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第6章 結婚編
順番
しおりを挟むえっ?!
俺、エルピスと結婚なんて聞いてないけど…。
当然のように嫁ズ&王聖女は驚くのを通り越してただ固まっている。みんなピクリとも動かない。大丈夫かな?ちゃんと生きてるよな?
「いろいろとツッコミたいとこ満載けど、そもそもの話、神様って結婚出来るの?」
「そんな…シーマくんたら突っ込みたいだなんて…まだ心の準備が…❤ あと、下野するといってもまだ先の話です。まずは先日お話ししたようにクラリスの身体を借りることから始めますよ」
「「えぇ~」」
「ちょっとシーマさん、どういうことよ!!」
「…」
唐突なエルピスの話に、嫁ズは驚き、フィリア王女は俺に食ってかかってきた。クラリスは黙っている。
「これはエルピスとクラリスの約束事なんだ。エルピスは俺たちに依頼してクラリスを救出した。そのお礼を願い出たクラリスに対して、エルピスは週に一度身体を借りることを要求し、それをクラリスは承諾したんだ」
「「そんな…」」
「本当なの、クラリス?」
「えぇ。その通りよ。明日さえどうなるかわからないような監禁された状況に比べたら大したことじゃないわ」
「それはそうだけど…」
俺もあえて触れてこなかったけど、やはり監禁されてた時の扱いは良いものではなかったようだ。
「しかも、クラリスには女神命令でシーマくんと結婚してもらいますから、まさに地獄から天国へ行くようなものなんですよ」
「「「女神命令?!」」」
あー、遂に言ってしまったか…。
でも、エルピスから言ってもらったほうがみんな納得するのかな…。
「順番としてはセレナさんとシェリルさんの次になるのかしら? 皆さんもお気付きだとは思いますが、クラリスは既に結婚する気でいますし問題ないかと」
「エルピス様ちょっといいですか?」
「何でしょうか、フィリア王女?」
「その…結婚についてはしょうがないかと思いますが、順番については私を先にしていただけないでしょうか」
「でも、フィリア王女はゼスト国王の承諾を得られてないのでしょう?」
「う、うぐぐっ」
フィリア王女もやけに順番に拘るよな。
俺としてはそこまで重要ではないけど、フィリア王女にはとても大切なことなんだろうな…。
ずっと一貫して言ってることだし。
「ちょうどいい機会だからはっきり決めようか?」
「「「「!!」」」」
「セレナにしてもシェリルにしても婚約しただけで結婚式はしてないからな」
「「「「…」」」」
「婚約は決まった順番にして、結婚式は出会った順番にしないか?」
「私はどちらでも」
「ボクもそうだね」
それはそうだろうな。
嫁ズの順番は変わらないし。
問題は王聖女のほうだ。
「私は早く結婚、もしくは婚約出来るなら何でも構いません」
「…仕方ないわね。それで手を打ちましょう」
クラリスもフィリア王女も納得してくれたようで良かった。
「シーマくんと出会った順番なら、私は2番目ということでよろしいですか?」
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