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第6章 冒険 -帝国編-
中身
しおりを挟む「あのー、フィリア王女?」
「シーマさん、何かしら?」
何かしら?じゃねえよ。
書状に何か仕込んだなー。
「ゼスト国王への書状の中身を教えてもらえるかな?」
「えっ、クラリス救出の報告とかですけど...」
「その『とか』の部分を詳しく知りたいんだけど!!」
「あわわっ」
俺がちょっと語気を強めたら、近くにいたステラさんが慌て出してしまった。
そりゃそうだよな。
一人の準男爵ごときが王女様に対して怒ってるような口調をすれば誰だってそう思うだろう。
本当はこれまでのいきさつを話しておきたいけど、残念ながら今はそんなことを言ってる場合じゃない。
「怒らないから言ってみて」
「本当に怒らない?」
「ここにはセレナやシェリル、ステラさんもいるんだ。怒ってる姿なんて見せられないよ」
「えっと...クラリスがシーマさんと結婚することと、それに伴いオルティアで暮らすことのお願い...」
「うん」
「あとはエピリシアの現状報告と国境付近の魔物対策の依頼...」
「はいはい」
「『化粧水』に関する報告と私に任せてもらうことについて承諾のお願い...」
「うんうん」
「あとは...」
「あとは?」
「...私の結婚について自由に決めたいというお願い...です...」
「ふぅ...」
まぁ、そんなことだろうとは思ってから想定の範囲内ではあるけど、どうなんだろ?
ゼスト国王がいいって言えばいいのかな?
よくわからんな。
「本当にそれで間違いない? 嘘ついてたりしない?」
「う、うん。それは大丈夫」
「...わかった。ゼスト国王の許可が出るまでは何も言わないことにするよ」
「よかった...」
あまりキツく言っても可哀想だしな。
クラリスやエルピスとのこと、ノエルさんやイースさんのこともあるから、今のフィリア王女に結婚を焦るなっていうほうが無理なのかもしれない。
「あら、断られなくてよかったじゃないのフィリア」
「ぐぬぬぅ...」
おいおい。
クラリスさんや、火に油どころか爆弾ぶっ込んでどうするの?
しかも、微妙に上から目線だし笑
「クラリスって、聖女だったわりにフィリアに対してだけは意地悪なとこあるよね?」
「そうですか? 気のせいですよ。ふふふっ」
いや、気のせいじゃないと思う。
シェリルの言う通りじゃないかな。
俺は言えないけど苦笑
それだけ仲がいいとも言えるんだけど、本当はもっと違った意味で仲良くしてもらいたいもんだ...。
聖女か...。
最近の言動からすると、俺にとっては『性女』としか思えないんだけどな笑
あー、今日の夜が怖い。
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