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第6章 冒険 -帝国編-
熱烈
しおりを挟む「シーマさーん!! 無事に帰ってきてくれて良かったですー!! ずっとこのままだったら私...ひっくひっく」
「...」×全員
無事にフィデールの宿に戻ってきたと思ったら、まさかまさかの展開が待っていた。
イースさんが泣き出さんばかりの勢いで抱きついてくるなど、熱烈に出迎えてくれたのだ。
突然のことでみんながみんな呆然としている。
「クリスさん、いったい何があったんですか?」
「アハハ.........。実はね、シーマくんが作っておいてくれた料理が早々に底をついちゃってね...。アルテさんの知恵を借りながらもイースが孤軍奮闘してくれてたんだけどさ...。慣れない作業だからあまりにも大変そうで、フォルティスさんにお願いしてシーマくん達が早く戻ってくるように迎えに行ってもらったんだ。上手く合流出来たみたいで良かったよ!!」
何だそれ?
俺、全然そんな話聞いてないけど!!
「...フォルティスさん!! どういうことですか!!」
「いや、シーマ。待て待て待て...汗」
「待たないですよ!! そんなこと一言も言ってなかったじゃないですか!! それなのに自分達は何食わぬ顔でここに戻ってくる途中も俺の料理を食べてましたよね!!」
「私のことを心配してたってのは嘘だったの?」
俺の怒りを含めた言葉に、当然とばかりにフィリアも乗っかってきた。
「いやいや、フィリア王女が心配だったのは本当だよ!! イースもずっと頑張ってくれたんだけどな...」
俺、結構な量を作り置きしておいたんだけどなー。
っていうか、俺がいないって分かってるんだから少しは食べる量をセーブすれば良かったんじゃないの?
「ごめんなさい。私達が食べ過ぎたせいで...」
「すまん...」
エテルナさんはともかく、オルテガさんにまで謝られちゃうとな...。許さざるを得ない。
まぁ、しょうがないか。
「わかりました。この件については俺にも非があるのでもう止めにします...が、フォルティスさん達はこれから数日ガンガン狩りをして来てくださいよ!!」
「おうよ!!」
「そっちは任せといて!!」
「無論だ」
とりあえず、フォルティスさんに対する制裁?はこれでいいとして、イースさんだよな...。何か労ってあげないといけないよな...。
何かデザートでも作ってあげるかー。
「イースさん、俺がいない間この猛獣たちに料理を作ってくれてありがとうございました。そのお礼といってはなんですが、今度イースさんのために新たなデザートを作りますので、それで元気を出してください」
「はい!! 楽しみにしてます」
「ありがとうシーマくん。イースも報われて良かったね」
「シーマの新作デザートか。私も食べたいけど今回はイースに譲ってあげる」
(猛獣たちって俺らのことか?)
(他に誰がいるのよ!!)
(...ガッデム!!)
(まさかそんな手があったとはね...)
(ボクも今度それにしようかな...)
(私はデザートよりも甘い夜のほうが...)
(どっちも捨て難いわね...)
(こんなにも皆さんを動揺させるシーマさんって...)
...。
エリシオンの3人の他にも、何やらボソボソと雑音が聞こえてくるけど、何も聞こえないフリをしとこ。
イチイチ吸い上げてたらキリが無さそうだしな。
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