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第4章 冒険 -王都編-
続々・打ち明ける
しおりを挟む「それにしても、シーマさんが異世界の知識を持った女神エルピスの使いとはね...」
「今まで黙っててすみません」
「ううん、そうじゃないの。打ち明けてもらえたことが嬉しいの。だって、私の他にこのことを知ってるのはセレナとシェリルだけでしょ? 遂に私も嫁入りかなって...」
「?」
「「...あちゃー」」
嫁ズが両手で顔を覆っちゃってるよー。
これは万事休すなのか?
「えっ? これってそういう流れじゃないの?」
「「「...」」」
「女神の使徒なんて、王女の嫁ぎ先にピッタリじゃない!!」
「「...シーマ、どうするの?」」
いかん。
このままでは嫁ズにも怒られてしまう。
「い、いや、ゼスト国王がダメって言うんじゃないかな...」
「それじゃ、早速聞いてみよっか? 明日は貴族会議の日だけど、どうにか非公式で会えるかどうか確認してみるね。どっちみち聖女救出の件は話さないといけないし。早速アルテにお父様の予定を聞いてきてもらうわ」
フィリア王女はそう言って部屋を出て行った。
「結構大変なことになってきたな...」
「聖女様を救出するんでしょ? そりゃそうでしょ」
「シーマと一緒にいるといろんなことがあるよねー」
俺が独り言のように呟くと、嫁ズがしょうがないよとばかりに言葉を続ける。
確かにそうなんだよなー。もっと静かで楽に暮らしていけたらいいんだろうけど、どこかで苦しんでる人がいると分かっていて、それを救える手段があるなら動かない訳にはいかない。女神様の依頼ならなおさらだ。
だから俺も、覚悟を決めて飛び込むしかないんだ。
「ねぇ、シーマさんお腹空いた。何かない?」
アルテさんに指示して部屋に戻ってきたフィリア王女だが、どうやら腹が減ったらしい。
「この時間だから軽いものしか出さないですよ」
俺はそう言ってフライドポテトをテーブルに出した。
夕飯を終えた後だもんな。
おやつ程度のほうがいいだろう。
「これも異世界の料理なのよね?」
「そうなりますね」
「シーマさんの料理が特別な理由が、まさかそんなところにあったとはね...。もっといろんな料理が作れるの?」
「食材と調味料次第ですかね。」
「この国に無くても、他の国にあればいいのよね?」
「それってまさか...」
「そう!! これからエピリシア教国に行くじゃない? 何かあるかもしれないわよね♪」
「...」
遊びに行くんじゃないんだけどな...。
「姫様、ゼスト様の予定を確認しました。明日は貴族会議ですが、朝早くなら大丈夫だそうです」
急いでヒーラに戻ってきたアルテさんが伝えにきた。
また謁見なのか......はぁ。
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