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第6章 冒険 -帝国編-
人の気配
しおりを挟む「もうフィデール周辺の魔物はほとんど蹴散らしちゃったのかな?」
それから数日が経ち、シェリルが言うように近場にはオークはおろか、他の魔物にも遭遇しなくなってきた。
「そろそろ狩りの範囲を拡げてもいいのかもしれないわね。どうするフィリア?」
セレナはここであえてフィリアに確認していた。
これには戦闘中に限らずパーティーの指揮を取らせるという意味合いがある。
ずっと俺がやっていくわけにもいかないし、フィリアでも対応出来るようにしておかないといけないからな。
「そうね。私が言うのもなんだけど、もう少し拡げてもいいと思うわ。幸いこっちの方角には険しい道がないはずだから、帰る際にも苦労は少なくて済むしね」
「よし、それじゃあ行ってみるかー!!」
フィデールからそれなりに離れれば、それなりの魔物がいた。
なるべくフィリアに指揮を取らせつつ、時々クリスさん達にも手伝ってもらいながら狩りを進めた。
そして、もうそろそろ距離的にも引き返さなきゃいけないところに差し掛かったところでサーチに多数の魔物が引っかかった。
「フィリア、シーマも聞いて!!」
「セレナ、どうかしたか?」
「サーチに魔物の反応があったんだけど今回はかなりの数よ。それにね……1つだけ人間の魔力があるのー。どうする?」
「えぇっ?!」
「「「「「…」」」」」
セレナの言葉にフィリアが驚き、他のみんなは無言になってしまった。
俺もサーチで気付いていたのだが、そこはあえて黙ってみんなの反応を待ってみることにした。
「その人間が危険な状況なら助けなきゃ!! ココはオルティア王国。そして私は王女なのよ。この国の人を助けたい!!」
「いい答えだ、フィリア。それ以上の言葉は要らないな。みんな、行けるか?」
「「「「「もちろん!!」」」」」
フィリアもやっぱり王女様感を出すとサマになるよなー。冒険者としてもだいぶいい感じになってきたけど、生まれ付いたものはその違いを感じさせる。
「セレナ、ある程度近づいたら人のいる場所を教えて。そこに私がカルムを放つから、このまま馬車でそこに突っ込んで、みんなで周りを蹴散らすよ」
「「「「「「「「わかった!!」」」」」」」」
「今回は、カルムで戦意を無くした魔物も容赦なく叩き潰して!! この国の人の命には変えられないの!!」
「「「「「「「「了解(よ)!!」」」」」」」」
フィリアからの指示が飛んで、俺たちは魔物の群れ?のいるほうへ進んだ。
「フィリア、あの魔物がいっぱい集まったところ分かる?」
「うん」
「あそこに人の魔力を感じるよ!!」
「ありがとう、セレナ。それじゃみんな、魔法を撃ったら突っ込むよー!!」
「「「「「「「「わかった!!」」」」」」」」
「カルム!!」
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