280 / 413
第5章 冒険 -教国編-
市場
しおりを挟む「おぉー!!」
港町サザンベールの市場はヤバい。
魚がある。
それだけで異世界の血が騒いでる。
でも、生の刺身は無理そうだな…。
「シーマ、何だか随分と目がキラキラしてるようだけど、何かいいモノでもあったの?」
俺の目の色がそんなに変わってたのか、セレナが問いかけてきた。
「あぁ。俺の知識がこれ買えこれ買えってうるさいくらいだよ笑」
「ふーん。まぁ美味しく食べれるなら何買ってもいいけど、興奮してアイテムボックスをバラすような真似はしないでね」
「それは大丈夫だ…と思う」
「本当に大丈夫なの? シェリル、シーマを厳しく見張っててね!!」
「任せて…って言いたいところなんだけど、シーマが買うものは『当たり』の可能性が高いからさ、ボクもきっちり見定めておかないといけないんだよねー」
「2人とも何でそんなに前のめりなのよ苦笑」
「しょうがないわよ、セレナ。その2人に任せておきましょ。私たちは美味しいものが食べられればそれでいいじゃない」
「そう…なのかな…」
俺もシェリルも当てにならないと、やたら心配してたセレナだが、どうやらフィリア王女に諭されて落ち着いたようだ。
だって目の前にはこんなにいろんな魚がいるんだよ。
興奮するなってほうが無理だ。
とりあえず、お店の人に聞きながらいくつか買ってみることにした。
・オルトロス → タコ?
・クラーケン → イカ?
・エビ → エビ?
・クラブ → カニ?
・マス → 鮭?
・シーバ → スズキ?
こんなところだろうか。
エビはエビなんだな…。
本当はいっぱい買いたいところだが、怪しまれても困るのでほどほどにしておいた。
これが当たりなら、ルート商会としてシェリルに買い付けてもらうつもりだ。
でもその前に嫁ズ+王聖女を味で納得させないといけない。まぁよっぽどのことがない限り俺が負けるわけはないのだが、セレナあたりは食べ慣れてないだろうからな…拒否感があるかもしれない。そこをどう上手く丸め込むのか、俺の腕の見せ所だ。
「ねぇシーマ、こんなに買っちゃったけど大丈夫なの?」
案の定、心配したセレナが俺に聞いてきた。
「あぁ、全然問題ない。っていうか俺的にはもっと買いたかったんだけど、目立つ訳にいかないからこれでも我慢したほうだぞ」
「本当に美味しいのこれ? ちょっと生臭臭かったけど…」
そうか。
フィリア王女はそう感じるかもしれないな。
王女様が生魚に触れるとは思えないし苦笑
「まぁ俺が調理したものを食べてみてよ。それでダメなら諦めるからさ」
「シーマがそこまで言うなら頑張って食べてみるよ」
「私もそうするわ。美味しいかもしれないものをみすみす逃すわけにはいかないもの」
どうやらセレナとフィリア王女については何とか説得出来たようだ。
「シェリルはどうだ?」
「ボクは商人として一応一通り食べたことがあるからさ、食材云々よりも、シーマがどう料理するのかが気になるかな…。それによって商会で取り扱うかどうかが決まるからね」
「なるほどな。でもそんなに期待されても困るぞ。俺は好きなように料理してみたいだけだからな。みんなの口に合うかどうかは別問題だし」
「シーマさんはそんなこと言ってるけど、セレナもシェリルも今までハズレたものなんてあった?」
「…あったっけ?」
「…ないかも」
「ほら見なさい。シーマさんが美味しいと思ったものはみんな美味しく感じるのよ。わかった?」
何で、ここにきてフィリア王女が微妙に逆ギレしてるのかがわからん苦笑
つべこべ言わずにさっさと作れってことなのかな?
12
お気に入りに追加
296
あなたにおすすめの小説

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~
冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。
俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。
そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・
「俺、死んでるじゃん・・・」
目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。
新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。
元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした
高鉢 健太
ファンタジー
ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。
ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。
もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。
とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!
【完結】神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ~胸を張って彼女と再会するために自分磨きの旅へ!~
川原源明
ファンタジー
秋津直人、85歳。
50年前に彼女の進藤茜を亡くして以来ずっと独身を貫いてきた。彼の傍らには彼女がなくなった日に出会った白い小さな子犬?の、ちび助がいた。
嘗ては、救命救急センターや外科で医師として活動し、多くの命を救って来た直人、人々に神様と呼ばれるようになっていたが、定年を迎えると同時に山を買いプライベートキャンプ場をつくり余生はほとんどここで過ごしていた。
彼女がなくなって50年目の命日の夜ちび助とキャンプを楽しんでいると意識が遠のき、気づけば辺りが真っ白な空間にいた。
白い空間では、創造神を名乗るネアという女性と、今までずっとそばに居たちび助が人の子の姿で土下座していた。ちび助の不注意で茜君が命を落とし、謝罪の意味を込めて、創造神ネアの創る世界に、茜君がすでに転移していることを教えてくれた。そして自分もその世界に転生させてもらえることになった。
胸を張って彼女と再会できるようにと、彼女が降り立つより30年前に転生するように創造神ネアに願った。
そして転生した直人は、新しい家庭でナットという名前を与えられ、ネア様と、阿修羅様から貰った加護と学生時代からやっていた格闘技や、仕事にしていた医術、そして趣味の物作りやサバイバル技術を活かし冒険者兼医師として旅にでるのであった。
まずは最強の称号を得よう!
地球では神様と呼ばれた医師の異世界転生物語
※元ヤンナース異世界生活 ヒロイン茜ちゃんの彼氏編
※医療現場の恋物語 馴れ初め編

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~
春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。
冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。
しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。
パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。
そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!
七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」
その天使の言葉は善意からなのか?
異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか?
そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。
ただし、その扱いが難しいものだった。
転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。
基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。
○○○「これは私とのラブストーリーなの!」
主人公「いや、それは違うな」

美少女に転生して料理して生きてくことになりました。
ゆーぞー
ファンタジー
田中真理子32歳、独身、失業中。
飲めないお酒を飲んでぶったおれた。
気がついたらマリアンヌという12歳の美少女になっていた。
その世界は加護を受けた人間しか料理をすることができない世界だった
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる