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第5章 冒険 -教国編-
夢の中で(クラリス視点)
しおりを挟むここがどこなのか知らないけど、監禁されてから結構な時間が経っていると思います。
最初のうちは日数を数えていたけど、今はもう分からなくなってしまいました。
いつまでこの状態が続くのでしょうか。
聖女になったことでこうなってしまったのなら、エルピス様には申し訳ないけど私はもう聖女でなくても構わない。出来るならエピリシアではない国でひっそりと暮らしたい。叶うなら結婚もしたいです…。
きっと無理なんでしょうね…。
今日はもう寝たほうがいいですね。
起きているとこんな風にいろいろと考えちゃうし、また自分を苦しめちゃうことになるから…。
「クラリス、ようやく会えましたね」
その声はエルピス様?!
えっ、何がどうなってるの?!
私は遂に亡くなってしまったの?!
「いえいえ、そうではありません。これはクラリス、あなたの夢の中です」
確かに夢ですよね。
エルピス様に会えるわけがないですし…。
それにしてもお美しいです。
教会の像なんか比べ物になりません。
私がエルピス様に似てると言われておりますが恐れ多いにも程があります。
死ぬ前にお姿を拝見出来てよかった。
「ふふっ、私があなたを聖女にしたんですから、そう簡単に死なせやしませんよ」
でも、この監禁されている状況では何も出来ないですし、ましてや、何よりも大事な聖女の杖も奪われてしまいました。
「えぇ知ってますよ。だから今、信頼出来る人達に依頼して、あなたを助けに行ってもらってます」
そ、そんなことが…。
「救出まではあと2~3日ってところでしょうか。おそらく突然あなたの元に現れることになるかと思いますので、驚かないようにお願いしますね」
う、嬉しい…。
エルピス様も私の救出を依頼していただきありがとうございます。
何かお礼をしたいと思うのですが、今の私には何もありません。
それでも私に何か出来ることはありませんか?
「それでは、私と1つ契約をしませんか?」
契約ですか?
エルピス様と繋がりを持てるのであれば何でもやります。
「内容を確認もしないでそんなこと言ってしまって大丈夫なんですか? 見方によっては結構酷いお願いなんですが…」
えっ、そうなんですか?!
でも、エルピス様なら悪いことにはならないはずです。
ここから助かるためです。
多少の困難は受け入れてみせます。
「週に1日、あなたを乗っ取らせて下さい」
はぁ…ん?!
えっ、ええええぇー!!
私の体で何をするつもりなんですか?
「そんなのナニに決まってるじゃないですかぁ」
いやいや、女神様が何でそんなにヤル気マンマンなの~!!
私だってマダなのに~泣
相手は誰なのよ~泣
「それはそのうち分かりますよ。うふっ」
何だか助かったとしても、もの凄く不安なんですけど…。
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