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第6章 冒険 -帝国編-
相性
しおりを挟む「カノン、これはどういうことなのかな?」
「すみません...。こんなことになるとは思ってなくて...」
出来るなら急いでオルティアに帰りたいのだが、いかんせん馬車の進みが遅い。
理由は実に簡単なことだ。
ハイドがシェスターにずっと寄り添うようにしてるから、シェスターがいつものペースで走れないのだ...。
そもそもハイドがオスだということも知らなかったし、実際会わせてみたら、こんなにグイグイくるとも思ってなかっただけに想定外ではあるんだけどな...。
うーん...。
シェスターも意外と満更でもなさそうだから余計に困る...。
シェスターとハイドのことを考えたら、ずっとこのままでもいいんだけど、ちょっとスピードだけでも上げられないかな...。
参ったな。
どうすればいいのかさっぱり分からん。
「シーマくんさ、助けてもらう身だから言うのに気が引けるけど、そんなに慌てて帰らなくてもいいんじゃない?」
「そうなんですかね...」
ルーチェさんが少しバツが悪そうにして話しかけてきたのだが、俺も微妙な感じでしか返せない。
確かに、一刻を争っているのかと言われるとそうではないんだよな…。かといって、あまりゆっくりもしていられない。
うーん...。
俺は焦っているのだろうか?
「ねぇシーマ。早く帰りたいのはわかるけど、ココはシェスターのペースに任せてみたら? 今までシェスターは何の文句も言わずに、ずっと私たちに合わせて走ってきたのよ?」
「!!」
「シェスターはただの馬車馬じゃない。私たちの大切な仲間なのよ?」
「そうだよなセレナ...わかったよ。今度は俺たちがシェスターに合わせないといけないんだな...」
「ふふっ、そうそう」
迷っていた俺を助けてくれたのはセレナの言葉だった。
本当にセレナはしっかりしてきたよな...。
こういう時に頼りになる。
それに比べて俺は、セレナはもちろん、シェリルやクラリス、そしてフィリアにも支えてもらってばかりだ。
みんなが俺の婚約者なのに、俺はその気持ちに応えられているんだろうか。
夜の事やエロエロなことばかり考えて少し浮かれていたのかもしれない。
事後のベッドで満足そうな顔を見るのが全てじゃないんだよなー。
揉めば揉むほど大きくなる胸を楽しんでる場合じゃないかもしれない。
もっと根本的な部分で彼女たちを幸せにしてあげないといけないんだ。
夜はもちろん頑張るけど、それ以外も頑張ろう。
ハイドを見習って、もっとみんなの気持ちに寄り添って行こう。
そして、もっと激しく愛されるくらいの人間にならねば...。
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