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第6章 冒険 -帝国編-
脱出
しおりを挟む「どうしたカノン?」
まさか、今になってオルティアに行くの止めるとか言わないよな?
「ハイドも一緒に連れて欲しいのですがダメでしょうか?」
「ハイド?」
「シーマくん、ハイドはね...農村に住んでた頃からずっと一緒にいる馬なのよ。カノンと仲が良いのよね...。私からもお願いしたいんだけど無理かしら?」
馬か...。
シェスターと一緒に馬車を引いてくれる馬を探してるところだからなー。ちょうどいいといえばちょうどいい。
まぁいいか。
とりあえず連れてって、シェスターとウマが合わなければ、レーヴさん達に飼ってもらえばいいもんな...。
「わかったよ。カノン連れて行こう。ただ、俺たちが馬車の馬を探してるのは知ってるよね?」
「もちろんです」
「シェスターとの相性にもよるけど、ハイドに馬車を引いてもらってもいいのか?」
「すみません。そこはハイドが望めばってことでもいいですか?」
「うん。それは問題ないよ」
「それではハイドをよろしくお願いします」
「わかった。どっちみち不自然さがないように、カノンには1人で街を出てもらうつもりだったんだ。それじゃカノンはハイドと一緒にテンペスタを出て、セレナたちと合流してくれるか?」
「わかりました。ありがとうございます」
「それじゃあ、馬車でまた会おう!!」
「はい!!」
元気よく返事したカノンは、ハイドの待つ厩舎へと駆け出して行った。
「後はお2人の移動だけですね。テレポは俺以外に1人しか運べないので、まずはルーチェさんから行きましょうか」
「はいはい」
「テレポ」
俺はルーチェさんの手を取り、馬車の位置を確認してテレポで移動した。
「「「「シーマ(さん)!!」」」」
「ただいま。こちらはカノンのお母さんでルーチェさんだ。これからお父さんを連れて来るから後を頼む!!」
「「「「わかった!!」」」」
そして、またテレポでカノンの家へと戻った。
「?!」
あれ?
元の場所にレーヴさんがいない。
どうしたんだろ...。
「レーヴさん?」
「お、おう...早かったな。こんなに早く戻ってくるとは思ってなかったから、改めて家を回ってたんだよ...」
「戻ってきたら姿が見えないのでビックリしちゃいましたよ...」
「悪かったな。農村から移ってきたから、そんなに長いこといたわけじゃないんだけど、それでも俺の家には変わりないからさ...。」
確かにな...。
俺もたまに精龍亭のことが気になることがある。
男にとって家とはそういうもんなのかな...。
「オルティアで同じような家を用意出来るかは分かりませんけど、今よりは自由に暮らせると思いますよ?」
「そうだな...。オルティアにも知ってる人間がいることにはいるけど、まぁそれに頼らず自分達でやっていくさ!!」
「そうですね、その意気です!!」
「よし、それじゃ行くとするか!!」
「はい!! テレポ」
「あれ? もう来ちゃったー!!」
「ホントですねー」
「もうちょっとゆっくりでもよかったんですけどねー」
「「!!」」
おいおい。
俺がルーチェさんを置いてったのはついさっきだろ。
この短時間で何があったらそんなにすぐに仲良くなれるの?
ルーチェさんのコミュ力が半端ないのかなー?
「カノンのお父さんもいい男ですね!! さすがはルーチェさんです!!」
コクコク×3
「お、おう...」
「ふふん!!」
嫁ズたちからの評価に、満更でもない様子のレーヴさん。
平静を装っているけど相当嬉しいんだろうなー。ニヤニヤが隠しきれてないですよ?笑
何気にドヤ顔のルーチェさんも見逃せないところではある。
「あえて言うのもなんだけど、こちらがカノンのお父さんのレーヴさんだ」
「お嬢さん達、よろしくな!!」
「「「はい!!」」」
「あれ? レーヴさんって前に会ったことありますよね?」
ん?
レーヴさんって、シェリルの顔見知りなのかなー?
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