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第5章 冒険 -教国編-
女たちの決意
しおりを挟む【クラリス視点】
さっきのリンダさんの言葉は響いたなー。
いい女かー。
私になれるかしら…。
エルピス様の力を借りる?
いやいや、それじゃダメだよね。
セレナやシェリル、フィリアにだっていい女の要素はある。
その3人と違う何かを私はシーマさんに与えることが出来るのかな…。
ううん。
それを探さなければいけないんだ。
他の誰にもないものを私は探しに行こう。
【フィリア視点】
リンダさんったら、よっぽどクラリスが可愛いのね。愛情たっぷりの助言だったわ。
でも、それと同時に私も耳が痛かった。
いい女ね…。
王女という肩書きがあったせいで、今まではそんなこと考えもしなかった。
もっともリンダさん本人はそんなつもりはなかったでしょうけど、私の心には確実に火が点いたわ。
私は私のやり方で、セレナやシェリル、クラリスにもない私の魅力でシーマさんを惚れさせてみせる。そして、シーマさんの嫁の座を手に入れるんだ。
【セレナとシェリル】
「リンダさんには敵わないわね、シェリル」
「そうだね」
「イルマさんもだけど、言葉の重みというか説得力が違うのよね…」
「クラリスに伝えたかったんだろうけど、ボクが言われてるみたいだった…」
「私たちもこのままではいけないということよね?」
「うん。嫁になれるということに満足しないで女を磨いていけってことだと思う」
「そうよね。フィリアもクラリスも明日からきっと変わってくると思う。私たちも負けてられないわよね」
「うん。先に決まったのが伊達じゃないことを見せつけてやろうよ」
【イ〇ス視点】
先程のリンダさんの言葉が今もまだ私の心に引っかかっている。
おそらくフィリア王女様も部屋に戻ってからずっと黙り込んでいる。聡明な方だからきっと何か感じるものがあったと思う。
私はどうすればいいのだろう…。
ここにきて、私の剣に迷いのようなものが出てきている。
守りたいものと守らなければならないものが違ってきているような気がする。
いや、気がするんじゃないな。
理性がそれを認めたくないだけなんだ。
本当は分かってるのに、口と行動に出せないのが苦しい…。
手遅れにならないうちに何とかしないと。
本当に守りたい人の為にも…。
【ノ〇ル視点】
若いっていいわよねー。
クラリスはもちろん、フィリア王女も目の色が変わったもんね。
その点、私はどうなんだろ…。
ずっと2人でいるのが当たり前だったから特に気にすることもなかったけど、そろそろ本気でこれからのことを考えたほうがいいのかもしれないな…。
どうなるのが一番いい形なのか。
どうやらライバルが現れてしまったみたいだしね。
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