異世界テイスト ~宿屋の跡継ぎに転生した主人公の異世界飯テロチーレム冒険ファンタジー!!~

きーす

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第4章 冒険 -王都編-

しばしの別れ

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 フィリア王女を連れて王城を後にした俺たちはヒーラへ戻ると、早速エリシオンを呼び出した。


「クリスさんとノエルさんにお願いがあります」

「急に改まってどうしたんだい?」

「俺たちディオランサとフィリア王女と共に、エピリシア教国へ行って聖女救出に協力してもらえませんか?」

「...わかった。いいよな、ノエル?」

「そうね。特に予定もないし、いいんじゃない? むしろ楽しそう」

「えっ、あ、ありがとうございます。その...理由とかは聞かないんですか?」


 すぐさま了承されるとは思ってなかっただけに驚いてしまった。そして、気になったのは引き受けた理由だ。


「だって、シーマくんからのお願いだし、フィリア王女様もいるんだから、依頼についての間違いはないだろ。それに、ちょっと刺激的なほうがノエルも楽しんでくれるからね。断る理由なんてないんだよ」

「依頼中はシーマくんの料理がずっと保証される。それだけでも十分」

「「「…」」」

「でも、ちょっと気になるのは、イルマさんが1人になっちゃうことかな」

「「「「あっ!!」」」」


 イルマさんのこと忘れてた。。
 どうしよう...。
 まぁいいか、ここまで決めちゃったんだ。今さら後には引けない。
 


「...という訳で、俺たちみんなで出掛けることになったんです。しばらく空けてしまいますが、また戻ってきますのでその時はまた泊めて下さい」

「そうかい...いよいよ行くんだね。でもまた戻ってくるんだろ? その時が早く来ることを祈ってるよ。みんながちゃんと無事で帰ってくるんだよ...」


 みんなでイルマさんに伝えに行った。
 イルマさんも心のどこかでは覚悟を決めてたみたいで、必要以上の言葉や態度はなかった。



 そして、翌日の朝。
 いよいよ出発の時だ。

 いつも通りに食事をして、出発の用意をしていたところ、イルマさんに声をかけられた。


「ほれ。これを持っていきな」


 イルマさんの手にはたくさんのポーションがあった。
 イルマさんのお手製ポーションは、毎日売り切れるほど冒険者には人気がある。それなのに、今その手元にたくさんあるということは、俺たちのためにわざわざ作ってくれたってことだ。


「イルマさんのポーションがこんなに...。ありがとうございます」


 気が付くとセレナが答えていた。
 そうか...。
 セレナはポーションをこれだけ作るのがどれだけ大変か知っているんだ。


「あんたたち、フィリアを頼んだよ」

「わかりました。任せて下さい。それと、イルマさんにお願いがあるのですが…」

「何だい?」

「バタバタしてて、アイゼン幻陽に出発のことを伝えそびれました。イルマさんから事情を説明しておいてもらってもいいですか?」

「別に構わないけど高くつくよ?笑」

「帰ってきたら、また料理をご馳走様しますよ笑」

「それで決まりだ。約束したからね笑」
 

 俺たちはヒーラを出発した。

 冷蔵の魔道具にたくさんの料理を残して...笑





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