異世界テイスト ~宿屋の跡継ぎに転生した主人公の異世界飯テロチーレム冒険ファンタジー!!~

きーす

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第6章 冒険 -帝国編-

大丈夫か?

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「大丈夫か?」


 俺の第一声はそれだった。

 この子。
 どんだけ戦ってきたんだよ…。
 傷だらけじゃん…。
 フラフラしてて、かろうじて立っているような感じだ。


「でも…戦わないと…勝たないと…先に進めないのです…」


 銀髪の少女は消えてしまいそうなくらいの微かな声で言った。


「フラフラのくせに何言ってんだよ。刀…剣がその状態じゃさすがに厳しいだろ?」

「えっ今、刀って…」


 俺は少女に対して、見たまんま思ったまんまを言ったのだが、この世界では刀は一般的じゃないんだよな…忘れてたわ。とりあえずココはスルーしておいて、後で対応を考えるとするかな。
 あわよくば俺が刀と口走ったことを、忘れてくれたら嬉しいんだが…。


「話は後で聞くよ。とりあえずこの場は俺たちに任せとけ」

「でも…」

「大丈夫だ。俺たちはそこそこ強いから。そこで黙って座っててくれ」

「………はい」


 よし、いい子だ。
 テレポで馬車へ戻るのも手なんだが、鑑定さんが微妙なことを言ってるからなー。今はここで大人しくしてもらうしかない。

 ちなみに俺が今、話しながら鑑定した結果はこうだ。


・カノン•••人間
・年齢•••14歳
・職業•••スパイ
・スキル•••剣士Lv.5
PS カイゼル帝国のスパイのようですが、訳ありのようです


 これな。
 どう扱っていいのかわからない。
 だから、潔く後回しにすることにした。
 

 俺は再びシータを手にして、モヤモヤを振り切るように、辺りの魔物を斬りまくった。

『ヤバいヤバい‼️ ちょー気持ちいい!!』

 …シータの声が聞こえてくるけど、イチイチ突っ込むのも面倒なので、俺は何も聞かなかったフリをして動き続けた。

『こんなの久しぶりなんだけどー!!』

 お前、刀だよな?
 何でそんなに欲求不満なんだよ…。
 確かにあまり使えてやれなかった俺も悪いけどさ…。
 ちょっとその辺も考えないとか…。
 ふぅ…。

 そんなこんなでシータが無双したおかげで思ったよりも早くかたがついた。

 そして、意外にも大人しく待っていた少女のほうへと俺は向かって行く。


「その刀、欲しい…」

「えっ?」

「いやいや、何でも…ない…です」


 少女が何やら不穏な言葉を口にしたような気がしたけど、とりあえず何も聞かなかったことにしよう。


「ねぇ、君。名前は?」

「…シノンです」


 なるほど。
 スパイだもんな、そう来るか笑


「俺、鑑定スキル持ちなんだけどなー?笑」

「うげッ!!」

「もう一度だけ聞くね。君の名前は?」

「………カノン」



 よろしい。



 


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