異世界テイスト ~宿屋の跡継ぎに転生した主人公の異世界飯テロチーレム冒険ファンタジー!!~

きーす

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第5章 冒険 -教国編-

合流

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「シェリル、馬車が見えた。合流して何もなければすぐに出発するぞ!!」

「わかった!!」


 俺は走りながらシェリルに指示した。
 馬車が南側の入口近くにあるってことは、クリスさん達も順調だったみたいだな。


「シーマ、シェリル早く乗って!!」


 セレナが馬車から手を振りながら叫んでいる。
 俺とシェリルが飛び乗ると同時に馬車は動き出した。


「シーマくん、杖は?」

「すり替えました!!」

「よし!! それじゃ、話は後だ。すぐにエルブライトを出るよ!!」

「お願いします!!」


 クリスさんが馬車を走らせ、俺とシェリルは急いで着ていた服を脱ぐ。実は追手対策のために、念の為冒険服を重ね着していたのだ。これで、万が一街の出口で目撃されても、すり替えの犯人とは気付かないだろう。
 もっとも、杖を使いこなせない以上、すり替えたことに気付くのかどうかさえもわからないけどな苦笑



 その後、特に何のお咎めもないままエルブライトを出れた。



「ぷはァ~」

「シーマさん、お疲れ様。大変だったでしょ?」


  やり遂げたという達成感と無事にみんなと会えた安心感から、馬車の中で急に気が抜けてしまったところを、フィリア王女が労ってくれた。


「あまりやらないことをやると疲れるね笑」

「確かにそうかもしれないわね」

「とりあえず杖は何とか取り返したから、後は聖女クラリスか...。今回みたいな奇襲は通用しないだろうな、きっと」

「そうね。何か策を練らないといけないかも。でも、みんなで考えれば何とかなるんじゃないかしら?」

「杖のすり替えがバレたら、聖女が危険に晒される可能性が高いから、こっちも早めに動く必要がある。そもそも、聖女の救出が一番大事なんだし」

「本番はこれからってわけね。まずは移動しながら考えましょ。」

「そうだね」

「ところで、その杖は本物なの?」

「あぁ、大丈夫。すり替えてからすぐにシータに確認してるから問題ない」

「ふーん。相変わらずシータと仲がいいのね!!」

「えっ?! あぁ、うん…」

「まさか、その杖にも名前をつけるとか言い出さないでしょうね!!」

「いやいや、それはないよ。そもそもシータだって、名前をつけてくれって言うからつけただけだし」

「それもどうかしらね」


 何だかシータの名前を出したら、フィリア王女が若干不機嫌になったような…。


 まぁ、いいや。
 杖を取り戻してひと安心ではあるけど、最も大きな目的は聖女クラリスの救出だ。それを達成しなければあまり意味をなさなくなる。

 まだまだこれからといったところか…。




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