340 / 413
第6章 冒険 -帝国編-
人の気配
しおりを挟む「もうフィデール周辺の魔物はほとんど蹴散らしちゃったのかな?」
それから数日が経ち、シェリルが言うように近場にはオークはおろか、他の魔物にも遭遇しなくなってきた。
「そろそろ狩りの範囲を拡げてもいいのかもしれないわね。どうするフィリア?」
セレナはここであえてフィリアに確認していた。
これには戦闘中に限らずパーティーの指揮を取らせるという意味合いがある。
ずっと俺がやっていくわけにもいかないし、フィリアでも対応出来るようにしておかないといけないからな。
「そうね。私が言うのもなんだけど、もう少し拡げてもいいと思うわ。幸いこっちの方角には険しい道がないはずだから、帰る際にも苦労は少なくて済むしね」
「よし、それじゃあ行ってみるかー!!」
フィデールからそれなりに離れれば、それなりの魔物がいた。
なるべくフィリアに指揮を取らせつつ、時々クリスさん達にも手伝ってもらいながら狩りを進めた。
そして、もうそろそろ距離的にも引き返さなきゃいけないところに差し掛かったところでサーチに多数の魔物が引っかかった。
「フィリア、シーマも聞いて!!」
「セレナ、どうかしたか?」
「サーチに魔物の反応があったんだけど今回はかなりの数よ。それにね……1つだけ人間の魔力があるのー。どうする?」
「えぇっ?!」
「「「「「…」」」」」
セレナの言葉にフィリアが驚き、他のみんなは無言になってしまった。
俺もサーチで気付いていたのだが、そこはあえて黙ってみんなの反応を待ってみることにした。
「その人間が危険な状況なら助けなきゃ!! ココはオルティア王国。そして私は王女なのよ。この国の人を助けたい!!」
「いい答えだ、フィリア。それ以上の言葉は要らないな。みんな、行けるか?」
「「「「「もちろん!!」」」」」
フィリアもやっぱり王女様感を出すとサマになるよなー。冒険者としてもだいぶいい感じになってきたけど、生まれ付いたものはその違いを感じさせる。
「セレナ、ある程度近づいたら人のいる場所を教えて。そこに私がカルムを放つから、このまま馬車でそこに突っ込んで、みんなで周りを蹴散らすよ」
「「「「「「「「わかった!!」」」」」」」」
「今回は、カルムで戦意を無くした魔物も容赦なく叩き潰して!! この国の人の命には変えられないの!!」
「「「「「「「「了解(よ)!!」」」」」」」」
フィリアからの指示が飛んで、俺たちは魔物の群れ?のいるほうへ進んだ。
「フィリア、あの魔物がいっぱい集まったところ分かる?」
「うん」
「あそこに人の魔力を感じるよ!!」
「ありがとう、セレナ。それじゃみんな、魔法を撃ったら突っ込むよー!!」
「「「「「「「「わかった!!」」」」」」」」
「カルム!!」
13
お気に入りに追加
296
あなたにおすすめの小説

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

今日も隠して生きてます。~モフ耳最強なんて、誰が言った?!~
行枝ローザ
ファンタジー
世界でただ一人の『職業』の男が、世界でただ一人の『異質』な赤ん坊と会った。それが、旅の始まり。
世界でただ一人になった『魔素毒の森の管理人』シロン。
闇夜の森で、不思議な赤ん坊を拾った。猫の耳と鳥の羽と角を持つ、魔力のまったくない獣人の女児。
彼女を『守る』ために、シロンは『魔素毒の森』を管理しながら旅に出る。
※ エブリスタ同時公開中

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~
イノナかノかワズ
ファンタジー
助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。
*話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。
*他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。
*頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。
*無断転載、無断翻訳を禁止します。
小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。
カクヨムにても公開しています。
更新は不定期です。
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
*****************************
***毎日更新しています。よろしくお願いいたします。***
*****************************
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。

野草から始まる異世界スローライフ
深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。
私ーーエルバはスクスク育ち。
ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。
(このスキル使える)
エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。
エブリスタ様にて掲載中です。
表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。
プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。
物語は変わっておりません。
一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。
よろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる