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第6章 冒険 -帝国編-
バラす
しおりを挟む「そうだ!! シーマ、剣見せてよ」
カノン一家にまつわるいろいろなことが決まって、レーヴさんとルーチェさんが部屋に戻った後、セレナが急に思い出したように言い出した。
「ん? 構わないけど、何かあったのか?」
俺はそう言いながら、アイテムボックスからパズー(仮)を取り出して、セレナに向かって見せた。
「今まで気が付かなかったんだけどさ、シーマが使ってる剣って、そんなに黒かったっけ?」
「あぁ、それね。ボクも聞きたかったんだー。近くで見るとすごく黒々してるよ!!」
「ご立派に黒々としてるところは、まさにシーマさんのアレのようです!!」
「「えっ...照」」
あれっ?
シェリルも聞いてくるってことは、この刀のこと言ってなかったっけ?
まぁいいか。
レーヴさん達もいないし、この際だから説明しちゃおうかな。
それにしても、クラリスは油断してるとソッチに行きたがるよなー!! そういうのに免疫のないフィリアとカノンが顔を赤らめてるじゃん笑
俺って、そんなに黒々してるっけ?
「これは元々カノンの剣なんだ。先端が欠けてしまっだろ? それを修復した時にこうなっちゃったんだよね...」
「えっ、それじゃ、これもシータちゃんと同じように『神の声』なの?」
「いや、これは神の声のテスト品らしい」
「それじゃ、ルミナスみたいに意思は持ってないんですか?」
「あぁ、意思は持ってない。だけど、その分この剣は魔力さえ保たれてれば結婚硬いらしい」
「そうかー、だからカノンの剣は欠けちゃったんだー」
「ちょ、ちょっと待って下さい!! シータとか、ルミナスとか私の知らないことばかりが聞こえてくるんですけど...。ひょっとしてシーマさんから借りてる刀は『神の声』何ですか?」
「「「「刀?」」」」
「あれ? オルティアでは刀って言わないんですか? このように反っている片刃の剣を刀って言ってるんですよ」
「「「「へぇー!!」」」」
もっとも、俺は前の世界の知識で知っていたがあえて言わない。
でも、神の声については説明しないとな。
「話を元に戻すけど、俺がカノンに貸した刀は『神の声』だよ。意思を持っていて俺の魔力を通して話すことが出来るんだ。そしてシータって名付けた」
「ちなみに私のこの杖も『神の声』なんですよ。シーマさんがルミナスって名付けてくれました。魔力を注いだ時の流れで私とシーマさんがルミナスと話すことが出来ます」
俺の言葉にクラリスが続いた。
「そんな...。伝説とも言われている『神の声』が実在していて、しかも私の新しい家族が2つも持っているなんて...」
「ビックリでしょ。でも、今のところそれを知ってるのは私たちとクリスさん達くらいじゃないかな笑」
カノンが驚いた表情をして、それにフィリアが同調しつつも、さりげなく内密のことなんだよと伝えている。そういうところはさすがと言わざるを得ない。
「私が借りてるシータちゃん?とお話することは出来ないんですか?」
まぁ、そうくるよな。
あれだけの相性の良さを見せられたら、そう思っていたとしても不思議じゃない。
「その方法があるにはあるらしいんだけど、今の俺では無理らしいんだ。レベルアップしたら出来るようになるらしいからさ、その時まで待っててくれないかな?」
「むぅー。シーマさんばかりずるいです...」
「!!」
頬っぺた膨らましてむくれるカノンも可愛いなー!!
何話してたか忘れちゃいそうだ。
「カノン、シーマさんは『神の使い』だから。いろいろと特別なのよ。いちいち気にしてたら身が持たないわよ笑」
「はいっ? シーマさん、そうなんですか?」
「うん、まぁ。女神エルピスの使いではあるよね...」
「一体何なんですか、私の旦那様は!!」
「「「「わかる!!笑」」」」
何故か俺がディスられて、食堂は笑いに包まれた。
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