異世界テイスト ~宿屋の跡継ぎに転生した主人公の異世界飯テロチーレム冒険ファンタジー!!~

きーす

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第6章 冒険 -帝国編-

ほっとけない

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「ふぅー」




「シーマさんもいろいろと大変ですね苦笑」


 フィリア・フォルティスさん・イルマさん・ロナルドさんと次々に怒涛の訪問を受けぐったりしてる俺を見て、料理を手伝ってくれているイースさんが労うように言った。


「いったい何なんですかね? 俺もよく分からないです笑」

「ふふっ笑 みんなシーマさんが大好きなんですよ、きっと!!」

「そんなことないと思いますけどね...。たぶん料理が目当てでしょ?」

「それもありますけど、それだけじゃないと思いますよ?」

「そうなんですかねー」


 出会った時はあまり笑わなかったイースさんだが、クリスさんとの結婚が決まってからよく笑うようになった。
 フィリア王女お付きの侍女ってことで制限されてたこともいっぱいあったんだろうなー。それもフィリアが書簡でゼスト国王にお願いして、正式に侍女から外れたから堂々とエリシオンとして、そしてクリスさんの婚約者としていられるようになったんだ。さぞかし嬉しいことだろう。


「シーマさんと一緒にいると、みんなが幸せになってるような気がするんですよね。フィリア王女様はもちろん、私だって...」

「いやいや、イースさんについてはクリスさんがいたからでしょ!!」

「も、もちろんそれはそうなんですけど...照」

「アハハ、正直ですねー笑」

「で、でもこうやって皆さんが集まってきてるじゃないですか。しかも国レベルで重要な方ばかり!!」
 
「うん…まぁそうなのかなー。たまたまじゃないですか?笑」

「いや、絶対そうじゃないと思います!!」

「...」

「これからカイゼル帝国へ行って、カノンちゃんのご両親を助けに行くんですよね?」

「そうですね」

「それでカノンちゃんはもちろん、ご両親だってシーマさんのおかげで幸せになれるかもしれないんですよ?」

「そうなるといいですけどね…」


 いつも俺はフィリア王女なりエルピスなりに巻き込まれてる感があったから、あまりそういう風に考えたことがなかったな。
 周りからはそう見えるのかー。


「カノンちゃん、可愛いですもんねー!!」

「そうですね」

「若いのに胸も大きいですし」

「そうですね...っていやいや、それだけじゃないですよ? 何か可哀想っていうかほっとけないっていうか...そんな感じなんですよね」

「ふふっ笑 そんな必死になって否定しなくても分かってますよ笑」

「…」

「その『ほっとけない』っていうのが、シーマさんの優しさの元になっているんでしょうね、きっと!!」


 そう言われてみると、確かにほっとけないっていうケースはこれまでに多々あったよな。
 サザンベールの宿屋のロビンさんとリンダさんもあのままほっとくわけにはいかなかったし...。


「俺はただ、俺に出来ることはしてあげたいなって思ってるだけで...」

「でもそれって実は、やろうと思っても実際に行動出来る人って少ないんですよ? しかもシーマさんは高いレベルでそれが出来ちゃうんです」

「そうなのかなー」

「そうなんです!!」

「...」

「だから、これからもシーマさんにしか出来ないようなことをやって、みんなを幸せにしてあげて下さいね」

「はい。そうですね」

「そして、もしクリスさんが困っているようなことがあったら助けてあげて下さい」

「………もしかして、本当はそれが言いたかったの?」

「そ、そんなことないですけど...ついでにお願いしちゃおうかと笑」

「ハハハ笑 クリスさん愛されてるなー!!」

「シーマさん程じゃないと思いますけどね!!」

「…苦笑」


 ヤブヘビだった…。



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