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第6章 冒険 -帝国編-
あんたも移住?
しおりを挟む「おやおや、だいぶ忙しそうだねー!!」
フォルティスさんが出ていったと思ったら今度はイルマさんが入ってきた。
一難去ってまた一難か?
「誰が忙しくさせたと思ってるんですか?」
「あら、私のせいだって言うのかい?」
「違うんですか?」
「いや、違わない笑」
「でしょ?」
「だって、しょうがないじゃないか...」
何かどっかで聞いたような台詞だな。
まぁいいか。
「どっちみちクリスさん達用に作る予定でしたから構わないといえば構わないのですが...」
「ですが...何だい?」
「量が多い笑」
3人分の予定が8人分だもんな。
泣き言も言いたくなる。
「そうか。でも頑張れ!!」
「…」
まさに鬼畜の所業だな。
酷いにも程があるよ…。
「ちょっと会わない間にセレナのポーション作りが上達してたな」
「本人に言ってあげて下さい。相当喜ぶと思いますよ」
「もちろん言ったさ!! 今も張り切ってポーション作りをしてるよ」
「ん?…それって、ただ単にイルマさんがサボりたいためにけしかけたわけじゃないですよね?」
「ば、馬鹿を言うんじゃないよ!! 私がそんなことするわけないじゃないか...汗」
めっちゃ焦ってるじゃん。
少しセレナが可哀想ではあるけど、イルマさんから褒められて気分もいいだろうし、そこはそっとしておこう🎶
「ところでイルマさん、王都を離れて大丈夫なんですか?」
「ん? あぁ、そのことかい。一応アルテを通して王城には伝えてあるし、もう王家専属でもないからね。問題ないんだよ」
「こっちは問題なんだけど...」
「ん? 何か言ったかい?」
「いえいえ何でも...」
「ロナルドが戻るのがフィデールってのも大きかった」
「そうなんですか?」
「あぁ。ここは教国とも帝国とも近い国境の街だからね。いろんな薬草が手に入るのさ。王都にはない鮮度でな」
「なるほど、鮮度ですか...」
「アイテムボックスを持ってるあんたには分かりづらいかもしれないけど、薬草においては鮮度は重要なんだよ」
「へぇー。てっきり自分で料理するのが面倒になって王都から逃げてきたのかと思ってました笑」
「ば、馬鹿を言うんじゃないよ!! 私がそんなことするわけないじゃないか...汗」
「…」
さっきも同じこと言ってたな笑
わかりやすい人だ笑
「そういえばあんた、聖女を救出しただけでなく奥さんにしちゃうんだって?」
「あぁ、はい。そうなります」
「まぁ、フィリアについては分かってたことだから予想通りだけどね」
「そうなんですか?」
「気付いてないのはあんただけだったよ笑」
「…」
「しかしあれだね。これだけ粒揃いだと何年かしたらシーマの奥さん達がこの国を動かしてそうだよ」
「はぁ?」
「だってそうじゃないか。1人前になった薬師、経験豊富な商人、教国を支えた聖女、政局に詳しい王女...。間違いなくゼストでも揃えられないな」
「…」
「その辺の輩に目をつけられるのも時間の問題だ。自分だけじゃなく他にも十分注意することだね。それじゃ食事頼んだよ!!」
「は、はい…」
そう言ってイルマさんはそそくさとキッチンを出ていってしまった。
うーん…。
何ともイルマさんらしいなー。
何だかんだ言って、結局は最後の言葉を俺に伝えたかったんだろうなー。
考えてなかったわけじゃないけど、それも頭に入れていかないとな。
この前セレナが襲われた時のように、守れなかったなんてことは二度とあってはならないんだ。
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