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第6章 冒険 -帝国編-
年貢
しおりを挟むなるほどな…。
そこまで言うからには相当な覚悟が出来ているんだろうな。まさか王女の座を降りてもいいって言うとはな…。
でも、それはさすがにゼスト国王が許してくれないんじゃないか? ソニア王妃は分からんけど…。
「それって王家としては大問題になるんじゃないか?」
「多少の問題にはなるでしょうね。でも、きっとその程度よ」
「そんなこと…」
「あるのよ、それが‼️」
「…」
「私には婚約破棄の件があるわ」
「‼️」
「わかるでしょ? 今の王家にとって私はお荷物なのよ。お父様の考え次第では有り得ないことではないの…」
「それでも、王女であることに変わりはないじゃないか…」
フィリア王女の言葉に、俺はそう返すのが精一杯だった。
確かに、襲撃にあった王女が婚約破棄されたんだ。王家としても国家としてもメンツを保つなら、フィリア王女を切り捨てるという手が考えられなくもない。
でも、ゼスト国王がそれをするとは到底思えないんだよなー。フィリア王女を連れて帰った時に見せた顔は、国王というよりは親としてのそれだったからな。
「シーマさんにとって、王女ではない私からは魅力を感じなくなるの?」
「…いや、そんなことはないよ」
「ふふ…。シーマさんならそう言ってくれると思ってた❤」
ヤベッ!
ハメられたか?!
相変わらず油断ならないなー。
今まで、王女であることを理由にしてダラダラと先延ばしにしてきたけど、いよいよそうもいかなくなりそうだ…。
前の世界でいうところの、年貢の納め時ってやつなのかなー。
俺も覚悟を決めますか。
「…フィリア王女の気持ちはわかったよ。セレナとシェリル、クラリスにも聞いてみる。俺からの答えはその後になるけど…。いいよね?」
「別にクラリスには聞かなくてもいいのに…ブツブツ」
「えっ?」
「ううん、何でもないの。いい返事を待ってるわ。あと、ついでだからご褒美についても聞いておいて。じゃあねー‼️」
そう言い残して、フィリア王女は空の魔石をいくつか手にして、キッチンを出て行った。
ちゃんと魔力の訓練はするんだな。
こういうところなんだよな…。
何も言わなくてもやるべきことを分かっていて、出来ることをやろうとしてる。
しかも、ちゃっかりご褒美についても早速いただこうとしてるし笑
抜け目はない上、しっかりし過ぎている感もある。
怖いくらいだ苦笑
うーん…どうしよ?
とりあえず、嫁ズには夜になったら確認を取ることにして、その前にエルピスにフィリア王女の封印のことを聞いてみよっかなー。
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