神妙な面持ちでそう申し出た。
ルーツはティルダとして生きている間、召使の中から娘の相手を見繕い、自身が教育されたあの細い廊下の先の部屋に監禁したらしかった。
男たちは病死や窓からの逃亡に失敗して墜落死や口を濁すような事件もいくつかあったらしく、何人かの入れ替わりを経てあの三人が私とジェシカに宛がわれることになっていたようだ。
フェーストレームは双子の兄をあの部屋で亡くしていた。
それが食事係のジェシカを守ろうと決意した瞬間だったと説明され、今後のジェシカの人生の為にノルドマン伯爵家は存続してほしいとのことだった。
「その時は声を掛けるわ。でも、心配しないで」
私は口止め料を倍にしてフェーストレームを見送った。
エディの父親ヴィルヘルム・ハフグレンは、自分の存在がノルドマン伯爵家にとって不都合だということをよく理解していた。
ルーツのことも可哀相だと思っているそうで、息子エディへの愛情もあるようだった。
またジェシカもフェーストレームとハフグレンが親切でよく庇ってくれたと言っている。
私は、もしもの時に本当に身を呈してノルドマン伯爵家を守るのはハフグレンの方だと直感した。
実際、エディそっくりな顔でうろついてもらっては困るので、生活を立て直すだけの手切れ金を渡して送り出し、毎月の援助という名目で関りを持ち続ける道を選んだ。エディには頃合いをみて打ち明ける。
ところで。
「ノルドマン伯爵家の秘密を守って欲しかったら──」
テオドール・ボードに強請られた。
エディやルーツに言うならまだ気持ちは理解できる。寧ろ当然の権利だろうとも思う。
併し、ルーツが彼らにしたのは監禁ではあったが労働がいっさいなく健康的な生活が担保されていた。
貴族同等の食事をとり、誰に見せるわけでもないのに身形も整えられていた。正にペットだ。
同情するが図に乗るなとも言いたい。
「誰にものを言っているの?私はノルドマン伯爵夫人、正真正銘の貴族。この額に満足できないというのなら、一生、お金に困らない場所を用意してあげてもいいのよ?」
元は平民。
貴族から暗に〝口を封じるのは簡単だ〟と脅し返されれば何も言えない様子だった。
ただ追い詰めすぎて自暴自棄になったところを政治利用でもされたらノルドマン伯爵家は終わる。私はエディにボードは飼い慣らしたほうがいいと話をもちかけた。
何かあれば始末すればいいだけの話だ。
エディを愛しているからといって、他の平民まで私に分不相応な要求をしていいことにはならない。
上級使用人にすると約束して、教育と称して修道院に送った。
上手く育てば約束を守るつもりだし、期待外れのときは……
「ノーラ」
エディが卑屈になるのは私が最も望まないことの一つだった。
でもエディの不安を拭うのも私の役目だと思っていたし、誇りを持って欲しかった。
今日も私とエディは手を繋ぎ座っていた。
自分の両親が狂人というのはどんな気分だろう。
自分が実は貴族ではなかったというのは、どんな気分だろう。
苦しみを分け合うには身分が違い過ぎた。
ただ、寄り添うことはできる。
「なぁに?」
目立ち始めたお腹には繋いでいないほうの手を添えて、私はエディの肩に頭を預ける。
「本当にこれでいいんだろうか。僕は」
「伯爵令息やってきたのだから知っているでしょう?貴族の中には、なかなか跡継ぎが出来なくてその辺の捨子を拾って来て堂々と爵位継承させる人だっているのよ」
「それは、よくないことだよ」
私は笑った。
「物の喩えよ。あなたは違う。私と愛しあって、私が嫁いできた。あなたはノルドマン伯爵になった。私はノルドマン伯爵夫人になった。子どもも産まれてくる。あなたは伯爵家に生まれ、伯爵になり、貴族として生きていくのよ」
「……」
「知らなかったら自信満々に生きたでしょう?私への愛を大声で叫んで」
「うん」
「だから私の為に強くなって」
エディは私の瞳を覗き込んだ。
私もエディの瞳を覗き込んだ。
互いの中に真実を探しているなら、それは在った。
身分が違う。
嘘がある。
忌まわしい秘密がある。
でも、確かに愛している。
「これが私たちの人生よ。愛があれば、全ての困難は乗り越えられる」
唇が近づいた。
「君の傍で死ねるように、ノルドマン伯爵として生き切るよ」
「そうして」
「愛してる、ノーラ」
唇が重なった。
結婚前の秘密のキスや、結婚式の喝采を浴びるような熱いキスとは違う、静かな誓いのキス。
唇が離れた瞬間、私はエディの手を握る手に力を込めた。
「死んでも離さないわ」
エディはキスで応えた。
応え続けた。
綺麗な愛じゃないかもしれない。
人に言えない秘密があるかもしれない。それが互いの心を蝕むかもしれない。
でも、だから何?
私が私の人生を生きて、死ぬときに実感できればいい話だ。
愛する人と生きた、いい人生だった、満足だ、そう思えればいい。
それを確かめるのが人生だと思っている。
愛せるものを他人からポンと貰いたいとは思わない。
私が欲しいから奪い取った結婚だ。人生で一番の宝物……は言い過ぎかしら?
自分を愛して、自分の人生を愛して、大切にして生きていく。
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