異世界テイスト ~宿屋の跡継ぎに転生した主人公の異世界飯テロチーレム冒険ファンタジー!!~

きーす

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第5章 冒険 -教国編-

イースさんの料理?

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 初野営の翌朝。
 俺が朝食の準備をしてると、イースさんが声をかけてきた。


「王女付きの侍女である私にも何か手伝わせて下さい」


 そっかー。
 立場上、じっとしてはいられないか。
 でもなー、一緒に料理でもしようものなら、アイラの時と同じ轍を踏むことになりそうだしな...。


「今は休業してますけど、俺って元々宿屋をやってたんですよ」

「はい。フィリア王女様より聞いております」

「だから、俺が食事を作って提供するのって当たり前のことなんですよねー。だから、ちょっと今は思い付かないけど、何かあったらイースさんにも手伝ってもらいますので、それ以外はフィリア王女の世話をしてあげて下さい」

「そんな...」

「シーマさん、私のことは大丈夫よ。自分のことくらいは自分で出来ます。それこそ、いつでも嫁入り出来るくらいです」

「...」


 俺がイースさんのご厚意をさらっとかわそう思ってた矢先を、フィリア王女にポッキリと折られてしまった。
 何してくれてんねん。
 しかも、何でこんな時に限って早起きなんかなー苦笑
 いや、違うな。
 イースさんが起こしたんだ、きっと笑

 ちなみに、この家の部屋割りは俺たちディオランサで1部屋、エリシオンで1部屋、フィリア王女とイースさんで1部屋となっている。

 何か手伝ってもらうようなことか。
 何かあるかな...。
 とりあえず、今日のところは肉でもカットしておいてもらおうかな。


「それじゃお言葉に甘えて、お肉のカットをお願いしてもいいですか? ひと口大くらいであれば大丈夫です」

「わかりました。是非やらせて下さい」

 さすがに王家に仕える侍女だな。
 サクサクとこなしてしまう苦笑


「他にも切るものはありますか?」

「いや、今日のところはその辺で大丈夫ですよ。助かりました」
 
「それなら、シーマさんが料理するところを見ててもいいですか?」

「別に構いませんけど、あまり面白いものじゃないですよ? 少しばかり特殊かもしれないですけどね」

「そんなことないです。少しでも覚えて自分でシーマさんの料理を作れるようになりたいです」

「普段は自分で料理するんですか? いつもは料理長の料理をいただくので、お休みの日にちょっとだけ...」

「いろいろあるんでしょうけど、普段からやってみればいいのに。イースさんの料理だったらフィリア王女も喜ぶんじゃないんですか?」

「あぁ、それは...」


 ずっと聞いてるだけだったフィリア王女が何か言いかけたが、それを遮るようにしてイースさんが答える。


「ふふっ、わかってないですね、シーマさんは笑」

「?」

「フィリア王女様は、シーマさんの料理を私が作ってもダメなんですよ」

「?」

「シーマさんが作る料理が食べたいんですよ」

「ちょっと、イース!!」

「何ですか、フィリア王女様? 私が間違っていますか?」

「間違って......はいないんだけど、その...」


 フィリア王女がイースにやり込められてるのを見るのも面白いな笑
 きっと2人はいい関係なんだろうなっていうのがよく分かる。微笑ましい光景だ。

 話の内容は別としてだけどね...。





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