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第6章 冒険 -帝国編-
住み家
しおりを挟む「俺からも聞いておきたいことがあるんだけどさ…」
フィリアの話が一段落したところで俺もみんなに確認したいことがあったので話しかけた。
「何よ改まって…」
「そうだねー。それだけ重要なことなのかな?」
「私はいつでも子供を産む準備は出来てます!!」
「さらに嫁が増えるとか?」
…相変わらずクラリスだけ斜め上をいってるような気がするけど、聞き流しておくことにしよう。下手に絡むと本当に子供を作らなきゃいけなくなるしな苦笑
「俺が聞きたいのは、これから住む処だよ。ココがいいっていうのはあるのかな?」
「うーん…。私は両親がいるコスタが近ければそれに越したことはないけど、みんなのこともあるからね。特にそれにこだわったりはしないわ」
「ボクもグランツに近ければありがたいけど、みんなが納得出来るところならどこでもいいかな…」
「私はシーマさんが決めるところならどこまでもついて行きます。ただ、エピリシア教国は勘弁してもらいたいですけど苦笑」
「そうね…、私はオルティア王国の中だったらどこでも構わないかなー。王都もいろいろと窮屈になっちゃいそうだしね」
みんなそれぞれに思うところはあるようだけど、決め手となるようなものはないようだな。そしてそれは、逆に言えば決めやすいってことでもある。
「俺の中では、フィデールが第一候補なんだけどさ、どう思う?」
「あら、いいんじゃない? コスタも遠くないし」
「うん。グランツの側だからボク的には大歓迎だよ」
「私にとっては初めてのオルティアの街ですけど、良さそうなところですよね」
「王城も程よく遠いし問題はないけど、どうしてフィデールなの?」
みんなそれぞれ肯定的な返答をする中で、フィリアだけが問いかけをしてきた。
「理由はいくつかあって、セレナが言うようにコスタが近いっていうのが1つ。そしてルート商会が幅を利かせている地域だからいろいろと融通が効くっていうのも1つ。だけど、一番の理由はフィデールが国境の街で大き過ぎないってことかな…」
「「「「…」」」」
「国境の街だけあって、ココにはオルティアのモノはもちろん、エピリシアやカイゼルのモノだって入ってくる。しかもそれぞれの国の人の出入りもあるからさ、楽しく暮らせるんじゃないかなって思うんだよね…」
「私は賛成よ」
「ボクも」
「私もです」
「確かに楽しそうよね。分かったわ、私も賛成する。それで、住む家にはあてがあるのかしら?」
「あ、それなら今ロナルドさんに作ってもらってる新しい宿があるだろ? それでいいかなって思ってる。一応ロナルドさんにはその宿を置ける土地の話もしてあるんだ」
「新しい宿は持ち歩くためのものではなかったの?」
「いや、持ち歩きもするけど、普段から使えるものでもいいかなって…。置ける土地さえあれば可能だろ?」
「まぁ、それもそうね…。どこに行っても自分の部屋で寝れるのは理想的だしね。分かった。みんなもそれでいいかしら?」
「いいわよ」
「面白そうだし」
「みんなの部屋が別々ってことは、旅先の夜も…ぐふふふふ」
変な妄想してるのが1人いるが、そうだよな…どこに行っても誰かの日は継続されるってことかー。全く気付かなかったな…。俺、ホントに干からびちゃうんじゃないかな…。でもまぁ嫌いじゃないからいいか。
「…どうやら大丈夫みたいで良かったよ…。フィデールに帰る頃には新しい宿が出来てるはずだから、そしたらまたみんなで話そうな」
「「「「分かった(わ)」」」」
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