異世界テイスト ~宿屋の跡継ぎに転生した主人公の異世界飯テロチーレム冒険ファンタジー!!~

きーす

文字の大きさ
上 下
211 / 413
第5章 冒険 -教国編-

脱出?

しおりを挟む


 ヒーラを出発した俺たちは王城へ入り、素早く変装したフィリア王女とイースさんを乗せて早々に王都と出た。

 昨日の貴族会議の後ということもあって、王都ではフィリア王女の話で持ち切りらしい。だからこそ俺たちはさっさと王都を出る必要があった。感覚としてはほとんど脱出だ。
 

「王都は大変なことになってるわね」


 フィリア王女がボソッと言った。
 ほとんどがあんたの話題なんですけどね...。


「もしかしたらイルマさんはこうなることを知っていたのかもしれませんね。だからフィリア王女を無理には止めなかったんじゃないですかね」

「...そうかもしれないわね。だったら何としてもクラリスの救出を成功させて、堂々と王都へ帰ってみせないといけないわね」

「そうですね」


 俺はそう言ったが、何も分からない今の状況がとても不安だった。
 逃げるように王都を飛び出したが、教国に関する情報がほとんどないのが現状だ。教国に入る前に出来る限り、教国と聖女に関する情報収集をしておきたい。


「フィリア王女は前回、どこの街から教国に入ったんですか?」

「私たちは確かガラムから教国へ行ったわね。1番距離が短いルートで計画したらそうなった感じね」

「ガラムか...。ガラムの街って大きいんでしたっけ?」

「それほど小さくもないけど大きくもないわ。それがどうかしたの?」

「ガラムから行くかリーズから行くかで迷ってるんですよ。教国に入る前に出来るだけ情報が欲しいんですが、どっちに行ったほうがいいのか...」

「そうねー。街としての賑わいだけで言えば、リーズのほうが栄えてるわね」

「なるほど...」


 最短距離のガラムをとるか、
 情報に期待してリーズをとるか。

 今、最も重要なのは教国もしくは聖女の情報だ。
 そう考えたら、少しでも賑わっているリーズを選択するのが正しいんだろうな。


「よし、決めました。リーズに寄ることにします。よくよく考えてみれば、ガラムは最近フィリア王女が寄っていることから顔バレの危険があります。情報収集と食料補給のために立ち寄るのはリーズにします」

「そうね、言われてみれば確かにそのほうがいいわね」


 俺とフィリア王女で決めてしまったことをみんなにも展開していく。特に反対意見も出なかったので問題はないようだ。



 そして道中、
 今までは見られなかった2つの光景が繰り広げられることになった。
 1つは、セレナによるノエルさんへの弓指導だ。これは以前からノエルさんがお願いしてたことが実現した形だ。これがある程度進めば、今度は逆にセレナがノエルさんから魔法を教えてもらうらしい。
 もう1つは、クリスさんとイースさんによる訓練だ。単純に矛と盾による戦いなんだが、かなり見応えのあるものになっている。どんどん腕を上げるクリスさんの剣を、イースさんは剣と盾で受け切っているのだ。王家に仕えるだけあってその技術はかなりのものなんだろうな。

 そんな中、
 俺たちは初日から野営することになるのだが、アイテムボックスから家を出すところから、イースさんはただひたすら呆然としていた。フィリア王女もエリシオンの2人ももう驚きもしなくなった。

 慣れって怖いねー笑






しおりを挟む
感想 35

あなたにおすすめの小説

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

今日も隠して生きてます。~モフ耳最強なんて、誰が言った?!~

行枝ローザ
ファンタジー
世界でただ一人の『職業』の男が、世界でただ一人の『異質』な赤ん坊と会った。それが、旅の始まり。 世界でただ一人になった『魔素毒の森の管理人』シロン。 闇夜の森で、不思議な赤ん坊を拾った。猫の耳と鳥の羽と角を持つ、魔力のまったくない獣人の女児。 彼女を『守る』ために、シロンは『魔素毒の森』を管理しながら旅に出る。 ※ エブリスタ同時公開中

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~

イノナかノかワズ
ファンタジー
 助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。  *話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。  *他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。  *頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。  *無断転載、無断翻訳を禁止します。   小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。 カクヨムにても公開しています。 更新は不定期です。

間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。 間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。 多分不具合だとおもう。 召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。 そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます ◇ 四巻が販売されました! 今日から四巻の範囲がレンタルとなります 書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます 追加場面もあります よろしくお願いします! 一応191話で終わりとなります 最後まで見ていただきありがとうございました コミカライズもスタートしています 毎月最初の金曜日に更新です お楽しみください!

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 ***************************** ***毎日更新しています。よろしくお願いいたします。*** ***************************** マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

処理中です...